発案までの過程
1.片手でできなかったり、リウマチの方が難しそうな作業を並べていった
2.既存の自助具があまりないもの、対象者を片麻痺に絞って、候補を消していった
3.残ったもので3Dプリンターで作れそうなものとして、シールに注目した
この自助具の目的
①片手でシールを剥がしやすくし、かかる時間を短縮する。
②複数枚のシールがある台紙でも、特定のシールだけを剥がしやすくする。
③遊びや事務作業、余暇活動の幅を広げる。
アイディアスケッチ
先行事例
○高齢・障害・求職者雇用支援機構「上肢障害のための 支援ツール」より引用。
・大きい故に重く、持ち運びがしにくい
→3Dプリンターで軽量化し、持ち運びがしやすくなるのでは
3Dモデル デザイン案1
利点:しっかり全面的にシールを押さえられる
課題:シール幅に制限がかかること、大きいため場所を取ったり印刷時間がかかったりする
3Dモデル デザイン案2
利点:薄くてコンパクト、シール幅に制限がない
課題:押さえる際にずれる可能性がある、押さえる力が弱い
対象者
①片麻痺のある方
②手先の細かい動作が苦手な方
③手指巧緻性が低下している方
試作①
①土台の突起部分に剥がしたいシールを置く
②シールがずれないよう青い窓で固定する
③シールを剥がす
試作①では、うまくシールを剥がすことはできませんでした
感想・改善点①
<感想>
・台紙からシールが剥がれなかった
・シールを挟むと扉部分が浮いてしまった
・挟んだシールが上手く固定できずポイントからずれてしまう
<改善点>
・中の突起部分を鋭くする.
・台紙の窓を小さくしてシールの固定性を高める
・シールを固定するため扉と土台を厚くする
試作②
手順は試作①とほぼ同じです。
①土台の突起部分に剥がしたいシールを置く
②窓でシール台紙を固定する
③窓で台紙を押していく
今回は突起に押し出されてうまくシールを剥がすことができました
感想・改善点②
〈感想〉
・窓の大きさを縮小したことで、台紙が固定されるようになった。
・突起を円柱から円錐にしたことで、シールを下から押す圧力が大きくなり、シールが剥がれやすくなった。
・土台、蓋となる部分を厚くしたことで、耐久性が向上した。
・小型化したことで、3Dプリントの作成時間が短縮された。
〈改善点〉
・台紙がシールと同じ大きさ・形のもの(フレークシール)は、剥がすのが困難。
・窓の大きさを縮小したことで、大きいシールを剥がすことができなくなった。
まとめ
・片手でもシールを剥がすことができるよう、改善を重ねて自助具を作成することができた。
日常の場面のみでなく、趣味や事務仕事等でもシールを使う機会はあり、この自助具の活用が期待できると思う。
今後の展望
今後の展望
①シールの形状について
・フレークシールのような、台紙がシールそのままの形になっているものは今回の自助具では剥がすことが不可能であった。台紙とシールの余分な隙間がないため、押し上げるとシールが縒れてしまった。
②シールの大きさについて
・窓枠を超える大きさのシールだと、窓枠で抑える範囲を超えてしまうため、台紙から剥がすことが困難であった。
→今後の自助具制作の上で、改善の余地がある
③滑り止めについて
・滑り止めシートを自助具の底部分につけることで机上に固定することが可能なため、安定してシールを剥がすことができると考える。