ニードノウアとニードについて
ニードノウアについて
【仕事内容について】
・仕事デスクワーク(開発系)が主で長時間座位での作業となる。
・仕事環境は写真参照
・左右のキーボードを併用して使用。
・右手の痛みが出現し、4年前左手に利き手交換を行った。書字は左手を使用している。
・仕事後に数学などの勉強を行うことがある。
・首のヘルニアがあるため、下を向くのが大変。
ニードについて(どこでいつ誰とどんな頻度で?ニードノウアにとっての価値は?)
いつ:仕事(9時~18時)、勉強(仕事終わり)
どこで:自宅のデスク
頻度:週5日
価値:12時間程度座って作業をしたい。
仕事終了後に数学など勉強ができる体力を残したい。
作成前の活動満足度
5/10点
・ある程度自分で環境設定を行っていたが、あともう少し工夫があれば作業がしやすくなるのかもしれない。
・より作業をしやすくなるといい。
苦手なこと
・同一姿勢で作業していると、肩・腕に痛みが出現する。
・
上肢を空間で保持することが難しく
、肘・前腕・手首をついた状態で作業をする必要あり。
BFO型の補装具を試したが、肩関節内転の筋力が弱いため自然と腕が開いてしまった。
・前傾姿勢、肩関節内転位では呼吸が苦しくなることがある。また肩関節周囲の痛みが増強する。
・長時間の仕事により身体の疲労感あり、その後の勉強ができない。
解決策と道具の要件
解決策について
・可能な限り少ない疲労感で仕事が行えるよう工夫。
・作業時身体が安定できる。
・作業時の上肢の動きは可能な限り少なくする。
要件について
・タイピングの邪魔にならない。
・デスクのスペースに合わせる。
・痛みなく疲れなく。
参考事例とアイデア
参考事例
・前腕に沿わせた設計
・手関節掌屈位
チームメンバーのアイデア
・ニーズを基に「腕(アームサポート)」「体(体幹の支持性)」「物(筆記用具の置き場やバインダーの高さ)調整場度など)」の大きく3点に注目。アイディアが多く、
一番のニーズであった肩の痛みなくデスク作業ができることを可能にするためのアームサポートを採用。
具体的なアイデア
・フィット感や安全面に考慮し、前腕支持面に丸みをつける。
・肘を支点に操作がしやすいように肘部にくぼみをつける。
・手関節掌屈位の方がキーボード操作をしやすかったため、前腕に傾斜をつける。
・猫を飼っていたため、猫の形をイメージして。
制作の方向性について
なぜそのアイデアを試すのか
・一番のニーズであった肩の痛みなくデスク作業ができることを可能にするため
プロトタイピング
第1回目試作
・粘土で大まかな形を取り、大きさをイメージ。
・3DプリンターBambu Lab A1
・長さ20cm、厚さ4cm程度のサイズでモデリングを行ったがプリント時間が約20時間。
・サイズを16cm程度、厚さを可能な限り薄く変更。密度の数値を変更。プリント時間は10時間程度。
・スライサーソフトをUltimaker CureからBambu Lab(Bambu Studio)へ変更したところ、1時間50分程度まで短縮。(はじめのモデリング10時間→3時間へ短縮)。
・まずはプリント時間の短い硬い材質で試作品をプリント。
第1回目試作の結果
・粘土を利用し角度を検討。20°で作成を開始。
・肘の当たる部分が硬く、赤くなったり痛みが出現するリスクが考えられた。
第2回目試作
・2回目の試作では、土台も併せて出力。
・長さ20cm、高さ7cm、角度20°のサイズででモデリングを行い、プリント時間が約3時間半。
・猫を飼っていたという情報から、作品に猫を取り入れることを検討。全体を猫の形にする案が出たが、作製時間を考慮して側面に猫をプリントすることに変更。
・実際に使用してもらい、使用感を確認した。
第2回目試作の結果
・角度はバインダーに手を移動させるには十分な高さであったが、キーボードを使用するには傾斜が大きかった。そのため、キーボードを使用する際の高さ調整のために、実際に移動させたときにバインダーと同じ高さになる位置をマークした(5.3㎝)。
第3回目試作
・2回目の試作の結果を受け、角度20°→15°、高さ7cm→5.3㎝に変更。
・動く範囲が狭い方が時間が早いため、向きを変更して出力時間を短縮を図った。さらに、土台を作成した後、1.5倍速にして出力した。
・愛猫について詳しく話を聞くと、名前が「ライムちゃん」ということが判明!猫の色も愛猫に合わせるという案により、猫の色のみをグレーに変更することを検討した。
第3回目試作の結果
・4時間から3時間に短縮。
・残り時間で、色を2色使用して出力することが難しかったが、グレーの猫を別に出力し、ボンドで張り付けた。
・出力の向きによって、滑らかさが異なった。
結果
作成後の活動満足度
8/10点
・バインダーへの移行後の問題がある。
今後の展望
・汗の蒸れ、発赤の対策
・フィラメント素材の検討(肘の当たる部分のフィラメントを柔らかく:TPU AIR)
今回の最終制作物
・長さ20cm、高さ5.3㎝、角度15°のサイズ。
・キーボード使用時に手関節が掌屈位になるように傾斜をつけた。
・第3回目の試作から高さの調整が必要であったため、15度へ変更したがキーボード操作に当たっては高さがあっていなかった。
・前腕部がフィットするように丸みを付けた。
猫の手も借りてみた