全体像

これは、人々が集まるサンシェードです。夏になると広場に設置されます。パーツのつなぎ合わせはすべてジョイントになっているので、設置・解体は簡単です。

伝統的日本木造建築の模倣

「家の作りやうは、夏をむねとすべし」という言葉が徒然草の中にでてきます。これは、「家のつくりは
夏を中心に考えた方がよい」という意味です。日本では古くから、夏の気候で涼しむ工夫を凝らして、家づくりが行われていました。

風通しをよくする木造建築の骨組みを、わたしたちは模倣しました。
ジョイントで木材同士をつなぎ合わせ、がっしりとした立体に組んだり、材を延長することができる木造建築の技術です。その歴史は平安時代にまで遡ります。この作品、「一つ屋根の下」も日本の伝統的な木造建築と同じように接着ではなく、ジョイントを工夫して作り上げました。

内部構造

直射日光を遮るひさし。南北に大きく開いた間口。壁を減らした構造。湿気をためないよう通気性を保つ床下。私たちが当たり前に目にしている日本の木造建築は、実は太陽の熱を防ぎ、風を通す古来からの知恵が込められています。

サンシェードの下にはなにがあるでしょうか?
よくみかけるのはベンチなどです。

日本家屋には、風の通り道を自由に変えることができる可動式の仕切り「ふすま」があります。
窓にはすだれ、無双窓など、内部構造にも工夫が凝らされていることがわかります。

わたしたちの作品にも、ひとつ屋根の下に集う人々が自由に動かせる「すだれ」そして「ふすま」を設置しました。

風になびく簾(すだれ)

吊るされたこの簾は、風に揺られ、あなたを視覚的に楽しませます。取り付ける位置も自由自在です。

人々が自由に動かせる襖(ふすま)

簡単に移動できる「ふすま」で、空間を自由に分けたり、ゆるやかに繋げたりできます。

用意するもの

トランプ64枚
統合A32枚
統合B46枚

すだれ、ふすま

すだれ用ジョイント4つ
すだれ用トランプ4枚
ふすまようトランプ2枚

まずは、柱を組み立てよう。その1

トランプ一枚と、ジョイントAを4つ使い、トランプの四隅に取り付けます。これを8つ作ります。作ったもの同士の間をトランプ1枚を使い、4つをひと繋がりにくっつけます。これを2セット作ります。

柱 その2

ジョイントBを4枚使い、さきほど間をつなげたものを四角になるように取り付け、もう一枚、トランプを上に取り付けます

次に屋根を作ろう

ジョイントBを6枚使い、トランプ2枚を繋げます。これを3つ作ります。トランプ2枚を使い、作ったものをつなぎ合わせます。

屋根その2

上部のトランプにジョイントB4枚を取り付けます。取り付けたら、斜めに屋根をとりつけましょう。

屋根と柱を合体だ!

完成した屋根をもち、完成した柱の上におき、対応する穴にはめこみます。完成はもうすぐだ!

完成までもうすぐ!

取り付けた屋根の下と柱に、先ほど取り付けた斜めのトランプの延長線上に置くように、トランプを斜めに取り付けます

オプション:すだれの組み立てと取り付け

すだれ用トランプの真ん中の窪みに合わせて、すだれ用ジョイントの捻られた方のクリップをつければ、完成です。取り付けは、トランプがついていない方のクリップで、天井の好きな位置に取り付けましょう。

オプション:ふすまの設置

好きな位置にふすまを配置しましょう。

完成!

「ひとつやねのした」の完成だ!

試行錯誤の道

ジョイントの検証

試行錯誤の道

ストローとモールで骨組みを作る検証

試行錯誤の道

そのほかも様々な形を検証しました。