3Dプリンターを使用するきっかけ

山形県鶴岡市にあるSoraiという児童教育施設で小学生の息子が3Dプリンターで遊んだことがきっかけで、家族で3Dプリンターを始めました。子供に論理的な思考を身に着けてほしいと常々考えていましたが、なかなか集中力が続かず、どのように取り組めばよいか迷っていました。そんな中、fab3Dコンテストのことを知り、成長の機会になれば良いと考え応募することにしました。
KIDS DOME SORAI https://www.sorai.yamagata-design.com/aboutsorai

進め方

1.アイデア出し
2.アイデアの絞り込み、プレゼン
3.テーマの決定

1.アイデア出し

チームでアイデア出しをしました。 ポストイットにアイデアを文字で書き出し、 その中で良さそうなものをホワイトボードに書き出しました。

2.アイデアの絞り込み、プレゼン

なぜそれを選んだか、どこが面白いか、プレゼンをしました。 質疑応答でよりよいアイデアになるように、お互いのアイデアについて議論しました。

3.テーマの決定

最終的にメンバー1人当たり3つのアイテムを選び、それについて投票してつくるアイテムを選びました。
最終的に以下の3つが選ばれました。
1.魚の隠れ家
2.グリーンカーテン用のネット
3.亀の形の小物入れ
このプロジェクトではグリーンカーテン用のネットを取り上げます。

アイテム選定理由

家の窓のそばに植物の蔦をはやしてグリーンカーテンを作ると日差しを遮り、室内の温度を下げる事ができて夏場にエアコンで使用する電力を削減することができます。なにより、植物に囲まれると心が和みます。
グリーンカーテンのためにネットを使用していましたが、このネットを3Dプリンターで作ることができないかと考えました。
ネットは日差しが強いところに設置するので、太陽光で劣化してしまいます。生分解性プラスチックであるForzeas™でネットを作ることで廃棄物も土にもどり植物の肥料となり、カーボンニュートラルに貢献することができると考えました。

Material&Tools


Material

1. polymer filament; Forzeas™DF9003
2. Masking tape; 3M
3. Plant

Tools

1.3D printer ; ANYCUBIC Mega S
2.3D CAD modeling soft ware;  Tinkercad           https://www.tinkercad.com/
3.    3D print software; Ultimaker Cure           https://github.com/Ultimaker/Cura/releases/tag/5.1.0

形状について

チーム全員でアイデア出しを行った。
3Dプリンターで作成することを考慮し、なるべく同じ形状を複数印刷して組み合わせることで大きなネットにすることができるようにした。1種類多くても2種類の形状を組み合わせて作ることができるようにすることにした。様々な形状の12種類のアイデアが出た。
デザインとしては平面のもので中に蔦が絡むように穴が空いた形状となっていて、ジョイントでつなぐ事ができるようなものである。
ジョイントについては①〜④の4種類アイデアが出た。

絞り込み

チーム員で相談し、シンプルな形状がよいと考えた。
最終的に、アイデアNo1(四角形)、No2(六角形)を作成することにした。
ジョイントはシンプルな①を選択した。

Making

HihatsubaチームのKAKUREGAで3D printer 装置のANYCUBIC Mega SにおけるForzeas™の使用条件を最適化している。
KAKUREGAと同じ以下の条件で印刷を行った。

【Condition】
  Speed;20mm/sec
  Nozzle temperature ; 200℃
  Stage temperature ; 60℃
   ※ステージにマスキングテープを貼合し、剥がれる不具合を防止する。

No1.四角形

まずは四角形の形状を設計した。
2つの辺に3つずつ穴を開け、残りの2つの辺に3つの突起(ジョイント)を作成した。
一番シンプルなジョイントの形状であるが、サイズを調整し、一度コネクトした後、かんたんには抜けないようにしっかり固定できた。
一度接合した後、取り外してサイドジョイントすることもできた。

No2.六角形

次に六角形の形を設計した。
ジョイント部分の設計は四角形と同じシンプルな形状にした。

同一形状のサンプルを3つを同時に作成した。
ステージ全面にマスキングテープを貼っていなかったため、マスキング無し部分のサンプルに反りが発生しノズルにサンプルがあたり停止した。
サイズの大きかったため、端部が熱収縮力が大きくなり、テープを貼合していない部分の樹脂とステージの密着力を超えてしまい剥がれたと推測した。

マスキングテープを全面に貼合して再度印刷を実施した。
問題なくプリントできることを確認できた。

ジョイントについても問題がないことを確認した。

選定

No1(四角形)、No2(六角形)の出来栄えを比較した。強度の面を考慮して、六角形のモデルを使用してこの後の実験をすすめることとした。

実験

ベランダに生えているゴウヤのそばに、サンプルを配置した。
数日して確認すると蔦がサンプルに絡んでいることを確認した。

まとめ

グリーンカーテンのネットを3Dプリンターで作成した。
形状、ジョイントを工夫し、グリーンカーテンを作るのに適した物を作成することができた。
時期が秋から冬であったため、今年グリーンカーテンを作ることはできなかったが、来年の夏にベランダで使用してみたいと思う。