はじめに

FAB 3D CONTEST 2021にて配布される、三菱ケミカル株式会社製の新フィラメント2種「DURABIO™」「FORZEAS™」をFabLab 太宰府でテスト出力しました。

使用するフィラメント


DURABIO™

DURABIO™(デュラビオ™)は、植物由来のイソソルバイド(イソソルビド)が主原料のバイオエンジニアリングプラスチックで、ビスフェノールA(以後BPAと略す)を原料とする従来のポリカーボネート樹脂(以後PC樹脂と略す)と比較し、高い透明性、優れた光学特性などの特徴があるとともに、耐傷付き性に優れ、PC樹脂に匹敵する耐衝撃特性を示します。
植物由来のポリマーではありますが、生分解性ポリマーではない。

FORZEAS™

FORZEAS™ /フォゼアスは、三菱ケミカル株式会社が開発した生分解性かつ植物原料ベースのBioPBS™を使用したコンパウンド樹脂です。
FORZEAS™は枯渇原料の使用削減に貢献し、自然界の微生物の力で水と二酸化炭素に分解されることでプラスチック廃棄物の削減にも貢献する、地球にやさしい素材です。

使用機材&データ


機材:AfiniaH800+


使用データ

・20×20×20mmの立方体
・3DBenchy
・Treefrog

FORZEAS™の実験


AfiniaH800+にて立方体を印刷を開始するも

画像のパラメータで印刷を開始するも途中でプレートから剥がれ落ちてしまい失敗。
またラフトから印刷物を剥がす事ができず、ラフトなしで印刷できるよう試行錯誤を試みる。

結果、印刷エリアにマスキングテープを張った後スティックのりを塗ることで解消しました。

立方体の印刷 続き

印刷のパラメータを調整しながら印刷していき、最終的に
・フィラメント温度180℃
・ベース温度30℃
・印刷スピード3
に落ち着きました。

印刷された立方体を観察してみたところ、底面側面の積層は特に問題なく綺麗に出ていました。
角があまり綺麗に出ておらず上面も埋まり切っていませんでした。

印刷中のフィラメントを観察してみると、融解したときはサラサラとしていて定着もよい感じでした。
温度が下がるときの熱収縮が強く、印刷してる面の平面が崩れてしまいノズルに印刷物が接触して失敗につながったり、穴あきが発生していました。
特に曲率がきつい箇所だったり、ヘッドの加速度が高い場所にて出ていた気がします。

その他印刷物

・1枚目 Treefrogと3Dbenchy カエルの細い腕は段々とブレていく感じでしたが、それ以外は案外綺麗に出ていました。3Dbenchyは途中でプレートから剥がれて失敗していました。

・2枚目 Cloth Vase 左からFORZEAS™、DURABIO™、PLA。

・3枚目 先述した通り、印刷中の上面が波打っていき場所によって穴あきが発生していました。