Title:Hamon
3Dプリントで誰でも誰かの役に立てるということに感銘を受け、他の人にもそういった動きが広まって欲しいと考え参加を決めました。作業療法学を学んでいる学生と美術大学でテキスタイルを学んでいる学生同士の合作です。
For whom:感覚探求の激しい人
授業中など、落ち着いていなければいけない場所で動き出してしまう子どもに向けて、無音で動ける道具を作りたいと考えました。
Why:子供の我慢や衝突を減らすため
私たちが小学生だった時、クラスに動いていなければ落ち着いていられなかった子がいました。
そして、そういった子は先生からの注意を受けやすかったことを覚えています。
しかし、考えてみれば感覚探求の激しい子供のためにじっと座って授業を受けるということはとても難しいことです。そのため、私たち周囲の人間は注意ではなくサポートするべきだと思います。
考えて、座りながら足を動かせる道具を制作し、本人も周囲の人も受けやすい環境を目指しました。
Outcome:足を通して多様な感覚刺激を施すことにより、使用者の集中力を高める
感覚探求が激しく勉強や作業を長時間行うことが苦痛な対象者の足に多様な感覚刺激を施すことによって、苦痛を感じることなく作業に集中できるように変化させる道具です。
本人が作業に集中できるというメリットもありますし、本人の集中力が上がれば学校などの集団活動の中でも担任の先生方やクラスメイトとのトラブルも事前に回避できるのではないかと考えました。
hamon_STLデータ
How:3Dプリンターを使用し使用感を確かめながら制作
グラグラした足場を意図的に作ることで、貧乏ゆすりのような動きをしていても上半身の揺れが目立たなくなるようにデザインしています。また、足を乗せる面に波紋状の凹凸をあしらうことでより多くの情報を足に感じさせる工夫をしています。
足場の不安定さと足の裏の感覚の両方を刺激することで固有覚と前庭覚のどちらにも刺激が加わるように制作しました。
初期段階のアイデア
初期段階では、見た目をポップにすることで使うことへのスピードを下げようと考えました。 ただし、3Dプリントでは単色での出力が基本ということを、知り面で工夫を使いたくなる美しいデザインを目指しました。
Sample1
TPUという素材を使用し、anycubic chironという機械を用いて制作しました。
ゴム感のある素材で、より衝撃に強いものを…と考えましたが、印刷が上手くいかず、表面の凹凸が潰れてしまいました。
Sample2
前回の経験をふまえて素材を変更、今回はPLAを使用しました。anycubic mega x フルメタルフレーム3Dプリンターを使用し、再挑戦しました。
結果、前回より形を綺麗に出すことが出来ました。