Making

・木材
・PIECE
・レーザーカッター
・磁石
・マグネットシート
・蝶番

Theme /きっかけ

私たちが「つながりの希薄化」という課題に注目したのは、日々の生活の中で、地域のつながりが薄れてきていると実感したからです。 昔は当たり前のように回っていた回覧板や地域のイベントも、今では数が減り、住民同士の交流の機会が少なくなっていました。以前は立ち話をしていた近所のおじさんも、最近はすれ違うだけで会話を交わさなくなり、「あれ? こんなに関わりが減っていたんだ」と驚きました。そんな変化を目の当たりにし、「このままでいいのかな?」と考えたことが、ポスクル誕生のきっかけでした。

Current situation /現状

地域の「つながりの希薄化」が本当に問題なのか調査しました。

福岡市のデータ

福岡市社会福祉協議会によると、市民の5人に2人が「近所付き合いがほとんどない」または「道で会ったときに挨拶する程度」と回答。


全国のデータ

鎌倉市にも共通するものがないかと探してみると、国土交通省の調査より「地域の人とそれほど親しくない、全く付き合いがない」と回答した人は全国で半数以上にのぼるということが分かりました。


Interview

👤「昔は町内会の活動が活発だった」
👤「自然と近所の人と話していた」
インタビューを通して、住民同士のつながりの希薄化は、
  • 世代間のギャップ
  • 地域活動の衰退
  • デジタル化 
などの要因が関わっていることがわかりました。
回覧板や町内イベントの減少で住民同士の交流が減っています。

結論

上記より、地域のつながりは年々薄れていることがデータからもインタビューからも明らかになりました。
→そこで私たちは 「つながりの希薄化」 に注目し、地域コミュニティの活性化を目指しました。

⭐️課題→つながりの希薄化
⭐️目標→地域コミュニティの活性化
⭐️対象→地域住民

Target

「地域住民」
• 地域コミュニティの活性化に関心がある人

• 地域との関わりが減っている人

• 新しいつながりを求めている人

• 地域のイベントや活動を盛り上げたい人

• ポスクルの理念に共感し、協力してくれる人

First prototype

ファーストプロトタイプでは、高齢者の孤独死をテーマに視点をおき、活動しました。 「音の回覧板亅をテーマに、回覧板の制作を進めました。回覧板の形は見るだけで心が温まる木の形にしました。この回覧板の最大の特徴は音で情報を届けるです。現代の回覧板は活字では高齢者に優しくないと考えたため、音にする事で、高齢者にも優しい回覧板になると考えました。 計画では、表側の中心にMESHを利用した音声再生ボタンを設置し、iPadを活用して音声を再生する仕組みを考えていました。また、高齢者の特技・前職などを記載し、若者にとってもメリットがあるアイテムにしようと考えていました。音声には機械音を使用しました

Interview 1

fablab鎌倉の山本さんにプロトタイプをお見せしたところ、以下のご指摘をいただきました。

  • 機械音では人間味がなく、温かみが感じられない。


  • iPadの操作が高齢者には難しく、扱いにくい。


  • 一回音を聞くだけじゃ情報を覚えられない。

改善

1 MESHの使用をやめ、山本さんから頂いた小型録音機を使用を検討、しかしスピーカーを紙コップで被せないといけないため、持ち運び回るには不適当だと判断しました。

2 音声は機械ではなく、私たちの声で録音。 または,地域の子どもたちの声を使用して心が温まる回覧板を届ける。


3 個人情報保護の観点から、高齢者の名前と特技など情報記載はやめる。

以下の改善を行いました。

挫折

しかし、2回目の定例会議後大きな壁にぶつかりました。 そもそも、回覧板を作ることで、誰のどのような問題を解決するのかが不明確だったのです。 回覧板を地域に回すことで、高齢者の孤独死という問題を直接解決することはできないと気づきました。 チームで話し合った結果、私たちの本当に向き合うべき課題は、高齢者の孤独死問題ではなく、地域のつながりの希薄化だと気づきました。 この気づきを通して、対象を高齢者から、 「地域住民」へと広げることにしました。

Second prototype

ファーストプロトタイプから見た目を一新し、木からメッセージ型へ変更しました。

改善点としては、

・録音機能をMESHからPEICEにし、iPad を使わずに本体だけで完結


・録音の声を機械から子供の声にして、温かみをプラス。



・何よりも、メッセージ型で見た目も可愛くしラブレターのようにし、見た目も心が温まるデザインに
→普段もらうことがないラブレターが回っている地域って素敵だと思いませんか?

