対象者
調理を行う際に通常両手動作となる野菜の皮むきを、麻痺や怪我により、片手で行わなければならなくなった方。
なぜ作ろうと思ったか
①調理を行う際に通常両手動作となる皮むきを、片手で楽に行えるようになりたいという、主婦の患者さんからの要望があった。 ②従来木材を使用し、ニスなどを何重にも塗り防水加工を施し作成し、使用時は錘をつかって動かないように固定し使っていたが、使用する場所が水場であることで耐久性は十分ではなかった。 ③収納も場所をとり、物自体も重さもあり取り扱いしづらいものであった。
どのように作製したか
ピーラーの選定
使用するピーラーは、剝きやすさ、固定のしやすさ、形状の変更や販売中止などの可能性が低いと思われるものを指標に、いくつか試したうえで無印良品のピーラーを選択した。
設計
はじめの試作ではピーラーを50°で固定し、刃がまな板と水平に近い角度になるように設定したが、使用してみると横方向の力によりまな板が動いてしまった。
そのため、ピーラーを25°で固定したところ、まな板が動きづらくなり剥きやすくなった。
また、ピーラーを容易に抜き差しできるように設計している。
3Dプリンタの設定
材料:ABS
積層ピッチ:0.2mm
密度:100%
シェル:3層
設計データ
peeler25.stl
対象者の何がどのように変化する道具なのか
シンプルな構造で軽量化することで、道具の準備から後片づけまで、簡単に片手で行えるようになる。また、野菜を楽に安全に剝くことができ、野菜は手前に引くのではなく下方向(まな板の方向)に力を軽く加えることで、まな板を固定しなくとも横に滑ることなく安定して皮むきができる。