課題(なぜ作ろうと思ったのか)
箸の自助具が使えない
既製品の箸の自助具をつかえるようにしたいとご相談がありました。現状は既製品の自助具が使用できず、箸の利用ができないとのことでした。
安定して箸をもてない
箸の自助具は、親指・人差指・中指で握るように使用します。薬指・小指の力は受けることができません。力をいれるとバランスが悪くなり、安定して箸をもてません。
解決できる自助具がない
これらを解決できる自助具はありません。既製品の自助具では、薬指・小指の力を受ける形状のものはなく、操作すると不安定になってしまいます。
対象者・解決できること
対象者
・既製品の箸の自助具は不安定で使えない方
解決できること
・既製品の箸の自助具が使えるようになる(使える方が増える)
制作プロセス
課題から必要な機能を検討しました。
▼ 必要な機能
・既製品の自助具に装着できること
・薬指と小指の力を受けられること
・元々の自助具の機能を損なわないこと
・丈夫で壊れにくいこと
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改善点と検証結果をまとめました。
・❶❷ … 試作の改善点
・○△× … 検証結果/気づき(○よい, △微妙, ×わるい)
1.装着方法の検討
▶︎使用した自助具
有限会社ウインド 箸ぞうくん(右手用)
https://www.hashizokun.com/product/pr_hashizo.html
まずは、箸の内側にある溝にぴったりの形状をつくった。
パズルのように嵌め込めたので、これを元に制作を開始した。
1.stl
2. にぎり棒をとりつけられるようにした
❶ 初期案の課題・気づき
○ 棒を握れることで安定感がでた
× 中指・薬指が握ると不自然に
2.stl
3.にぎり棒の位置をかえた
❶ 棒を内側へ移動した
△ 中指・薬指の窮屈感がへったが、まだ改善できそう
3.stl
4.にぎり棒を2分割した(失敗)
❶ にぎり棒を延長し、2分割した
× 操作をくりかえすと、浮き・がたつきがある
4.stl
5.分割方法を変えた(失敗)
❶ 分割方法を変えた
× 浮き・がたつきは改善されなかった
→ 分割案をやめることにした
5.stl
6.にぎり棒を一体に、フックを追加した(上部)
❶ にぎり棒を分割→一体にした
○ がたつき等なくなり、安定感が出た
❷ フックを追加した
△ 自助具本体からの浮きが減ったが、0ではない
6.stl
7.フックを追加した(下部)
❶ フックを追加した
◎ 自助具本体からの浮きがなくなり、一体感がでた
× 着脱をくりかえすと、にぎり棒の根元が割れた
7.stl
完成
❶ 根元にフィレットをかけた
○ 着脱をくりかえしても、割れなくなった
------- 使った道具 -------
・3Dプリンター
・ラジペン/ニッパー
----------- 材料 -----------
・PLAフィラメント
完成品.stl
バリエーション
にぎり棒の形状を変更することで、利用者にぴったりの道具になります。