Interview 2

実際に校内の先生方に新型ポスクルをお見せし、フィードバックをいただきました。このインタビューでは様々な年齢の男女の先生方に対して行いました。

Feedback

このインタビューでいただいたフィードバックでは、

  • 防水機能が気になる


  • 裏側に機械感があり、あまり可愛くない。


  • 本体が大きくて持ち運びが難しそう。


  • 情報を覚えられない。


などのご意見をいただきました。

Third prototype /完成

サードプロトタイプではインタビューでいただいたフィードバックを元に、実用性を意識して、制作に取り組みました。



・持ち運びの利便性を意識し、大きさを一回り小さく

・木を使用しているため、ニススプレーで防水に

・また、裏側の機械感を削減するために、裏側に蓋をつけ、機械を見えなくした。

→しかし、蓋をつけてしまうと音が聞こえなくなったり、スイッチを切り替えのにいちいちふたを開けないといけないため、不便に感じました。この問題は、スピーカーとスイッチの部分に穴を開けることに。またその穴をニコちゃんマークの穴を開け温かみをキープすることに成功しました。蓋は開け閉めしやすいように蝶番と、磁石を使用しました。

「リアクションマーク」

最大の改善は、「リアクションマーク」の導入です。 これまでのポスクルは「情報を届ける」ことが中心でしたが、それだけでは、住民同士の交流が一方通行になってしまいます。 その問題をこの「リアクションマーク」が解決してくれます!この機能では、受け取るだけでなく、自分の気持ちを返すことができます。 以前の受け取って終わりのポスクルから、双方向の交流を実現させることに成功しました。

How to use

①町内会の役員の方などが、後ろのスイッチを入れ、録音ボタンを押しながらお知らせを吹き込む

②地域の皆さんのポストに入れる

③地域の皆さんが受け取る

④後ろのスイッチをオンにして振るとお知らせが流れる

⑤ハート、ニコちゃんマーク、グットマークのリアクションを表に貼る

⑥住民同士で回して最後は役員の元へ

特徴

ポスクルは私たちが練りに練って考案した物です。
そこで、ポスクルのアピールポイントをご紹介!!

⑴「音」で情報を届ける最新型の回覧板

⑵見てて心が温かくなりドキドキしちゃう「ラブレター型」

⑶「リアクションマーク」で今までにない参加型の回覧板

⑷ただの情報ではなく、心があったまる情報を届ける

思い

このスマホでどこでも、誰とでも繋がれてしまう時代だからこそ、アナログで身近な人と繋がるきっかけをポスクルを通して、届けたいと思い私たちは活動してきました。 ポスクルが待ち遠しい!!とポストを何回も確認しちゃうくらい、ポスクルが日常生活を少しでも楽しいものにするサポートができますように! また、ポスクルが回っている地域の幸福度が上がればいいなと思っています!

今後の展開

今後の展開としては、実際に地域に協力を呼びかけて、ポスクルを使用していただきたいと思っています。このポスクルが様々な地域に届け、地域再興のきっかけを作れればと思います。

Thank / 謝辞

この度は、私たちスマイルラボのポスクル作成にご協力いただき、鎌倉の方々、太宰府のサポーターの皆様、学校の先生方に心から感謝申し上げます。ポスクルは、何度も試行錯誤を重ね、チーム内での議論を通じて生まれました。その過程で多くの壁にぶつかりましたが、皆さんのポジティブな言葉に支えられ、立ち上がることができました。私たちが取り組んでいる「つながりの希薄化」という課題は身近でありながらも非常に大きな問題ですが、ポスクルを通じて地域のつながりを深めるきっかけになれば嬉しいです。これからも私たちは「つながり」を大切にしながら、一歩ずつ前進していきます。本当にありがとうございました。
スマイルラボ