張り子型の3Dプリント

Good Dog 張り子の型を3Dプリントします。

3Dスキャン

Good Dog 張り子の型となる3Dデータを、原型の3Dスキャンから制作します。

原型
中村真由美さん(たんぽぽの家アートセンターHANA)が日々制作している張り子作品を原型として使用しています。今回使用した張り子作品は、"くま"です。

3Dスキャナ
原型となる"くま"が右図ほどの大きさであったため、3DスキャンにSense 3D Scannerを使用しました。
3Dスキャナ

ソフトウェア
3Dスキャンしたデータを調整するために、今回はBlenderを使用しました。原型となる"くま"を少し引き伸ばし背中に小さい"くま"を重ねることで、ホットドッグの形状に近づけます。
3Dソフトウェア

3Dプリント

Good Dogの3Dデータをプリントします。
stlデータ: Good Dog 3Dデータ

3Dプリンタ
今回はGood Job! Center KASHIBAにあるMakerbot Replicator 2Xを使用しましたが、どの機種でも張り子型の3dプリントは可能です。
3Dプリンタ

フィラメント
どの素材でも張り子型になりますが、低価格のPLAを推奨します。張り子に埋め込んだ型が紙と一緒に土に還ります。
フィラメント

3Dプリントの設定
最低限の造形ができれば高い出力精度は必要はありません。右図のように穴が空いていても構いません。可能な限り短時間で、フィラメント消費量を抑えた設定を推奨します。

3Dプリント型への張り子


張り子

張り子型に、半紙と新聞紙を交互に貼り重ねていきます。

材料準備
  • 半紙 幅1-1.5cm、長さ10-15cmほどで切ります
  • 新聞紙 半紙と同様のサイズで切ります
  • でんぷん糊 水で溶きます(1:1)
半紙 新聞紙 でんぷん糊

張り子手順
以下の手順で、半紙と新聞紙を糊につけて張り重ねていきます。
  1. 和紙を糊で張る
  2. 新聞紙を糊で張る
  3. 和紙を糊で張る

合計3層貼り重ねます。
3Dプリントの型を埋め込むことで、従来の張り子手法に比べて紙を張り重ねる回数を劇的に減少させることが可能となります。

絵付け

張り子を終えた型に、下地塗装・着彩を行います。

胡粉塗り

絵付けの下地として胡粉を膠(にかわ)で溶いたものを塗ります。それにより、表面の強度が増し、絵具の発色が良くなります。
*胡粉:貝の殻を砕いた顔料
*膠:動物の皮や骨などから作られる物質で接着剤の役割を持つ

胡粉準備
以下の手順で白い粉末胡粉を粒膠で溶いたものを使用します。
  1. 粒膠を熱湯で溶く(粒膠 大さじ1杯: 熱湯 100cc)*溶けるまで少し時間がかかります
  2. 胡粉を乳鉢で3分ほど挽きます
  3. 溶いた膠と胡粉を乳鉢で混ぜる(膠 大さじ1杯: 胡粉大さじ1杯)
  4. 乳棒でムラが無くなるまで掻き混ぜる
粉末胡粉 粒膠 乳鉢 乳棒

塗り方
胡粉を筆で塗っていきます。反面づつ塗って乾燥させ、4回ほど塗り重ねることを推奨します。
筆

着彩

下地を塗り終わった上に着彩を行います。

絵具
今回は着彩にアクリル絵の具を使用しましたが、お好みの絵具をご使用ください。
絵具

パターン
右図はGood Dogの絵付けパターンです。これを参考に絵筆で描いていきます。背中にあるケチャップとマスタードの模様が、ホットドッグのマスコットキャラクターであることを印象づけます。
絵筆

完成!

仕上がりサイズは、幅60mm・奥行き(長さ)140mm・高さ65mmです。
重さは約40gです。