プロジェクトの経緯

「YAMA KITCHEN」で1日店長を任されることになったわたしは、参加者のみなさんのアイデアや創意工夫が活かされる「ファブキッチン」の場づくりを計画しました。

レシピはオープンソースにできるものを。
素材はローカルなものを使うこと。

それが実現できるレシピが、私の祖母がおやつに作ってくれていたクレープでした。

レシピについて

わたしの経験上、お菓子づくりでいちばんはじめにつまづくのは材料をはかることでした。
最近はデジタルのはかりもありますが、それでも容器の重さをひいたりするのはめんどうだし
複数の材料があるときは、材料ごとに計量の容器を用意しなくてはならず、容器の数が足りなくなることもしばしば。

そこで材料ごとに大きさの異なる計量カップを作成し、あらかじめ「このカップいっぱいに材料を入れれば計量できる」という容量にしておけば、はかりいらずのお菓子づくりが実現できるのでは?と考えました。

材料について

FabLabでのものづくりのおもしろさは「データはグローバル、素材はローカルに」という点にあると考えます。
今回の「FAB KITCHEN」でも、ローカルな素材を使用することで、地域の特性を活かしたクレープができないかと期待しました。

そこで、小麦粉は山口県産のものを使用し、参加者の個性がみえるように具材を持ち寄ってもらいました。

計量カップをつくろう

小麦粉と牛乳をはかるための計量カップをつくりました

容積を調べる

まずは、一般的な電子スケールでそれぞれの粉を100g分測りました。

・測った粉
  • 小麦粉(山口県産)
  • そば粉(山口県産)
  • 米粉(山口県産)
  • てんさい糖

容積を調べる

100gはかった粉を、計量カップに移し替えてその高さを計測しました。

計量カップモデリング・試作(1)

計量カップの底面積と、粉の高さをもとにして
小麦粉100g、牛乳100g(200ml)のためのカップを試作しました。

クレープを試作してみる

試作した計量カップを使って、クレープを作ってみました。
作りやすさを重視し、小麦粉:牛乳=1:1.5の割合がちょうどいいことがわかりました。

お好みの食感、粉の種類によって分量はかわると思います。

計量カップ モデリング(2)

Fusion360で、計量カップのモデリングをおこないました。
履歴機能があるのでとても便利に設計できました。
同じようなかたちのものをいくつか設計するときには便利かもしれません。

  • KMGカップ(小麦粉)http://a360.co/1Rh7GI8
  • MILKカップ(牛乳)   http://a360.co/1oCMyDc


計量カップ 出力(2)

  • Makerbot Replicator 5th Generation
  • Afinia H480
※Afiniaでは出力範囲が大きすぎたためか、途中でラフトが反ってしまい
うまく出力できないことが多かったです。

クレープをつくろう

2016年2月20日(土)山口情報芸術センター[YCAM]内のシェアキッチン「YAMA KITCHEN」にて1日店長ワークショップ「ファブキッチン」をおこないました。

http://www.ycam.jp/events/2016/yama-kitchen/

開店

まずは店長のレクチャーから
FabLabのモットー「Learn・Make・Share」を体験できるワークショップにしたいということで
「ただ作るだけではなく、作ったものをプレゼンしましょう」と呼びかけました。

その後、参加者のみなさんが持ちよった素材を見せ合って、想像をふくらませます。

生地づくり-材料

20cm程度フライパン 5〜6枚分
  • 小麦粉    KMGカップ1杯
  • 牛乳  MILKカップ1杯
  • たまご    1個
  • お好みで砂糖、溶かしバター



生地づくり-混ぜる

  1. 小麦粉をKMGカップすりきり1杯分はかり、ボールに入れます。このとき泡立て器でかき混ぜると、だまが少なくなります
  2. たまごを割り入れて、泡立て器で混ぜます
  3. 牛乳をMILKカップ1杯分はかり、少しずつボールに加え混ぜていきます
  4. 好みで砂糖、溶かしバターを加えます
  5. ざるを使って生地をこします(だまが取り除かれ、よりなめらかな口あたりの生地になります)

生地づくり-焼く

  1. フライパン(テフロン加工を使用)に油をしかず、中火であたためる
  2. あたたまったら一度濡れふきんの上で粗熱をとり、再び火にかける
  3. 生地をおたま一杯分すくい、静かにフライパンに流し込む
  4. 薄焼きたまごを作る要領で、手早くフライパンを回して生地を全体に広げる
  5. 表面が乾いてきたら、生地のふちを少しはがして両手で持ち、一気にひっくり返す
  6. 裏はほとんど焼かなくてよい
     好みで10秒ほど経ったら、皿に取り出す

つつむ

材料を生地の上にのせて、つつんだり、重ねたり、巻いたりします。

プレゼンテーション

自分がつくったクレープについて、短い時間でみんなに紹介します。

みんなで食べよう

おいしくいただきます

まとめ


よかったこと・発見したこと

  • 店長の予想以上に自由な発想で作ってくださった
  • プレゼンテーションタイムがあることで、他の人のクレープに触発されて創作がはじまったのがおもしろかった

改善点

【カップについて】
  • 牛乳が漏れる
    >>
    infllの密度を変えることで解決するか?
  • 注ぎ口があったほうがいい
  • 入れ子式になるとよさそう

【WSについて】
  • 自分のクレープができたらすぐに食べたいと思う。そりゃそうだ。タイムスケジュールや、枠組みを再考する必要がありそう。

今後の展開

  • 郷土料理の伝承にオリジナルメジャーを作れないか
  • おにぎり型を作ってみたい