ニードノウアの背景・興味関心・長所など
河辺さんを知る
現在、大学1年生。母、姉、祖父母との5人暮らし。
先天性の前腕部欠損。大学へは通学は大体50分程度(電車で30分、徒歩20分程度)。大学では文芸サークルに所属。趣味は小説を読んだり書いたり、お料理やお菓子作り、パン作りなど。読書は電子書籍より本で読むのが好き。電車通学の時間に吊り革を持って本を読むことに憧れている。お料理やお菓子作りは、作りたいものや食べたいものがある時に作る。好きな料理はピザ。お料理の際は義手を使用せず、片手で行っている為、左手でピーラーや包丁を持ってやってみたい。外食の際もステーキをお店のナイフとフォークで自分で切って食べたい。
ニードついて
河辺さんの特徴
先天性の前腕部欠損。普段は装飾義手を使用。自宅内での生活は殆ど義手を使用せず行う事が多い。先天性の為、幻肢痛等はなく異常感覚等はない。断端部が指先の様な感覚で、断端部に近い位置で操作や作業をする方が安定する。身体が左右非対称になりやすく、左側の筋肉が全体的につきにくい。装飾義手を使用している時は、歯ブラシを握らせたりする事で便利だが、紙を押さえたり等にはむかず、装具外し左断端部で行った方が行いやすい。装飾義手の為左手は押さえる程度には使えるが、実用的な両手動作は難しく、外食時ステーキを切ったり、お皿を持って取り分けたり等は手伝ってもらう事が多い。
ターゲットにする活動とその状況(時間・環境など)
【調理活動について】
・頻度:作りたいものがある時に作る
・状況:義手は使用せず、断端部でものを固定したり、脇でボールを抱えたりして実施。
【つり革について】
・頻度:通学時の電車使用中
・状況:右手でつり革持っているため、本も読めず、スマホも操作できず、やることがなくて瞑想するしかない状況。。。
なぜ現在その活動が難しいのか
【調理活動について】
・出来ないわけではないが、時間を要す。ジャガイモの皮むきなど形状が変化していってしまうものは
大変。左手で食材の固定や補助をするよりは、右手でコントロールしたほうが円滑な動作が可能なた
め為、左手に道具をセッティングしたいとご希望でした。
【つり革について】
・現在は装飾義手を使用しており、左手でつり革を使用することは困難。
チームで目指す方向を共有するために知るべきこと
なぜその活動ができると良いのか(ニードノウアにとっての価値・意味、使い続けるとどうなるか)
【料理活動】
現在は義手を外して料理活動を行っており、左手で押さえたりするが、服が汚れてしまったりする。
【つり革】
左手で吊革を掴むことで、右手を使って大学生活においての通学時間にすきな本が読める。今は、瞑想するしかない。
製作でこだわりたい点
【つり革】
◆負荷がかかった時に、肩を痛めない工夫
◆前腕部の自然な動きが出ることで肩への負荷を軽減
◆安定感
【調理】
◆前腕内側部に固定(断端部に近い場所に固定)
◆角度や距離の調整が出来る
◆包丁・ナイフ・ボールやお茶碗を押さえる等、扱うものが重くても対応できるもの
参考にした事例
アイデア(スケッチ)
試行錯誤の結果、対応するニードを見直す
思考錯誤のプロセス
①包丁をレーザーに固定し、実際に玉ねぎを切ってみる
②包丁の角度や位置により、力の伝導が悪く、切れ味がイマイチ。
③実際に鶏肉を切ってみる
→思ったより力が入り、上手に切れる
④感想
実際に進んでみて、右手で包丁を持って料理をする時と何も変わらない
⑤だったら・・・
★ナイフとフォークでステーキを食べられるようになりたい
★鞄を引っかけて持ってみたい
とのことで、ニードを見直し、再度検討開始。
新たなニード
【ステーキを切るために左の義手にナイフを固定】
◆前腕内側部に固定
◆ナイフを入れるとグリップが浮いてしまうため、固定用のプレートをCADで作成。
固定方法
ステーキを切るために、ナイフの固定方法、角度などを検討。
お肉を切る際にナイフの先端の力が逃げてしまうため、逃げないように、プレートをCADで作成。
力の入りやすい角度を調整。手関節部がない為、前腕部の直線上というよりは、真正面に開いた形で調整。
【なぜできると良いのか?】
・家でも外でステーキ、物おじせずに食べれる
・自分のペースで食べられる
【以前の作業の満足度】
・作業前 → 「0」
今後について
ガジェット ツールを使用して、新たなニードに対応していく。
https://www.youtube.com/watch?v=Pjr_9Q-MWR0
Bionico hand 制作金物図面
matière_POIGNET_BIONICOWRIST_taille_S.pdf
POIGNET_BIONICOWRIST_Taille_S.pdf