「水掻き」身体拡張アタッチメントを製作する。

今回のFabnowでは人間の「水掻き」を拡張する(人の身体にフィットする)アタッチメントを製作することにする。

アイデア出しの段階では
  • ライフセービングのパドルボードのパドリング力 / 水中での泳力を拡張するアタッチメント
  • SUP(スタンドアップパドルボード)のパドルのグリップ力を拡張するアタッチメント
を考えた。

どちらも実用性はあるが、一つ目の方が面白そうなものが作れそうと思い、今回はこちらを製作することにする。

自分の手を3Dスキャンする。

まずは、3Dスキャンした自分の手をもとにして、自分の手にフィットするモデルの製作を試みた。

3Dスキャンには、3人(最低でも2人)必要になる。
手をスキャンするときには、どうしても指が動いてしまうため、ぐちゃぐちゃなデータになってしまう。

そのため、なるべく手を動かさない工夫として、上記の写真(5枚目)のように試みた。

自分の手の3Dデータを元にモデリングをしてみる。

製作の手順
  1. 自分の手の3Dデータを読み込む。
  2. 水掻きを指の間につける。
  3. スケールして大きくする
  4. 元の大きさの自分の手を複製し、3までに出来たものからブール演算(引き算)をする。

↑このやり方では、モデルが相当大きくなってしまう&ブール演算がうまく行かなかったため、断念。

追記:スケールではなく、オフセットを使えばうまくいく。

アナログに自分の手をスキャンしてみる。

3Dスキャンしたデータによるモデリングが想像以上に難しかった為、アナログにスキャンすることを試みる。

  1. 紙のうえで指の間を鉛筆でなぞる。
  2. 実寸サイズを記入する。
  3. 指の太さをみる為、マスキングテープを巻きつける
  4. 長さを記入する。

スキャンデータを元にモデリングをする。

  1. 計測した紙の写真をrhinocerosに取り込む。
  2. 計測した数字と合わさるように写真の大きさを調整する。
  3. 写真に合わせてトレースする。
  4. 指にフィットさせるためのアタッチメント部分をつくる。

1回目の出力(SMP55)。

  • ラフト部分にノズルがぶつかってしまう。
  • 高さが出てくるとともに斜めになってしまう。

以上の理由により、1回目の出力は失敗。

2回目の出力(SMP55)。

前回からの改善点は、
  • 取り付けのベルト部分を太くする。
  • 水掻きの高さを大きくする。

以上の改善をすることによって、綺麗に出力できた。ところが、2枚目の写真のようにベルトを通す部分が塞がってしまった。

超音波カッターがなかった為、ベルトを通す部分の穴を開けることはできなかった。

SMPの性質を活かして自分の手にフィットさせる。

SMPは55℃で柔らかくなる為、その性質を活かして自分の手に巻きつけた。

(上半身の3Dスキャンもしました。)

スキャンには Sense 1st Gen を使用。

改善し得る点

  • 水を掴みやすい形にする。
  • 手につけるため、丸みのある形状にしてなじませる。