毎回やること
レンズの両面、2ヶ所にあるミラーをきれいにしましょう。
特にMDFなどを切った場合には、
光学部品がむき出しになっているEpilogレーザーでは
一度のランでもかなりヤニがついて汚れてしまいます。
必ず掃除しましょう。
専用のクリーナーがある場合はそれを使えますが、
ない場合は薬局で売っている"無水アルコール"を
きれいな"綿棒"につけて拭きましょう。
汚れを残さないように拭くため、
往復させずに、
一方向に拭く動きを繰り返すとよいようです。
また、汚れが取りきれない際は
レンズをはずして拭くこともできます。
その場合は間違いのないよう気をつけて元に戻しましょう。
月に1回やること その1
グリスをさしましょう。
代理店が取り扱っている専用のグリスがあるので、
動きの多いX軸・Y軸の金属棒にさしましょう。
レーザーを照射する部分が直接載っている
X方向のシャフト1本に対し、
Y方向のシャフトは左右に2本あります。
写真2枚目はY軸右のシャフト。
代理店の方によれば40時間稼働が目安だそうですが、
機械にカウンターがついているわけではないので、
おおまかに1ヶ月くらいが妥当だろうと判断しました。
ヘビーユーズした場合は適宜間隔を早めてください。
月に1回やること その2
ベルトのテンションが正しく保たれているか、
確認しましょう。
ベルトはX方向に1本、Y方向に2本、
ワークエリア下の扉を開けた中に
Z方向の動きを決めるものが1本あります。
まずは押してみて、ゆるんでいなければ問題なし。
明らかにゆるんでいる場合は、外装を外し、
ベルトの端付近に写真1枚目のパーツがあるので、
写真2枚目のネジを一旦ゆるめます。
すると、
バネが働いてベルトに正しいテンションがかかるので、
そのままもう一度ネジを締め直して完了です。
代理店の方によれば80時間稼働が目安だそうですが、
メンテナンスの手間も考え、
やはり1ヶ月くらいが妥当だろうと判断しました。
ヘビーユーズした場合は適宜間隔を早めてください。
半年に1回やること
排気部分を掃除機で掃除しましょう。
半年くらいに1度でいいとのことですが、
排気部があまりにも汚いと排気に悪影響が出るので
たまには掃除機で吸ってきれいにしましょう。
1年に1回やること その1
機械の中を掃除しましょう。
裏の外装についているネジを外し、
中のほこりなどを掃除機で掃除しましょう。
レーザーの発振パーツの周りには
冷却ファンが大量についているので、
その付近を重点的に掃除するとよいです。
写真はレーザーの発振管を交換のため外したところ。
1年に1回やること その2
光軸を調整しましょう。
光軸という言葉自体にはさまざまな意味がありますが、
ここではレーザー光の通る道筋のことをさします。
これがまっすぐ通っていないと、
CNCで意図したところにレーザー光があたりません。
手順が長くなるので、項を分けて説明していきます。
1. ターゲット部品を取り付ける
レンズの装着されている、
レーザーを露光するヘッド部分に、
ターゲット部品を取り付けます。
ターゲット部品はレーザーカッターに付属しているもので、
照準器のような模様がついています。
特に取り付けるための機構はありませんが、
柔らかいプラスチックでできているので、
ぎゅっと押し込むと嵌めこむことができます。
2. 外装を外す
実際にミラーの角度を調整していくため、
左面に4ヶ所、左後ろに2ヶ所あるねじを
すべてゆるめて外し、左面の外装を取り外します。
3. レーザーカッターの設定
レーザーカッターを専用のモードにします。
maint ボタンを押して出てくるメニューから
"2. Align Laser" を選択し、決定します。
液晶が2枚目の写真のような表示になり、
ターゲット部品に赤いポインターがあたります。
その状態で上矢印キーを押すとレーザーを照射できますが、
ターゲット部品が融けてしまうので、
まだ押さないでください。
4. ミラーの調整 その1
第二ミラー(部材側から数えて2番目)から順に
調整を行っていきます。
ヘッドを左上の角(x=min, y=min)に動かします。
(第二ミラー以外によるズレを最小限にします。)
ターゲットの中央からポインターがずれている場合は、
ミラーの裏側にある3つのねじを回すことで、
真ん中にくるように調整します。
5. ミラー調整 その2
次はヘッドを右上の角(x=max, y=min)に合わせて、
部材側から3番目にあるミラー(第三ミラー)を、
同様にして調整します。
(第二ミラーの調整は先に終えているので、
第三ミラーのズレだけが変化として現れます。)
その次は、ヘッドを右下の角(x=max, y=max)に合わせて、
同様に第四ミラーを調整します。
そこまで終わったら、
ヘッドをまた各ポジションに動かしてみて、
ズレがあるようなら適宜該当するミラーを微調整します。
6. ポインターの調整
ターゲット部品を取り外し、
ターゲット部品がついていた部分にマスキングテープを、
光の通り道を塞ぐように貼ります。
ヘッドを左上の角(x=min, y=min)に合わせ、
機械のガラスドアを閉じた状態で
操作パネルの上矢印キーを押します。
すると、レーザーが一瞬照射され、
マスキングテープに穴があきます。
レーザーがあけた穴と赤いポインターがずれている場合は、
機械上面奥にあいている穴からドライバーを差し込み、
ミラーと同じ要領でポインターの位置を調整します。
7. おしまい
機械を元の状態に戻して完了です。
ヘッドに貼ったマスキングテープをはがし、
外した外装を元通り取り付け、
機械の主電源を入れなおせば、
あとは通常通りにレーザーカッターを使えます。
以上が光軸調整の方法ですが、
重要かつかなりコツのいる作業なので、
自信がなければ修理を呼んだほうがいいとのことです。