Materials

  1. PLAフィラメント
  2. 食品用型取りシリコン 半透明タイプ144g
  3. 食器洗い用洗剤
  4. 養生テープ
  5. 紙コップ
  6. プラスチックスプーン
  7. はさみ
  8. 麻紐
  9. 刷毛

Tools

  1. 3Dプリンタ
  2. Tinkercad
  3. primalDraw
  4. はかり

テーマ : 食品ロス

私たちは、環境問題に対して何か行動を起こしたいと考え、食品ロスという課題をテーマとすることに決めました。食品ロスとは、本来食べられるはずの食品が捨てられてしまうことです。そして、フードロスは、生産・収穫、輸送、加工・製造・包装の中で廃棄されてしまう食品のことを示しています。つまり、フードロスとは、食品ロスの一部です。

食品ロスの現状

大テーマの「食品ロス」が日本でどのような状況にあるのかを農林水産省のホームページで発見しました。
引用元:https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2310/spe1_01.html

食品ロス量

年間の日本の食品ロス量は約523万トンです。国民一人当たりの食品ロス量として換算すると、毎日おにぎり1個分を捨てていることになります。そして、食品ロスには、料理の食べ残しなどの家庭から発生する「家庭系食品ロス」と、飲食店で発生する食べ残しなど、事業活動を伴って発生する「事業系食品ロス」があります。

食品ロスと環境問題

食品ロスは、食べられるはずのものが捨てられるだけでなく、ゴミの焼却による環境問題が発生しています。特に、水分を多く含む食品の焼却には多くのエネルギーが必要なうえに、処理費用も掛かっています。 また、焼却では二酸化炭素が排出され、焼却後の灰を埋め立てる土地の問題も発生します。もし、食品ロス 100トン削減できれば、46トンもの二酸化炭素を削減できます。

食品ロスの削減目標

政府は2030年度の日本の家庭系食品ロス、事業系食品ロスをそれぞれ2000年度と比べて半減させることを目標とし、様々な取組を進めています。そのおかげで、近年の食品ロス量は減少傾向にあります。しかし、「半減」の目標を達成するためには、まだまだ努力が必要です。

アイデア作り

大きなテーマである「食品ロス」の解決策を話し合う中で、“食べ残し”という言葉をキーワードとして捉えるようになりました。すると、以前、大食いチャレンジが流行していたことを思い出しました。そして、“大食いビジネス”という概念が存在するのであれば、“少食ビジネス”という言葉があっても良いのではないかと考えるようになりました。また、少食の人はおかずよりもご飯を残すのではないかと思い、ご飯用のお椀を制作することになりました。

調査

本当に持ち運ぶことのできるご飯用のお椀が必要とされているのかを知るため、高校生と大人にアンケートを行いました。
また、飲食店を経営したことがない私たちでは、卓ONEのデメリットを考えることに限界があると感じ、全国にチェーン店を持つとんかつ濵かつ店に足を運び、取材をさせて頂きました。

アンケート

【質問】
  1. ご飯とおかずのどちらをよく残しますか?
  2. 外食時に、ご飯を残して申し訳ないと感じた経験はありますか?
  3. 外食時に、ご飯の量を自分で調節できたら良いなと考えたことはありますか?

【結果】
  1. 高校生:ご飯→84.6%、おかず→15.4%  
  2. 高校生:ある→92.3%、ない→7.70%    
  3. 高校生:はい→69.2%、いいえ→30.8%       

  1. 大人:ご飯→53.8%、おかず→46.2%
  2. 大人:ある→75.0%、ない→25.0%
  3. 大人:はい→100%、いいえ→0%

飲食店への取材

とんかつ濵かつ 博多デイトス店では、1日に3~5㎏の食べ残しを生ごみとして捨てており、おかずよりもご飯の食べ残しの方が多いけれども、食べる量は人それぞれということが分かりました。また、卓ONEをお店で取り入れることの問題点は衛生面だというお話を伺うこともできました。そして、食べ残しがあると「せっかく作ったのに…」という残念な気持ちになるとおしゃっていました。

