重い引き戸の浅い取っ手は改善すべき課題

 親戚の古い家屋で過ごした際に不便であった点を考えたところ、重い引き戸を浅い取っ手にかけた指先のみで操作する必要があるという点が挙げられた。特に力の弱い居住者にとって、指先だけで操作することは改善するべき課題であると考えた。
 しかし、扉そのものを改造することは容易ではなく、また当該部分だけをリフォームすることは見た目や精神面の観点から望ましくない。そのため、居住者が手指に装着する形式の自助具を考案することとした。

※引き戸の画像はイメージであり、取っ手の形状について制限するものではない。

常時装着を考慮し、関節の間に配置

 先述の通り、重い引き戸の浅い取っ手の操作を容易にするための手指に装着する自助具の考案・開発を行った。
 本自助具は使用者が常に装着することを考慮する必要があるため、他の動作に支障がない配置とする必要がある。したがって、写真のように人差し指の第1関節から第2関節の間に装着することとした。

印刷と実使用を考えて形状を微調整

サポート不要で印刷ができるように、また使用に際して肉体的苦痛を伴わないよう、調整を重ねた。

画像の右に行くほど新しいバージョンである。

完成

完成に至った

以上の試行錯誤により、完成に至った。

画像のように人差し指に装着して手を握ることで、ドアの取っ手に引っかかり拳として力が加わるので比較的容易に扉の開閉が可能となる。

また、本製品は各個人の指のサイズに合わせる必要があるが、3Dプリンターによりカスタムメイドが可能である。