For whom
今回の対象者はALSを有しており、手指の筋力低下によって鍵のつまみをつまんで操作することが困難になっていた。対象者は自立して移動することは可能であったが、鍵の開閉が難しくなることで、その行動が制限される状況につながる状況であった。
Why
対象者は指の力で何とか鍵を開けている状況であったが、疾患が進行性であるため、近いうちに操作が困難になることが予測された。一方で、つまみをつまむ力は低下しているものの、握力は良好に保たれており、前腕の回旋運動を活用することで安楽かつ継続的に鍵の開閉が可能になると考えられた。鍵を自ら開閉できることは、対象者の生活を維持する上で極めて重要であり、その手段を支援することが生活の継続に直結する。
How
鍵をつまんで開閉する動きを、握って前腕の回旋運動で操作ができる自助具を検討した。
対象者は回外運動よりも、回内運動の方が残存して、運動しやすいため、鍵のつまみを回内運動を中心として操作ができるように形状を調整した。
大きさとしては、握りやすい大きさで調整するとともに、つまみに挟み込む大きさは、ピッタリにするか、少し大きくして挟み込みやすくするかで両方を対象者に試してもらうことできめた。
最終的には、つまみの幅とちょうどの挟む幅にすることで最もスムーズに操作することができた。
STLデータ
STLデータ
鍵の開閉自助具
フィラメントはPLA
infillは75%で出力
OUTCOME
本自助具はドアノブに設置することで、対象者自身が取り付けて操作することが可能となる。添付の写真は支援者が模擬的に使用したものであり、実際の使用方法とは一部異なるが、スムーズな操作が確認できた。ご本人からは「とても楽に操作できるようになりました。時間もかからず、安心して使えるので本当に嬉しいです」との感想をいただいている。
持ち方写真
その他写真