アイデアを形に

「Tinkercad」と「primalDraw」を用いて3Dにデータ化し、3Dプリンタで型を出力してシリコンを流し込むことにしました。

デザイン①

初めに「Tinkercad」で、大きさを変えるという部分を重視して円柱の真ん中をくり抜いた大きさの異なるものを3つ重ねて形を作りましたが、シリコンを流し込んだとしても曲がる部分が無いため、折りたたむことができないという問題が発生しました。

デザイン② その1

デザイン①の反省を生かして、まずは「primalDraw」を用いてお椀の断面図を表しました。その断面図をSVGデータにおこし、「Tinkercad」にインポートして、「Tinkercad」の回転体を使って円の形にしていきました。円の形にして行く最中に、合体させるとバグが発生したので大変でしたが、ファブラボ太宰府の皆様に協力していただきながら何とかデータを完成させることができました。このデータを3Dプリンタで出力しました。

デザイン② その2

デザイン②その1で出力したデータの一回り小さいサイズのお椀と最初のお椀の形をくり抜いた形3Dプリンタで作成し、その周りに食器洗い用洗剤をつけて144gの食品用シリコンを流し込みました。およそ12時間後にシリコンを取り出して卓ONEの完成です。しかし、曲げようとしても元の形に戻ってしまうので、折り目の部分を薄くする必要があると考えられます。

卓ONEの使い方

①飲食店に卓ONEを持っていきます。
         ↓
②ついで欲しいご飯の量を店員さんに伝え、卓ONEを渡します。
         ↓
③卓ONEについでもらったご飯を食べ終えたらジップロックに入れて持ち帰ります。
         ↓
④家で綺麗に洗って保管しておきます。
①~④の流れを繰り返すので、環境にも配慮したものとなっていると考えられます。

届けたい人

  • 少食の方
→残した時の罪悪感を感じることがなく、食べ切ることができたという達成感を味わえます。
  • 飲食店の方
→食べ残しを処理する手間がかからず、食べ残しがなくなることで仕事へのやりがいを強く感じるようになると思います。

今後の課題

  • 卓ONEを広める方法
→InstagramなどのSNSでの発信や実店舗に卓ONEをおいてもらうという方法以外の広め方を模索していきたいと思っています。
  • 衛生管理
→とんかつ濱かつ店さんで取材させていただいた際に、衛生的に大丈夫なのかわからないという課題が出たので、解決していきたいです。
  • 折りたためるように
→曲げようとしても元に戻ってしまうので、折り目の部分を薄くすることが必要かなと考えています。
  • デザインの工夫
→食欲が増すようなデザインのお椀にすることが重要だと感じています。今はまだ真っ白なままで食欲がわくようなデザインではないので、試行錯誤を繰り返したいです。

制作後記

卓ONEを制作するにあたり、多くの方々に協力して頂きました。私たちは、当初考えていたアイデアを変更しての活動となったため、時間と闘いながら、お椀の形をどのようにするべきかを大いに悩んでいました。しかし、皆様のおかげで、アイデアをしっかりと形にすることができました。ファブラボ鎌倉・ファブラボ太宰府の皆様、先生方、とんかつ濵かつ 博多デイトス店様、アンケートに協力してくださった皆様、本当にありがとうございました。まだまだ足りない部分はありますが、これからも尽力いたしますので宜しくお願い致します。食事を通してみんなが幸せになれますように!

Reference


Reference①

減らそう「食品ロス」 食品ロスって 何が問題なの? https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2310/spe1_01.html
食品ロスとは?フードロスとの違いや日本の現状、取り組む企業を解説  https://cococolor-earth.com/foodloss/
食品ロスの現状を知る https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2010/spe1_01.html

Reference②

「とんかつ浜勝」ブランドロゴをリニューアル!
会長・米濵和英による直筆ブランドロゴで更なる高みへ https://www.hamakatsu.jp/news/2016/0325_1/
家庭で、飲食店で、フードロス削減のためにできること「12のアクション」~忙しい人や一人暮らしの人向けのアイディアも紹介!  https://www.cuc.ac.jp/om_miraitimes/column/u0h4tu0000002rw6.html