Bさんについて
Bさん情報
30後半~40代女性。夫、17歳、4歳の娘の4人家族。
約1年前に脳出血となり左半身にマヒが残る。多少の高次機能障害あり。リハビリを経て、現在は屋外の杖無歩行が可能。左手の可動域が上方や側方に不十分。肘、手首、指を十分に動かすのが難しい。握力は安定しない。
障害は残っているが、家事や水くみなどは依然と同様に担当している。
負けず嫌いの努力家。積極的にリハビリに取り組んでおり、日常生活においても1時間の散歩やトレーニングを実施。
左手を使い難いので、タオルで体を洗う際に不便を感じている。左手でタオルを簡単に抑えつけることができる自助具が欲しいと感じている。
解決したい活動(作業)
一人で体を洗うことが困難。
料理、洗濯、洋服の着脱は問題なくでき、なるべく家族には頼らずに自身で行うようにしている。
一方、お風呂に入る際、石鹸をつけて体を洗うことが困難で、旦那や娘に手伝ってもらっている。
お風呂に入る際、家族が不在の場合は、近所の女性に頼むことがある。
一人でも体を洗うことができるような自助具があったら嬉しい。
タオルの左手側を簡単に抑えつけることができる自助具を作成することにした。
解決のためのアイデア
Bさんがお風呂で身体を洗うとき、ボディ用タオル/布をグリップに引っかけ、左手や左指のリハビリも兼ねながら背面を自身で洗えるようなデザインになるよう工夫。今回、ボディ用タオルは薄手の綿であると仮定しました。
アイディア①
アイディア②
1枚目:楕円形の持ち手に、タオルを縫い付ける構想。持ち手部分は大き目の凹凸をつけてグリップしやすいように工夫。
2枚目:握力を使わずにタオルを操作できるように、アームカバーにタオルをひっかけて使用できる構想。
アイディア③
右手用と左手用のグリップそれぞれに4つの指(親指以外を想定)の持ち手をつけ、グリップのトップ部分にタオルを引っかけられるようなフックをつけるデザインをイメージ。
解決のための作成
Making Process
Prototype: Pancake tower
stl data:
Pancake No.1
グリップ部分の握りやすさを検討するため、横に凹凸の型を作成。
全体のサイズは直径5cm、タオルを挟む隙間は2mmで設定。
Canelé
stl data:
Canele No.1
グループで議論して、左手側のタオルの端の部分を如何にして滑らずに保持することができる自助具のデザインを検討した。
女性の手の平サイズに収まる円柱状の自助具を基本デザインとした。
この自助具が手の平で滑りにくいように、縦方向のギザギザを加えることとした。
タオルの端の部分をこの自助具に如何にずれずに固定させるかが大きな課題となった。
円柱上の自助具に縦にスリットを入れることでタオルの端の部分を固定させるデザインとした。
最初はこのスリットにタオルの端の部分を横方向に食い込ませることで固定させることとしたが最適なデザインを決めることができなかった。
試作① Pancake tower
Good
握るための自助具は、Cの形が機能的。
体洗い用の布(綿製)を通すための幅は2mmでちょうどよい。
More
直径5cmは、女性が握るには大きすぎる。
外側の凹凸の方向はパンケーキ型だとすべりやすいので、異なる方向の凸凹を試したい。
タオルをひっかける別の切り込みを加えたい。
内側の円にも凸凹をつけることでタオルがより滑りにくくなるのでは。
試作② Canelé
Good
外側の凸凹の方向は、試作②の方向が使いやすい。
タオルをひっかけるための切り込みは機能的。
直径3cmは大きすぎるよりは使いやすい。
More
直径は、3cmより多少大きい方がよさそう。
長さも3cmより長い方が使いやすいそう。
内側の円に加えてみた凸凹は、3Dプリンターでうまく出力されなかった。
how to use Canelé