FabLoggerとは

FabLoggerは「ものの使われ方」を計測するために開発されたセンサーです。

デジタルファブリケーションを用いて「作った」ものが、生活の中でどのように「使われて」いるのかを調べることによって、その価値を可視化することを目標としています。

サイズは500円玉より一回り大きい程度と小型であり、市販のボタン電池一つで1カ月ほど持続するため、さまざまな場面で利用できます。

FabLogger Ver1.2 の仕様

  • 直径:36mm
  • 厚み:9mm
  • 加速度・角速度・地磁気センサー
  • 温度・湿度センサー
  • 照度センサー
  • サンプリング周期:500ms~30min
  • 取得期間:~1カ月程度以上(サンプリング周期による)
  • CR2032コイン電池1個
  • BLEによりPCと通信(測定パラメータ指定、データ取り出し)

実測による消費電力は次の通り。
  • 電源OFF時待機電流:24uA
  • 動作時・計測待機中:35uA
  • 動作時・計測中(Beacon 3s間隔、センサ・サンプリングレート2s時):620uA

FabLoggerドングル

FabLoggerを利用するためには、ドングルとPCを接続する必要があります。ドングル側の規格はminiUSBです。

FabLogger本体の使い方

FabLoggerは専用のケースに入っています。

電源を入れる/切る

白いボタンで電源の管理をします。
  • 一度押すとLEDが1回だけ点滅し、電源ONになる。
  • 電源ONの状態で3秒以上長押しすると、LEDが2回点滅して電源OFFになる。

使わないときは必ず電源OFFにするよう心掛けてください。電池が消耗してしまうので……。

コイン電池の交換方法

白いボタンの反対側に、コイン電池を入れるスロットがあります。電池を入れ替える際にはケースを裏返し、スロットごと抜き出します。

コイン電池の向きに注意!

コイン電池はプラス極(文字や記号が印字されている面)がケースの裏面を向くように配置してください。写真の通りに配置し、そのまま入れれば正しい向きになります。

「FabLogger Manager」をダウンロードする

FabLoggerの管理・設定は専用のソフトウエア「FabLogger Manager」から行います。こちらのURLから.exeファイルをダウンロードし、インストールを進めてください。

FabLogger Managerを起動する

FabLogger Managerを起動し、FabLoggerとの通信を行います。

ドングルとPCを接続する

FabLogger Managerを起動するためには、ドングルとPCをminiUSBケーブルで接続する必要があります。

接続された状態で、アプリケーションを起動してください。

メインメニュー

起動に成功するとこのような画面になり、周囲にある起動済みのFabLoggerがリストとなって表示されます。

FabLoggerのLEDを光らせる

FabLoggerが複数ある場合、固体判別のためにLEDを点滅させることができます。 

任意のFabLoggerを選び、下部メニューの「Blink LED」をクリックすると、選択されたFabLogger表面のLEDが一定時間点滅します。

計測の設定/開始

使うFabLoggerを選び、下部メニューの「View/Control」をクリックすると、設定画面が別ウィンドウで開きます。

Stateはそれぞれ、
  • Idle:待機中
  • Recording:計測中
  • Recorded:計測後、データダウンロード済み
であることを表しています。

「View/Control」画面の見方(1)

URN:FabLoggerの個体識別番号(未実装)

Measure Interval:計測を行う間隔。0.1sec~30min。「Button」はFabLoggerのボタンを押したときだけ計測する

Measure Samples:計測を行う回数。Measure Intervalが「Button」の場合、ここでの指定は無効となる

Totla Time:全ての計測にかかる時間

End Time:計測が終了する時刻

Comment:任意のコメントを記入できる。過去のコメントはItemDept上の「History」に保存されていく(未実装)

計測項目の選択

「Configure」をクリックすると、計測項目の詳細を選択できます。

チェックボックスを埋めると計測を行い、チェックを外すと計測を行いません。
→ Tempreture 温度/Humidity 湿度/Light 照度/Acceleration 加速度 /Gyroscope ジャイロ/Magnetometer 地磁気

加速度とジャイロの計算精度を選択できます。
→ Accelerometer/Gyroscope


計測の開始

用途に応じて各項目を設定したのち、青色の「Start」ボタンをクリックすると計測を開始します。計測中はStateがRecordingとなり、アイコンやウィンドウの色が赤く変化します。

計測中のボタンの挙動

なお、FabLoggerのボタンはセンサーデータの強制取得ボタンを兼ねており、Measure Intervalに関わらずボタンを押した時点でのデータを取得します。

そのため、データロギング中はボタンを長押ししてもOFFになりません。従って、電源をOFFにできるのは、本体がIdle状態のときだけになります。

計測の終了/データの入手

指定した計測時間が経過するか、計測中に「Stop」ボタンを押すと計測が終了し、「Download Data」をクリックすることができるようになります。

「View/Control」画面の見方(2)

Download Data:計測したデータをアプリケーションで取得する。選択後、以下のメニューが選択可能になる

Graph View:計測データのグラフを見ることができる

Upload to Server:計測データを専用サーバーにアップロードする(未実装)

Clear Data:FabLogger内部の記録データを削除する。選択後、FabLoggerはIdle状態に変化する

Export CSV:取得データのcsvファイルをPCに保存する

「Graph View」

計測したデータを折れ線グラフで見ることができます。

「Refresh」を押すと、そのときチェックがついている項目だけのグラフに更新されます。

「Export CSV」

取得したデータに応じてCSVデータが書き出されます。