ニーズの発見
実習中
大学2年生の初めての実習の際、担当させていただいた患者さんがご自宅に退院された後も手のリハビリを継続できるよう、病院にある3Dプリンターを活用して、リハビリ用の道具を自作いたしました。このとき初めて3Dプリンターに触れ、低コストでありながら、その方に合わせたものを作成できることに大変興味を持ちました。
1枚目の画像は、病院内で3Dプリンターを使用している様子です。
2枚目の画像は、その際に作成し、患者様にお渡ししたリハビリ道具になります。
大学の授業にて
その後、大学の「生活支援機器学」という授業にて、COCRE HUBの方々のお話を聞き、実際に3Dプリンターを活用した自助具の作成を行いました。その際に本コンテストの存在を知り、教員のご協力のもと、大学に設置されている3Dプリンターを使用して、実習で作成したリハビリ道具の改良に取り組みたいと考えるようになりました。画像は、大学で使用した3Dプリンターの様子です。
その他
実習中の情報に関して、対象者の方の許可がありませんので、対象者の詳細については割愛させていただきます。また、アセスメントにつきましても実施することができませんので、あくまでこのようなニーズをお持ちの方に向けて作成したものに過ぎないことをご了承いただけますと幸いです。
コンテスト必須事項
For whom
脳卒中等で軽度の手指の麻痺のある方に対して
Why
半年前、初めての実習先にて担当させていただいた患者さんに対し、退院後も手のリハビリを継続できるよう、リハビリ用の道具を自作いたしました。患者さんに大変ご満足いただけたことが励みとなり、その経験を通じて、より実用的なデザインへと改良したいと考えるようになったことが、今回の取り組みのきっかけです。
How
既存のペグボードを参考に、操作性や機能性、実用性を意識し、家に置きやすいような、可愛らしいデザインを目指して作りました。
Outcome
対象者の方に再度ご使用いただくことは叶いませんでしたが、教員方や友人から使用感やデザイン性について、一定の評価をいただけたものと感じております。
サボテンペグ
使用目的
本器具の使用目的は、手指の巧緻性の向上を目指すことにあります。また、従来のペグボードとは異なり、ボード部分を球体にすることで、ペグを挿入する際に手関節の回内・回外運動を促すことが可能となっております。課題の難易度はやや高めではありますが、軽度の麻痺があり、従来のペグボードでは難易度が低すぎると感じられる方に向けて作成いたしました。
使用方法
・ストレッチ
サボテン型のボードは握りやすいように設計しており、弱い力でも握ることが可能です。ボードを握った状態で机の上などで転がすことで、手首や手指のストレッチ運動を行うことができます。
・ペグ
サボテン型のボードが安定するよう、専用の台座を作成しております。台座に設置した状態でペグを挿すことが可能であり、また、ボードを手に持って行うことで、より効果的な運動が期待できます。さらに、ペグの先端には花のような突起をつけることで、摘まみやすく滑りにくい設計となっております。ペグを回しながら挿入することで、課題の難易度を高めることも可能です。
デザインについて
ご自宅に置いていただくことを想定し、リハビリ器具としての機能だけでなく、オブジェとしても魅力的に感じていただけるようなデザインを意識しました。そのため、観葉植物としても親しまれているサボテンをモチーフに選定しております。また、リハビリという枠にとらわれず、「楽しく取り組めること」を目指し、ペグを挿すことでサボテンが完成するという発想に至りました。
STLファイル
・
ペグ
・
ボード
・
台