レーザー加工機とは?


レーザー加工機の概要

レーザー加工機とはコンピューター上の描画・設計アプリケーションソフトで作成した2Dデータを送信し、レーザー光線の力で様々な素材を加工(切断・彫刻など)する工作機械です。
コンピューターからの送信データを元に自動で加工を行うので正確に加工する事が可能です。また、工作物に直接触れること無く加工できるので、比較的安全です。
原理は、ガスの入ったレーザー発振管より発生したレーザーをミラーで導き、レンズで収束させることにより、焦点にある素材に強いエネルギーを集中させて加工します。
その為焦点が合っていないと想定通りの加工が出来ません。

マシンスペック・素材・読み込み可能データ


加工サイズ

最大加工サイズ 300×600mm(参考:A3サイズは297×420mm)
最大材料サイズ 300×600×200mm

加工できないもの

塩ビ板(塩素ガスが発生するため)
金属板(パワーが足りないため)
カッティングシート(大半が塩ビ素材、レーザー加工対応のものもあり)
クロームなめしの革(有害ガスが発生)
発泡スチロール(発火の恐れあり)
鏡(レーザーが反射する)
ステンレスミラーアップ(レーザーが反射する)

紙や木材、アクリル板などが加工できる代表的な素材です。

緊急停止の方法

危ないときは盖をあけると停止する、(再スタートはできない)

インポート可能なデータ

・ベクターデータ・ラスターデータの加工が可能
・データは慣れたソフトで作成し、ai, eps, dxf, svgなどの形式で書き出す。

データ作成ができるソフト

有料ソフト・illustrator ・CorelDraw ・Vectorworksなど
無料ソフト・Inkscapeなど

課題:ネームカードを作る

  1. 板の仕上がり寸法は縦91mm x 横55mm程度、縦位置とする
  2. 横幅の中心線上、上辺から10mm程度の位置に6mmの穴を開ける
  3. 加工する板の厚みは3mm以下とする(素材は自由)
  4. 名前をアルファベットで配置し、彫刻する
  5. プレートの4角のどれかもしくは全てにフィレットをかける(数・箇所・寸法は自由)
オプション
  • 顔写真を入れる
  • 装飾を入れる  など

2Dデータの作成

ai, eps, dxf, svgなどのillustratorで読み込める形式で2Dデータを作成します。
使用ソフトに制限はありませんので、好きなものを使いましょう。
以下、一例としてフリーソフトであるinkscapeでのデータ作成方法を示します。

  1. カラーモードはRGB、アートボードの大きさはは出力最大サイズ(300x600)以下にする
  2. カットする部分は、線を赤色にし、太さは0.001pt(数値は手入力)にする
  3. 彫刻の部分は、黒色にする(写真画像も彫刻可能)
  4. ai, eps, dxf, svgなどのillustratorで読み込める形式で保存する

Inkscapeのインストール

インクスケープをインストールし、起動します。
詳しくは以下のページを参照してください。

Windows>
  • Inkscapeのダウンロードからインストール(無料ドローソフト)
  • cite<<今日からはじめるWindows10>>
Mac>
  • InkscapeのMac(OSX Yosemite 10.10.5)へのインストール
  • cite<<モーリーのメモ>>

起動と環境設定

Inkscapeの起動とアートボードの環境設定

図形の作成

ネームカードのアウトラインとなる図形を作成します。

図形の配置と修正

アートボードに追加した図形の配置と修正を行います。

テキストの配置とアウトライン化

テキストを配置します。

図形の線幅と色の設定

図形の線幅と色を設定します。

データのエクスポート

データをエクスポートします。
作成したデータをUSBメモリに入れます。

装置と専用PCの起動

装置で加工するには、専用PCにインストールされているillustratorから2Dデータを出力する必要があります。

illustratorでの操作

  1. 装置専用PCを起動してUSBメモリを挿し、作成した2Dデータをillustratorで開く
  2. 赤いカット線(ベクターデータ)は線の細さを”0.001”に変更する
  3. カット部分は赤、彫刻部分は黒になっていることを確認する
  4. [ファイル]→[プリント]
  5. プリンタが「Trotec Engraver v10.5.2」になっていることを確認
  6. [プリンター](左下)→[詳細設定]をクリックすると印刷設定ウインドウが開く(画像2)

