アイデアを出す
デザインワークショップに参加
金沢市内で行われたデザインワークショップ、「初めての親子3Dものづくり体験」イベントに、姉妹2人と参加しました。そのイベントで、デザインのプロセスやその理由について解説を受けたのち、家族の課題を発表し、その解決方法について皆で話し合いました。
次女が出した課題として、
1:家事が嫌いなので掃除を自動でしてほしい
2:夏休みを長くしたい、宿題をしてほしい
3:パパやママが飲み過ぎになって、寝てしまって、放ったらかしになって、虫がでてきて、嫌いなゴキブリが出てしまう
などがありました。
最後の課題は、ちょっと耳が痛い部分もありますが、、、>_<
課題の原因は?
続けて、ここででた課題が、なぜ問題になっているのかを考えました。
1:家事が嫌いなので掃除を自動でしてほしい
→めんどくさくて三日坊主になってしまう。
2:夏休みを長くしたい、宿題をしてほしい
→長い期間の計画を立てるのが難しい。
3:パパやママが飲み過ぎになって、寝てしまって、放ったらかしになって、虫がでてきて、嫌いなゴキブリが出てしまう
→ほったらかしで寝てしまうから。
ここで分かったのは、次女はまだ年齢的にも幼いため、全ての手順や計画を覚えられないということでした。
解決方法を探る
つぎに、それら原因をどうやったら解決できるかを考えてみました。
その中で、手順が覚えられないのであれば、手順を少なくしたり、同時に複数のことができれば、めんどくさくならないのではないか?と言う意見になりました。
そこで次女がこう言いました。
寝てしまうと掃除ができないのであれば、寝ながら掃除ができる道具を作ればいいんじゃない?
まさに逆転の発想をひらめいたのです。
カタチを考える
実際に世の中には掃除ロボットがありますが、そんな掃除ロボットが届かない隅っこのホコリを取るのに、いつもコロコロを使っています。ですがコロコロは中腰でしか使えず、腰がいたいです。また、遠くのホコリを取るには自分が遠くまで行かないといけません。
なので、寝ながらでも遠くまでコロコロ出来る道具を作ることにしました。
アイデアを組み合わせる
どうすれば遠くまで届くのか。スケッチをして色んなアイデアを出してみました。すると、バネのように伸び縮みするマジックハンドという道具があることを思い出しました。
もし、マジックハンドとコロコロが一緒になっていたら??
早速、紙とネジでマジックハンドのバネ部分を作り、仕組みについて考えてみました。
次に、もっと具体的にイメージするために、紙粘土を使ってカタチを作ってみました。
そして何度か制作する内に、思った通りのアイテムの形状が出来上がりました。
パソコンを使って3D化
3Dモデリングに挑戦
3Dデータ制作は、後日、今回のイベントの進行を担当された株式会社C8LINK(クリパリンク)さんのサポートで、作っていきました。
パソコンでのものづくり自体不慣れな中、しかも3Dのデータは作ったことがないので非常に悪戦苦闘しましたが、「Autodesk Fusion360」というソフトを使うことで、書いた線から立体物にすることができたので、自分の好きな大きさや形状をそのまま立体にすることができました。
構造を3Dで考える
バネのようなジグザグな構造を3Dでカタチにするのは、一見とても難しく思いましたが、一つパーツを作ってしまえば、複製したり、伸ばしたり、反転したり出来るのは、パソコンで作っているからこそできるメリットだなと感じました。
持ち手の形状を何度か調整したり先端のコロコロの大きさや角度を調整したり、試行錯誤してデータを完成させました。
いよいよ実際のモノにしてみる
初めての3Dプリンタ
出来たデータをクリパリンクさんに渡すと、3Dプリンタでプリントしてくれました。使っている機材は「UP BOX」という、卓上のサイズながら比較的大きなプリントが可能な機械だと教えてくれました。機械自体の見た目も近未来のロボットみたいでワクワクしました。
試作その1
パーツとパーツをつなぎ合わせるネジの部分は、実際のネジを使うか、3Dプリンタで作るか迷っていると、クリパリンクさんから「3Dプリンタの特徴として組み立てずに一発で形にできるのが強みなので、せっかくならネジ部分も含めて組み立ててあるデータを使って一発でプリントしてみましょう。」と言う提案がありました。
実際に繋がったチェーンを見せてもらいとても不思議に思いましたが、やってみることにしました。積層ピッチは0.1mmに設定し、出力予定時間は8時間ほどでした。ところが、これが大きな悪戦苦闘の始まりでした。全くうまくプリントできなかったのです。
これにはクリパリンクさんも苦笑いでした^^;
試作その2
やむなく、各パーツごとにデータを分割し、別々でプリントしてみました。一個あたりの出力時間は1時間ほどですが、つなぎ目のネジ部分などの細かいパーツも合わせると合計30個近いパーツ数になり、プリントするのに時間がかかりました。
難しかったのは、ネジ部分のオスとメスのかみ合わせです。穴がゆるすぎると抜けやすくなり、穴が狭すぎると刺さらなくなります。
何度か出し直してピッタリくるように調整できました。0.1mm小さくしたデータが次にプリントしたときにピッタリ作られていて、3Dプリンタの精度に驚かされました。
試作その3
その後、コロコロの大きさや、バネの数などを何度か作り直し、持ちやすさと強度を兼ね備えた理想の一人二役掃除道具が完成しました!
でも、子どもが持てるサイズや重さにした結果、そんなに遠くまでコロコロできません^^
ついに完成
総合計造形時間は40時間。マジックハンドのいいところとコロコロの掃除機能が一体となった、寝ながらでも遠くが掃除できる夢の道具です。
データ制作やプリントにご協力いただいたクリパリンクさん、本当にありがとうございましたm(_ _)m
まとめ
感想
今回、親子ワークショップイベントに通うまで、3Dのモノづくりはまったくしたことがありませんでした。3Dプリンタもはじめて見ましたが、実際にカタチになっていく様子を間近で見て、時間はかかりますが、それでも目の前で立体物が作れることに、ものすごく感動しました。
このコンテストに姉妹2人と挑戦し、デザインをしていくことの手順や世の中の商品が出来上がっていく仕組みを知ることができてとても勉強になりましたし、3Dという自分には関係ないと思っていたものが自宅のパソコンで出来ることが分かって、すごく身近に感じることができました。
3Dのものづくり
寝ながらでも、寒くて布団からでなくても、便利に使える道具ができてよかったです。自分のアイデアがカタチになってとても嬉しいです。大切にします。
手順おさらい
1:デザインってなんだろう?
2:身のまわりのアイデアを探そう!
3:まずは手で作ってみよう!
→スケッチ&ペーパープロトタイプ
4:パソコンで3Dをさわってみよう!
→Autodesk Fusion360
5:3Dプリンタをつかってみよう!
→UP BOX