課題

普段お弁当を作ってくれている家族に、お弁当を作る際に困ることをインタビューしました。また、お弁当を使う上で不便に感じる点をまとめました。結果、次のような課題が出ました。

・姉妹、兄弟によって好みが違う
・麺類、汁が余ると困る
・箸を忘れる
・詰めるのが大変
・おかずが寄り、混ざる
・汁が漏れる
・保冷剤が結露することで、お弁当の周りも水にぬれたようになる
・詰めるのが大変

アイディア

 <挙げられた課題の解決策として>

・汁が漏れる 
・おかずが混ざってしまう
・栄養バランスや彩りを意識することが大変

>>お弁当のおかずのカップを栄養素別に色分けすることで、栄養バランスや彩りを意識 できるようにする。
>>テトリスのようなパズル式のおかずカップにすることで、おさずが混ざらないようにする。
>>上蓋に格子状の溝を入れることによって、カップと上蓋を密着させ、汁が漏れないようにする。

プロトタイプ

アイディアに基づき、お弁当箱をプロトタイプしました。

空のお弁当箱のサイズを基準とし、 縦12㎝×横18㎝の容器、縦横3㎝の様々なピースを色画用紙で作成。

制作

場所: Fablab 鎌倉

3Dプリンター

L字型とS字型のピースは、形が複雑なため3Dプリンターで制作します。

使用するソフト:fusion360

(3Dプリンターで作ると誤差が生まれる場合もあるので、実際の寸法より0.8mm小さくデータを制作しました。)


レーザーカッター

直方体と立方体、上蓋とお弁当箱のピース


使用するソフト:Maker case、ink skape

(上蓋には、レーザのスピードとパワーを調節し、溝をつけます。)

着色

4つのピースに着色します。


使用したもの:白、赤、オレンジ、緑の4色のアクリルスプレー

完成

お弁当のテーマは、夏野菜弁当です。 お惣菜を色分けしたピースに詰めて、テトリスのようにお弁当箱にはめ込み、完成です。

ピースを色分けすることで、栄養素別に詰めることができ、彩りもよくなりました。
また、詰める作業も、ゲーム感覚で楽しむことが出来ました。

問題点

完成したものをアウトプットすることで、再度問題点が出てきました。

問題点...
・お弁当箱の上蓋が開閉しにくい
・お弁当箱が洗いにくい                

解決策

問題点の解決策として、次のようなアイディアが出ました。

・お弁当箱のふたの側面に持ち手となるように手掛かりを作る。
・ピースの内側を丸くする。

再制作

上記の解決策をもとに、制作を再び行いました。


場所: Gooday fab 大名

レーザーカッター

・前回の失敗を踏まえ、今回は前回よりも大きくデータを作成しました。
 (ピースを固定するための溝を前回より深くし、幅も余裕をもって広くしました。)

・お弁当箱の開閉をしやすくするために、上蓋の側面に半楕円形の手掛かりを作成しました。

・制作したデータをレーザーカッターに出力

3Dプリンター

・前回作ったピースの内部は直角でしたが、解決策を踏まえて、半径5ミリの丸みをつけたデータを作成するため、すべてのピースを3D プリンターで作成しました。

・作成したデータを3Dプリンターで出力
 使用したフィラメントの色;赤、黄色、緑、黒、白
(前回は色付きのフィラメントが無かったため、後で着色をしましたが、今回は色付きのフィラメントを使用しました。)

完成 2


前回より簡単に開閉することが出来る、1ピース1ピースが洗いやすいお弁当箱が完成しました。 様々なピースを用いることで、何十通りもの組み合わせができ、自分に合ったオリジナルのお弁当を作ることが出来ます。

フィードバック

実際に家族にお弁当箱を詰めてもらい、友人たちにお披露目しました。 友人たちからは、「カラフルで可愛い」「頭を使うから脳トレになって良い」などの意見をもらいました。 実際に使った家族に意見をもらいました。

家族

・ピースが意外と洗いやすい
・蓋が透明だから、中身をきれいに詰める心がけができる。
・栄養素ごとにカラフルにピースを色分けしているため、買い物をしたり料理をしたりする際に、栄養バランスや彩を意識するようになれると思う。
・朝からテトリスをすることで、目が覚める。
・小さな子供でも、ゲーム感覚で詰め込むことが出来るので、作る側の詰める作業が省かれ、楽になる。

感想


大変だった点

・何度も試作を繰り返したこと。
・素材や機材によって、ミリ単位で数字が変わってしまうことがある。  例えば、
  >上蓋と本体がはまる適切な寸法を求めること。
  >カットした上蓋の部分がうまく組み合わせることが出来なかったこと。
・機材の使える時間に限りがあったため、時間との闘いだったこと。

良かった点

・お弁当の問題についてブレインストーミングし、絞ることで、課題を明確にすることだ出来た。
・試作段階で出てきた問題に対して、柔軟に対応することができた。
・初めて使う機械ばかりだったが、最終的にマスターすることができた。