bigEgg

Created Date: 2017-10-13/ updated date: 2018-01-30
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    Summary
    ファブ3Dコンテスト2017
    カテゴリー5:デザインエンジニアリング部門
    テーマ:3Dプリントエッグドロップパッケージ 「落下の衝撃から卵を守るのに最適な構造とは?」 最初にイメージしたのは、クラゲのような構造でした。
    傘への空気抵抗により落下速度を落とし、
    更に、触手の内部に卵を納める事により衝撃を吸収しようという狙いです。
    しかし、構造が複雑で、多数のパーツに分けて出力して組み立てる必要があり、
    美しさにも欠ける造形でした。 更にシンプルで美しい構造はないのか?
    答えは、最初から目の前にありました。
    卵型構造は、自然界に見られる造形の中で、耐衝撃性に最も優れた構造です。
    そこで、保護対象である卵の外側に、卵型のシェルを構築するパッケージをデザインしました。
    シェル内部の緩衝構造としては、ボロノイパターンやオーゼティックパターンも魅力的でしたが、
    自然界に見られる蓮根の内部構造を採用しました。気室の形状と配置を非対称にする事でシェルが歪み、外部からの衝撃を内部へ溜め込まずに逃がす効果を期待しています。

    Materials

      Tools

        Blueprints

          Making

          • 卵 Mサイズ(58~64g)
            • パッケージ対象になるMサイズの卵を測定します。
              計測には最初は3Dレーザースキャナを使用しましたが、
              ノギスでのアナログ計測の方が、より適切な結果が出せました。

              規格は重量で決まっていますが、複数のサンプルを計測した結果、
              サイズは長径55~60mm、短径40~45mmの範囲に収まることを確認しました。
            • 思いつきを描き留めておきます。
              今回のデザインのテーマは「自然界で最も衝撃に強い構造は、卵殻構造である」という事。
              卵を護る卵型のデザインです。
            • テーマが決まったら、早い段階からアイディアを3Dスケッチします。
              まず、パッケージ対象の卵と、それを護る卵殻を生成します。使用環境は Rhino for Mac 5 WIPです。それと、プラグインのGrasshpperを使用して、できるだけ実線を描かずにモデルを生成します。この一手間で、のちの修正・変更も容易になります。
            • 卵型の理想形を求めて、様々なバランスを試します。肉眼で観た時に美しく感じるラインを追求して、卵モデルを生成します。(ここで3Dスキャンした卵のデータも使用してみましたが、あまり参考にはなりませんでした。)
              ここで決定した曲線は、すべての造形の基礎としてGrasshopper上で引用されます。

              パッケージの開閉構造は、はじめは長辺の側面で2分割するつもりでした。しかし、卵形構造の一番弱い部分に開閉機構を設けることになり、また、弧の美しさをスポイルすることになるので、卵の短径に合わせた栓を設けることにしました。
            • 外殻の内部に、衝撃を吸収するための内部構造を設けます。
              3Dボロノイ構造によるランダムなサイズの気室・オーゼティック構造による衝撃分散パターンなども検討しましたが、内部構造も自然界からアイディアをいただく事にました。
              長辺の端には卵形の気室を設け、短辺方向には、蓮根の穴をイメージした気室を放射状に配置します。
            • Mサイズという規格の卵にも、様々なサイズと形状があります。その違いを吸収するために、内部へ納めるケースを追加しました。アウターシェルとコアシェルの2層構造になることにより、対衝撃性が高まることも期待できます。

              コアシェルの内部には、卵のサイズの違いを吸収しつつ固定するために、扇形のクッションを設けます。
            • コアシェルを収める開口部を確保しつつ、気室を設けます。
              断面とレールになる曲線をGrasshopperで配置して、バランスを見ながらパラメーター制御で形状を調整します。
            • 各パーツの細部まで形状設定ができたところで、Grasshopperから"Bake"して、3Dモデルを生成します。
            • 3Dモデルをパーツ毎に分解して、STL形式で保存します。
              STLモデルをスライサーに読み込み、3Dプリント用のGコードを生成します。

              卵型形状は極端なオーバーハングが無いので、サポートはほとんど必要ありません。しかし、そのままではプリント中に倒れやすくなるので、ベッドへの設置面積を確保するために、最低限のサポートを追加します。

              インフィルにも衝撃吸収性を期待して、体積率を10%に落とし、パターンはフルハニカムとします。

            • 生成したGコードを3Dプリンタ制御ソフトへ送り、プリントアウトします。

              出力に使用するプリンターは、Genkei atom RC初期型をベースに、ホットエンド形状変更・モデル冷却ファン追加・オートベッドレベリング追加等の改造を施したものです。

              制御ソフトは、スライサーと同じ "Simplify 3D" を使用しています。
            • コアシェルのプリント完成直前に、ワークがサポートから剥がれて転倒。出力失敗。
              この後、基板系のマシントラブルが発生。残念ながら、コンテストのエントリー締め切りには、間に合わないことになりました。
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          References

            Usages

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