どのような方を対象としているか
脳卒中等により片麻痺となった方々は、片手でさまざまな活動に取り組まれていることが多いです。
今回の片手で紙を切るという行為は、切る対象の固定が難しく、うまく切れないだけでなく、姿勢の崩れや疲労が生じやすくなる。
対象者は、片手で切り絵に取り組まれていたが、うまく切れない中で、真面目な性格もあって一生懸命取り組まれていた。
自助具を提供しようと思った理由
脳卒中後の左片麻痺により、紙を切る際は、紙を固定することができず、うまく切れないだけでなく、姿勢の崩れや疲れが生じていた。
現状としては、洗濯バサミや文鎮を用いて左手の代わりに紙を固定していたが、それを自身でする際に多大な時間を要する、うまく調整できないという状況であった。
そのような中であっても、対象者は、デイサービスで取り組んでいる切り絵を自宅でも熱心に取り組まれていた。
年齢や病気の状態から、心身の機能面の向上ではなく、環境面から活動の改善をする必要があった。
製作過程:作業分析
【必要な改善点】
・自分自身で簡単に会を固定することができる
・切りたい向きに合わせて位置調整が容易にできる
・空間に紙を保持することができる
材料
可動性:背骨くん(アーム部分)
固定性:ゴム板(せぼね君とゴム板との接合は3Dプリンターによるアタッチメント)
調整:3Dプリンターによるベースとマグネットシート、マグネットピン
3Dプリント:フィラメント PLA
ゴム板とせぼね君のアタッチメント
せぼね君と紙を固定するベース
せぼね君と紙を固定するベース2
製作
3Dプリンターの製作物と材料と接着剤を用いて接合する。
生活の中でどう使われているか
自分自身で切りたいところをマグネットを活用して固定することができる。
空間に設置できていることで、紙を切りやすくなり、自分が紙に合わせるのではなく、紙を切りやすい位置に合わせることが可能となった。