記載必要事項
[Title]
ハンズフリーヘアドライヤー
For whom:
ドライヤーを使用するとき、片手がふさがってしまうので困る方に。例えば、手に痛みがある、握力が小さい、片手にトラブルがある、などどんな方にとっても有効。
Why:
怪我をして手首に傷を負った時に、ハンズフリードライヤーは手で重いドライヤーを持たなくてもよくて楽だったためエントリー。
How:
始めは、ドライヤーの手の部分の寸法を測定してモデリングしました。その後、使用しているうちに壊れたこと、スタイリッシュでなかったので再設計しました。
Outcome:
片手で髪の毛が乾かせる、洗面所に設置したら誰もが使える、まさにインクルーシブ
1次試作
一度目のトライは、3Dプリンタを購入して3か月ほどの時、CADを使い始めて3か月というところで四苦八苦して作りました。
Fusion360に撮影した写真を読み込み、寸法に合わせて縮尺を調整しました。
シンプルに設計したのがこちらです。
プリント時間を減らすために穴をあけたり試行錯誤しましたが、プリント時間には変化なしという結果になりました。 この時の試行錯誤の記録はこちらにあります。 https://note.com/875hanako/n/na6417ab85d3a いくつかの変更を加えて出来上がったものを使用していましたが、積層方向の密着度が確保できず、使用中にこのように裂けました。
2次試作
1次試作が簡単に崩壊しましたので新しいモデルを設計しました。
設計方針
設計の際、大事にしたのは以下の2点です。
・素人が3Dプリントしました!とわかるデザインから脱却する
・壊れにくいデザイン
・サポートを減らす
スライス方向によって強度が確保できる方向が異なります。
モデリングの時点から、サポートを減らすことを念頭に置きました。
設計手順
今回は、ドライヤーを3Dスキャンし、その外形を太らせることでドライヤーの手を支える部分を作成しました。
使用した機材は、iPhone12 Pro Max。ソフトウエアはQloneというアプリです。Qloneはプリンタでマットをプリントし、それを基準としてスキャンするアプリです。ですので、正確に寸法を取得することができます。
Fusion360での設計手順
Fusion360で設計した時の手順はYoutube動画にまとめました。
設計におけるTips(?)
設計した結果はこんな感じです。
プリントするときにはこの方向に置くのですが、そうすると、ひっかけるフックの部分が積層方向でプリントされますので強度が気になります。なので、外周を追加するようにスリットを多く設けています。
スライス
Prusaslicerを使用してスライスしました。
サポートが付かない構造も試してみましたが、あっさり壊れましたので、抗わずこちらを最終版としました。
PrusaMini+でのプリント
スライスしたファイルを使用してプリントしました。
プリント結果はこんな感じです。
かなりスタイリッシュな感じになったのではないでしょうか?(自画自賛)
フックの部分のスリットはもう少しスリット幅を狭くしてここまであからさまじゃないほうが良かった気がします。とはいえ、とても上部になりました。
総括
ヘアドライヤーのハンズフリー化を実現しました。
階段から落ちて右手首を負傷し、ひねると痛みが走ります。
このような状況でも、ドライヤーを手で持って動かさなくてもよいのでとても都合がよいです。
娘は扇風機代わりに使っています。
今回は、私のドライヤーサイズですし、洗面所の取り付け位置も確認してのデザインとなっています。
もしご希望があればユニバーサルデザインに設計変更してもよいかと思います。