モチーフ考案とスケッチ #1

「木の葉」をモチーフとしたランプシェードの制作
枝に対して規則的に葉が付いていて、光を良いバランスでフィルタリングしているような形状に目をつけました。
「木漏れ日」は自然界の光のシェードであり、今回はこれをデジタルな方法のものづくりで再現してみたい。
電球の形状に合わせて、葉が光を包み込むような姿をイメージした球状のランプシェードとしてデザインしました。
素材は、質感もしっかりしていて、光を良くフィルタしてくれるトレーシングペーパーを使用します。
計算されたデジタル人工物を表現するため、接着剤は一切使わないでつくるのを目標に。
教員からは、葉の接合を工夫するべきとアドバイスをいただきました。

使用する材料の準備 #2

制作にあたり使用するのは
  • トレーシングペーパー(模様入り)
  • 針金(アルミ製の柔らかいもの)
  • 木材(ソケット部分に使用)
  • カラースプレー(針金の着色用)
トレーシングペーパーは東急ハンズで葉脈のような模様入りの丁度良いものを入手しました

葉の設計 #3

枝(針金)に対して規則的に葉がつけられるよう、レーザーカッターでトレーシングペーパーを切断するためのデータを作成します。
針金を差し込めるよう、ホールを作り、葉が躍動的に見えるように、少しリーチを長くします。枝を中心に葉が左右につくように、葉の方向が左右に流れるように首を曲げました。

SVGデータを公開

☆Leaf

トレーシングペーパーを切断して葉を制作 #4

設計したデータを基に、レーザーカッターでトレーシングペーパーを切断します。
トレーシングペーパーのサイズはA4サイズで、1回当たり、12枚分の葉を切断。
14回分を切断し、合計168枚の葉を作り出しました。

全部で160枚の葉を使う

スピードを調整することでスピーディーにカットできました。

針金に葉を通していく #5

レーザーカッターで切り抜いて作った葉を2枚一組で左右対称になるように穴を重ねて針金を通していきます。繋げて通していくと、枝に対して規則的に葉が付いている本物の木の葉のような表現ができます。一つの枝(針金)に対して10組の葉、合計20枚の葉。
その枝を8セット用意して、合計160枚の葉でシェードを作成。

枝をつなげて形を組んでいく #6

作った8本の枝(針金)を球状になるようにつないでいきます。
電球部分を吊り下げるためのソケットの役割となる部分も木材をレーザーカッターで切り抜いて作成します。枝を通して固定できる穴も作っておきます。

ソケット部分

レーザーカッターで木材を切断

う、、、枝だけで球状にするのはマズいかも・・・

ここまで順調でしたが、いざ針金だけで球状になるように形を作っていくと針金がアルミということもあり、うまく整形できません。。。
しかも葉が枝を軸に回転してしまうので、球の内側に葉が入り込んでいるものもちらほら見受けられました。
これは設計がマズイ。。。
針金だけで球を作るのをやめて、球のベースとなるものを作ってそれに沿って針金を接合したほうがよさそうです。
ここで作戦変更

球のベースを組むための部品を設計する #7

球のベースを作るため、部品を設計します。
今回はMDF木材をレーザーカッターで切断してベースを作ります。
そのための部品をモデリングソフトで設計していきます。

SVGデータを公開

☆BaseTopSocket
☆BasePole
☆BaseBottomSocket

部品をレーザーカッターで切断する #8

設計した球のベース部品を、レーザーカッターで切断します。
素材はMDFを使用しました。

球のベースを組み立てる #9

切り抜いた球のベース部品を組み立てます。
針金を通すための穴も各所に設けてあります。

球のベースに沿って、枝をつなげていく #10

球のベースの穴に枝(針金)を通し、葉と葉の感覚などバランスを考えながらつないでいきます。葉が内側に入らないように、外側にハネていくようなシルエットを意識しながらしっかり固定します。

ベースは白く塗装

ベースの部分は、レーザーカッターの切れ目による変色で黒く目立ちやすくなっていたので、白ラッカーで軽く塗装しています。

完成!!

いい感じに光がシェードされています。
葉で光がシェードされた間接的な光と、葉の間から漏れ出した直接的な光が適度に混ざり合い、自然界の木漏れ日を彷彿とさせます。
今回は、葉のつき方という自然物ならではの規則性に着目し、デジタルな設計と実装での再現に挑戦しました。
接着剤は一切使用しておらず、針金を葉に通してしっかり土台に固定しているので落ちてくる心配もありません。耐熱性・耐久性も問題ないと思います。