いろいろ素材はあるけれど...
最近は本当にいろんな種類の3Dプリント素材が出回っている。しかし、実際に使ってみるまでなかなかイメージはつきにくいものだ。結構楽しいことができそうなので、みんなにうまく伝えられる方法はないだろうか。
そうだ、かたちにして歌にしよう。
文字をプリントする方法
それぞれの素材の特性が生きるような文字をプリントしていきましょう。
まずはイラストレーターで太めのフォントを探し、文字を打ち込みます。バラバラになっていると印刷しづらいので、文字をアウトライン化して適度に合体させてあげましょう。
文字に厚みをつける
イラストレーターから文字のパスデータを書き出し、3Dモデリングソフトに読み込んで厚み付けをします。
今回はdxf形式で書き出した文字をRhinocerosで読み込み、ExtrudeCrvで厚みをつけました。
3Dプリント用に変換する
利用する3Dプリンタに合わせてモデルを変換しましょう。
僕はSimplify3DやMakerbot Desktop, Slic3rなど使い分けました。3Dプリント素材によってパラメーターを適宜調整することが超大事です。
3Dプリントする
まずはPLAで「黄色い歓声」を印刷しました。
このモデルはそのままだと端が反ってしまったので、薄い円盤をつけて印刷後に取り外しました。
- 文字のベクターデータを作る
- 厚みをつけて3Dモデルにする
- 3Dプリントする
の順番で、どんどん印刷していきましょう！
「澄んだ瞳」
光造形方式の3Dプリンタ、ARM-10を使ってみます。
熱溶解積層方式よりも積層痕が残りづらく、見た目が綺麗ということで、透明度を生かした「澄んだ瞳」を作ります。
ARM-10で印刷
素材はARM-10標準のPRH35-STを利用しました。
直接手に触れないように丁寧に扱い、出力後は紫外線を当ててしっかり硬化させましょう。
世の中を知った瞳
たしかに積層痕はほとんど見えない！ただし、透明度は思ったよりも出ず。中空にするなどすればもっと良くなったかな？
「黒い噂」と「真っ赤な嘘」
カラフルなPLAでブリブリ出していきます。
フィラメントはなかなかリールを丸ごと使いきらず余っていたので、なんだかお得な感じでした。
「信頼が崩れる」
フルカラーも出力できる粉末石膏プリントを試してみます。
3Dモデルに色のテクスチャをつけるため、今回はscluptFabというWebアプリを利用しました。stlのファイルを読み込むと直感的に色をつけていくことができます。
業者に発注
石膏プリンタはまだ家庭におけるレベルではないので、業者に発注します。
締め切りまで時間がなかったので、「3Dが3日で目の前に」を掲げる3Dayプリンターを利用したところ、本当に3日で届きました。価格は「信頼」２つで5000円なり。
信頼を崩すのは簡単...？
石膏プリントは壊れやすいと聞いていたけれど、厚みのある部分は結構硬くて手で破壊するのは大変だった。
ハンマーを使ったらきれいに粉々になりました。
「自分を磨く」
PLAと同じくメジャーな素材、ABSで後加工にトライします。
ABSはアセトンを蒸着させると表面がテカテカになるという特性があります。しっかり密閉できる容器を準備して、こちらのサイトの手順を追って試したところ、表面が溶けてテカテカになりました。
「態度は柔らかく」
最近流行（？）の柔軟系素材。なかでもPolyFlexは扱いやすくて好みです！
あまりに厚みがありすぎると柔らかさが生かされないので、薄めに出しました。
「誤解を解いて」
melfillという水溶性のフィラメントをおすそ分けしてもらいました。
水につけておくだけで溶けてなくなる素材で、サポート材に利用すれば除去がとても簡単になります。
水につけて待つ
水につけて置くだけでゆっくりと溶けていきます。全部溶けきるまでおよそ５時間ほどかかりましたが、混ぜたりするともっと早くなるかもしれません。
きれいさっぱり！
見事にすべて水溶しました。
溶けた誤解は下水に流しました。
「名誉を取り戻せ」
最後に使うのはSMP（形状記憶）フィラメント。
出力後、お湯につけると手の力だけで形を自由に変えることができます。
変形したモデルをお湯につける
変形した状態で再度お湯につけると、じわじわと元の形に戻っていきます。
形状記憶の力！
しっかりと名誉を取り戻すことができました。
歌いましょう
こうして色々な文字ができました！
これだけ使い倒したのは初めての経験で、すげー楽しかったです。気になったフィラメントがあれば、ぜひ試してみてください！
歌詞カード
あとは映像に合わせて歌いましょう。すごい恥ずかしかったです。