必要なもの
・プラスチック製品・プラスチック部品
・分解用の道具(今回はドライバーのみ)
・クッキングシート
※下の道具は加工方法によるので複数記載
・粉砕用の道具(ミキサー・ミルサー、ハサミ、ペンチ)
・加熱用の道具(オーブン、アイロン、ヒートガン)
粉砕道具
今回はミルサーでの粉砕について記載しています。
加熱道具
今回は主にオーブンでの加熱について記載しています。
製品を分解する
分解方法について
今回、再利用するために加工したのはキーボードです。
裏側のネジを外し、キーボードのプラスチック部分とシリコン部分、シートの部分に分解します。
どれも入力のための大切な部品ですが、今回は打ち心地を感じられるシリコンと入力を感知してくれるシートを一旦端によけて作業していきます。
道具
今回の目的はキーボードのプラスチック部分を手に入れることであったためプラスドライバーのみで分解を完了できました。基板などを採取したい場合はそのための道具を準備してください。
準備
・プラスチック製品を採取する
・作業スペースの確保
プラスチック採取について
プラスチック製品の材質が何かを覚えておくと、加工方法を決める際の参考要素になります。
(ABS樹脂は耐衝撃性が高いのでミキサーで粉砕するなど)。
全てのものに書いてあるわけでは無いですが、製品の端や外袋にある材質表示にプラスチックの種類が記載されていることも多いので、確認してください。
作業スペースについて
再素材化していく中で、ミキサーやオーブンを使うなどある程度広い場所を必要とする作業もあります。
目的以外の素材を混ぜてしまい作業に影響を与えることがないよう、適度な作業スペースを確保することをお勧めします。
粉砕する
プラスチック製品の元の形を壊していきます。ミキサーに入る大きさであれば、どんどんミキサーに製品を入れていき、粉砕します。
アイロンで加熱予定の場合は細かく砕きすぎると熱が伝えにくくなることもあるので注意してください。オーブンで加熱予定の場合は粉状にならなければ基本的に問題なく加熱できると思います。
ミキサーは フカイ工業チタンミル&チタンミキサー FJM-704を使用しました。
他の粉砕方法
今回はミキサーにキーボードの指が当たる部分(キートップ)をそのまま入れましたが、素材が柔らかい場合や、ミキサーに入らない場合はハサミやペンチを使うことも一つの粉砕手段のです。その際は怪我の無いよう軍手や手袋の着用をお勧めします。
加熱方法
粉砕したプラスチックを加熱し再素材化を目指します。今回は厚さが5mm程度のプラスチックプレートを作るためにクッキングシートの上に砕いたプラスチックを撒きオーブンで加熱しました。
粉砕片の量にもよりますが、平均250度で3分以上加熱することで変形を確認できました。
オーブントースターはニトリのNMA-001を使用しました。
カット
続いてプレート状になった素材をレーザーカッターで切断していきます。
加工設定はアクリル板を彫刻するよりも強いパワーで行い、カットはアクリル板をカットする時と比べて強いパワーにした上で加工スピードを下げて試みました。
レーザーカッターはtrotec speedy 300を使用しました。
加工設定について
先ほどパワーと表現しましたが、ここでいうパワーはレーザー出力です。アクリル板では15%のレーザー出力で彫刻し、60%のレーザー出力でカット、という設定になっていましたが、今回は共に80%まで出力を上げて加工しました。
また、カットの際にはレーザーヘッドが動く速度、すなわち露光時間をアクリル板のカットにかかる時間の2倍にしました。
違う形にカット
丸に切り抜いたほか、様々な形に切り取ることができました。
加熱とカットを同時にするパターン
上のものは加熱によってプレート化した後加工によって形を作りましたが、以下の方法では加熱と成形加工を同時に行なっています。
ヒートガン
ステンレス型にプラスチック片を入れた後ヒートガンで固めていきます。500度のヒートガンで3分くらい経ったら裏返して反対側を熱していきます。
1分半ほどで型から自然と剥がれていくので加熱を止めて型から取り出します。
ヒートガンはアストロプロダクツ製・AP050495を使用しました。
分解のお供に
プラスチック製品を採取するにあたり、製品を分解することもあると思います。分解作業の中で必要な部品にたどり着くまでに他の不要部品が出てくることも考えられます。そんな時に役に立つ(かもしれない)小皿について紹介します。
小皿1
使う時に内蔵している箱を引き出せる方式の小分け皿です。細かく部品を入れられる箱が欲しいという気持ちと、箱が複数個あると場所を取ってしまうという気持ちがあったため、どちらも満たすことが出来るよう収納式にしました。
小皿2
場所を取らないというコンセプトの元、階段式のものも制作しました。上から順に分解物を入れれば元に戻す順番も分かりやすくなる仕組みを目指しています。螺旋が広がる順番が変えられるような位置に回転軸を置きました。