PCでの加工条件設定

  1. 材料とその厚みを選択(画像3)
  2. 材料の左のアイコンをクリックし、材料データベースウインドウを開く
  3. 黒が彫刻用設定(パワー50、スピード40、PPI/Hz 1000、passes 1、Air オン)になっていることを確認。異なる場合は上記の値を入力。
  4. 赤がカット用設定(パワー90、スピード1、PPI/Hz 1000、passes 1、Air オン)になっていることを確認。異なる場合は上記の値を入力。
  5. OKをクリックしてウインドウを閉じる

ジョブコントローラの起動

装置の操作はジョブコントローラというソフト(JC)から行うため、JCを起動する
  1. 下の[JC]アイコンをクリック(印刷設定ウインドウが閉じる)(画像3)
  2. [印刷(P)]をクリック(印刷ウインドウが閉じる)
  3. [プリント]をクリック(プリントウインドウが閉じ、JCが起動)
  4. ジョブネームとジョブ番号の入力を求められる。ジョブネームは必要なので覚えるか、わかりやすいように入力し、OKをクリックすると起動完了

素材のセッティング

マシンを起動し、素材を配置して加工を行う準備を行います。

マシンの起動

左上の背面にあるマシンの電源を入れ、起動します。
自動で初期動作を行います。

素材の配置

マシンのワークテーブルに素材を配置する。
機械の原点が左上なので、左上の角に合わせて配置するのが基本。

ステージ高さを合わせる

レンズの焦点を素材に合わるため、ステージ高さを調節します。
  1. 装置上面右の操作パネルの十字キーで、レンズを素材上に移動
  2. 高さ合わせ用のフォーカスピンをレンズの所定位置にひっかける
  3. 操作パネルの高さ合わせキーでステージを徐々に上げ、フォーカスピンがちょうど倒れる高さに調節する
  4. フォーカスピンを所定位置に戻す
  5. 装置のカバーを閉める

加工原点の位置を決め、加工する

  1. JCのウィンドウをアクティブにする
  2. 右のリストの一番上に出力したいファイルがあるので、左の作業ウィンドウにドラッグ&ドロップ(画像1)
  3. 右下の接続ボタンをクリックし、PCとレーザーカッターを接続する(画像2)。JCの作業ウィンドウに現在のレーザー位置を示すマークが現れる
  4. 装置上面右の操作パネルの十字キーで、素材上の加工原点にレンズを移動
  5. JCの作業ウィンドウ上で、加工データをドラッグし、加工原点に位置合わせする
  6. [スタート]で出力。(画像4)
  7. 加工が完了したら、ワークを取り出す。

マシンの停止と日常のメンテナンス

電源を切って、毎回の装置清掃と後片付けをする。

電源を切る

装置とPCの電源を切っていきます。順序は前後しても問題ありません。
  1. 装置の主電源を切る。
  2. PCはアプリを閉じて(保存などは不要)、ウィンドウズを終了する。

毎回やるメンテナンス

ハニカムの黒い縁をウェットティッシュなどで拭く

ときどきやるメンテナンス

注意深くハニカムを取り外し、ステージ上の切り屑を取り除く。
その後、内部をウェットティッシュなどで拭く。

成果の共有

機械を利用したら、instagramで製作物の写真の共有をお願いします。
個人のアカウントで行う場合は、自分の端末を使い、二つのハッシュタグ #fablabkitakagaya #flk_laser をつけて投稿してください。
ラボのアカウントで行う場合は、ラボに置いてあるiPadを使って、同様にハッシュタグをつけて投稿してください。

写真を撮影します

  1. iPadを利用して、インスタグラムを起動します
  2. 真ん中のアイコンを選択して、写真撮影のモードに入ります
  3. 写真を撮影します
  4. 必要とあらば、写真の後加工を行います

ハッシュタグをつけて写真を投稿する

コメント欄に、二つのハッシュタグをつけて投稿する。
  • #fablabkitakagaya
  • #flk_laser