筆箱をアップグレードする文房具作り
情報の授業の課題として、筆箱をアップグレードするアイテムを作成した。
普段文具を使っていて困ることは…?
やはり、消しカスでノートなどが汚れることだ。という訳で、消しゴムのカスを吸い取る消しゴム入れを考案した。消しカスがあると、書く邪魔になるだけでなく、紙を汚すこともあるので、消しゴムのすぐ後ろに消しカス回収用の入れ物をつけた消しゴム入れを考案した。
アイディアスケッチにかき起こす
先程思いついた、消しカスを吸取る消しゴムケースを実際にアイディアスケッチにかき起こしてみた。
アイディアスケッチには、絵とともに、 ・Title:消しカスを吸い取る消しゴム入れ ・Who:自分 ・What:消しカスを吸い取る ・When:文字を消すとき ・Where:机の上 ・Why:消しカスで紙が汚れるから という項目を併記した。
やはり、絵が苦手なため、どうも思うとおりに描けない... なんだかんだでで苦戦しながらも、何とかそれらしいものが完成した。
Tinkercadでモデリング
アイディアスケッチを元に、実際にTinkercadでモデリングした。
消しカスを集める機構となる、上部の丸い壁面を作るのが難しかった。特に、集めた消しカスをためる部分を作るために穴をあけるときに、図形が思わぬ位置に動き、混乱した。
3Dプリンタで実際に印刷
Tinkercadで作ったデータをSTL形式でエクスポートし、AfiniaStudioで開いてみた。データの損傷はなし。後は印刷して結果を待つのみ。
印刷中
3Dプリンタにデータを転送し、実際に印刷。 トラブルもなく終わりますように...
印刷完了
待つこと約40分。ついに印刷が終了した。
果たして結果は…?
ラフト取り
印刷する過程で生じたラフトを、ニッパなどを使って慎重に外していく。 ここで失敗したら印刷が無駄になると思うと、とても緊張した。
消しゴムケースが完成?
ラフト類を丁寧に外し、消しゴムケースができた。
しかし、よく見ると…
消しカス入れの上部が欠けている。
何が起こったのだろうか。印刷完了直後にきちんと見ていればよかった...
実際に消しゴムを入れてみる
実際に消しゴムを入れてみると、ケースが消しゴムよりも少し大きいような…
やはり、Tinkercadで大きさを合わせるのは難しい。
というわけで、再印刷することに。
気を取り直して再印刷
上部が欠けたり、大きさが消しゴムに合わなかったので、再印刷した。
再び約40分待ち、印刷が完了。
結果は?
今回は、上の部分もきちんと出力されている。 しかし、消しゴムを入れてみると... 消しカスを収集する部分が厚すぎて、消しカスが入らない!
結局、上部を薄くするためにもう一度Tinkercadでモデリングし直すことに。
Tinkercadで再モデリング
より消しカスが入りやすい構造にするために、再びTinkercadでモデリングした。 消しカスを収集する上部の壁をより薄くするために、ほかの図形を組み合わせて穴をあけるのだが、空間把握がやはり難しい。
モデリング中に新しいアイディアが!
モデリング中、消しカスが入る部分を薄くしたところで収集した消しカスが落ちてくるのではないかという懸念が。そこで、収集口に小さな三角形をつけることに。しかし、この位置合わせがかなり難しく、最後はミリ単位の調整となった。
3度目の印刷へ
再モデリングが終了し、やっと3回目の印刷へ。 「3度目の正直」と行きたいところだ。 今度は消しゴムが丁度収まるように、0.9倍にして印刷をかけた。
3Dプリンタに表示された印刷時間は42分。もう少し早くならないのかと、毎度毎度思うところだ。
印刷完了
ついに3作目の消しゴムケースの印刷が完了。 さて、使い勝手は...?
今度こそ...
出力された消しゴムケースのラフト類を外して、消しゴムをはめてみる。 おっ、今回は消しゴムがはまって落ちてこない...大きさはピッタリだ!
消しカスは入るのか?
大きさはピッタリということで、実際に使用してみる。
うーん、確かに消しカスが入って行くけれど、少し抵抗感が。 さらに、消しカスが落ちてくる。 やはり、消しカスが入る部分が小さいようだ。 またモデリングだ…
モデリング
消しカスが入る部分を大きくするため、Tinkercadでモデリングし直した。
4度目の印刷
先ほどモデリングし直したデータで印刷した。
3作目よりも大きくなっているはずなのに、印刷時間は7分早くなっている。なぜだろうか?
使い勝手を試す
ケースに消しゴムをセット
第4作目の消しゴムケースに、消しゴムをセットし、試してみた。
調子は...
サイズもちょうどよく、消しカスも少々入りにくいものの、コツをつかめば中に入っていく!
これでいよいよ完成か?
折れたぁぁぁぁぁぁ!!!
消しゴムケースの使い勝手を試そうと、消しゴムを使っていると、突然、消している感覚がなくなった。
なんと、消しゴムが折れていたのである。これは、消しゴムケースの壁が通常のスリーブよりもかなり厚いことが原因だと考えられた。
ということで、この消しゴムケースを使う際は、力加減に注意が必要なようである。
感想
今回、3Dプリンタで、初めて実用的なものを作ったが、その過程では、モデリングの難しさを痛感した。
モデリングの難しさ
モデリングにはAUTODESK社のTinkercadというソフトウェアを利用したが、本文にも書いたように、空間把握がとても難しかった。特に今回の消ゴムケースは、消しゴムの大きさはもちろん、消しカスが入りやすい構造にする部分などの細かい部分が多く、大きさをきちんと合わせたつもりでも、実際に3Dプリンタで出力すると、大きさが合わなかったり、消しカスが入らないなどのトラブルが続出した。ただ、作品はデジタルデータであるため、修正するのが簡単なのは救いだった。
3Dプリンタを使って
3Dプリンタを使ってきて感じたことは、その動作に特徴が多いということだ。
例えば、曲面や横向きの文字の印刷が苦手であるということが挙げられる。今回の作品では、上部のカーブ部分が多少ギザギザになっていた。
また、3Dプリンタが印刷中に度々エラーで止まって困ることもあった。例えば、"motion system error"などがあった。ただ、これらのエラーも経験する回数が増えるに従って、初期化するなどの対処に慣れていった。また英語の勉強にもなった。
今後の課題
消しゴムケース自体について
今回作成した消しゴムケースでは、消しカスが入る部分にわずかな段差があり、そこに消しカスが引っかかってうまく入らないことがあった。また、消しカスが入った後に、落ちてこないようにする機構が不十分で、使っている時に落ちてくることが多々あった。
そのため、次回はより消しカスが入りやすようにするための工夫をしたいと思う。そもそも今回の消しゴムケースにおいて、消しカスが入りにくかったのは、消しカスの滑りにくさを考慮していなかったために起こったものである。そのため、消しカスを中にかき込むような機構を作り、また、あまりケース自体を傾けなくても使えるような構造にし、より使いやすい消しゴムケースを目指したいと思う。
全体を通して
続いて、作品作り全体を通しての感想である。今回の作品作りの中で感じたのは、計画的に作品作りを進めることの重要性である。
今回の作品は、コンテスト実施については以前から知っていたものの、応募しようと決めたのが期限間近だったため、直前に急ぐこととなった。
そのため、今後はきちんと計画を立てて、直前に焦ることのないようにしようと思う。