分解
シャワーヘッドをかける部分が壊れていたため、修理することにした。
中身や仕組みを確認するために分解をした。
その結果、銀色の筒に隠れていた、特に細くなっている部分が割れてしまっていることがわかった。
各部の採寸
ノギスを用いて、各部品を細かく採寸したメモ。
モデリング
メモした採寸をもとに、モデリングして、データ化。
モデリング過程
図面化
全ての部品を組んだ後に寸法をいれたため、内部の寸法が出なかった。
3Dプリント(試し)
どれくらいの時間で、どれくらいのモノができるのかを確認する。
3Dプリントの結果
三分の一程度の大きさにして出力した結果。
組み合わせる部分が上手にはまらなかったので、組む部分は少しの余裕を持たせてモデリングする必要があるとわかった。
円柱を二つの方向で出力したところ、積層跡が気にならないのは縦方向だとわかった。
アップサイクル
アップサイクルがテーマだったが、日用品であることから、本来の機能を維持しなければならない。そのため、普段使えるように、最低限精度は出すことにした。
左端には既製品を組み合わせないため、自由度が高いが、出力することを考えると、こちらが底面になるため、何も加えず平のままにしておくことにした。
そのことから、大きな変更は加えず、既製品で壊れてしまった部分の幅を広げて強度を高める。
また、シャワーをかける角度を倒し、以前よりも"かけやすく"することにした。これは家電の受話器を参考にした。
一部分の3Dプリント
他の部分と組み合わせられる部分を、一分の一の大きさで3Dプリントした。
この部分を出力することで、モデリングの精度を、全体を出力する前に確認する。
微調整
出力したものに、既製品を組み合わせた。
内部の溝がきつかったため、ワックスペンを用いて溝を広げた。その結果、はまった。
右端の既製品を引っかける部分は、正確にモデリングできており、修正が不要であった。
組み合わせ
内側の溝には既製品がはまったが、外側に取り付けられる既製品がはまらなかった。出力したもの外側の径が少し大きかったようだ。
全体の出力をする前に、今回の出力でわかった、内側の溝を広げて外側の径を小さくする必要がある。
全体の3Dプリント
満を持して全体の出力。
出力時間の見積もりが、5時間を越える長さだっため、インフィル率は10%に設定し、不要な部分を3㎜程短くした。その結果、4時間40分程度で出力が完了。
大部分が銀色の筒に覆われてしまうため、外側に出る部分は径を大きくして、目立つようにしてある。
また、シャワーをかける角度を25°奥に倒した。その結果、以前よりも奥にある鏡と干渉するようになってしまった。
仕上げ
外側の径を少し小さくしたため、外側に既製品をはめられるようになった。
内側の溝は、試作から変更したが、それでも狭かった。そのため、ワックスペンを用いて、試作と同様に広げた。
また、試作では省いたシャワーをかける部分だが、ここにサポート材がたくさんついてしまい、ワックスペンを用いて除去した。最終的には金属のやすりをかけ、気にならない程度の表面になった。
組み立て
発表を終えたので、ネジを締めて組み立てた。
出力した部分と、既製品が正確にはまった。
完成
組み立ても終わり、完成した。
実際に使ってみると、シャワーをかける角度を25°奥に倒したのだが、そのせいでシャワーヘッドが鏡と干渉することがあり、少し気になった。アップサイクリングが仇となってしまった。普段使いには既製品そのままの形が最適であったようだ。
このことから、既製品のすばらしさに改めて気が付けた。一見不親切な設計であっても、使われるが考えられた設計であることを知った。