Bさんについて

  • 脳出血発症後約1年
  • 左片麻痺
  • 動作時に左側の筋緊張が高まる
  • 左手の麻痺により手指の進展が困難
  • 自立歩行可
  • 抑うつ傾向+
  • 高次脳機能障害軽度+
  • 日常生活動作は自立しているが、入浴時の洗体動作に軽介助
  • 身の回りの家事・洗濯等も概ね可能
  • 夫・子ども(4歳、17歳)と4人暮らし
  • ファッション(テイラーリング)やコンピュータスキルに関心あり
  • 頑張り屋で真面目

解決する活動(作業)

Bさんは洋裁に興味がある。Bさんにとって洋裁は、体の痛みや落ち込む気分を忘れられる存在である。また洋裁は、将来Bさんにとって経済的自立手段となり得る。Bさんは身体の左側に麻痺があるため、ミシンを使う際、左手に力が入らず、真っ直ぐに縫えないことがある。今回提案する、底に摩擦がある自助具に左手を添えることで、真っ直ぐに布をミシンで縫うことができる。加えて、自助具によって布を動かすこと自体がBさんのリハビリにも資する。

解決のためのアイデア




・ミシン動作用の自助具


解決のための作成


ミシン使用時の補助具(民連部海投課 喜多)

民連部海投課喜多にて作成。球(摩擦力のある素材を想定)の下に布を挟み、球の部分を持ってミシンを使うことで、スムーズかつまっすぐに布を縫うことができると考えたもの。

山内

ミシン使用時に布を送るのに左手を支えるために乗せる道具。左手を乗せる道具
裏面は布を送るのに滑らないように凸凹になっている。
また、布を送るときに左手を真っ直ぐ進めるためのガイドに入れるためのアタッチメントがついている(ガイドはまだ未作成)。

STL Smile sewing

Smile Sewing: 底面に「スマイル」の顔が入っており、摩擦となっている。スマイルの顔を見ることで明るい気分になることを目的とした。また、洋裁のためだけでなく、散歩でつかれた左足を置くためにも使用できるように、厚さを薄めとした。backside

テイラーリング用固定用具

・テイラーリング用固定用具
ミシン縫いに必要な布をおさえて動かす動作をサポートでき、かつ左手のリハビリにも役立つ自助具として作成しました。底面は布が滑りにくいよう凸凹になっています。

マウス

マウス
ミシンを使う時の左手の形がPC用マウスを使う時の手の形に似ている所から着想しました。指の位置に合わせて本体の形を工夫するようにしました。