For whom:対象者

片手が不自由な方。

Why : なぜ作ろうと思ったのか

知人の千代延さんからの依頼で片手で野菜や果物の皮むきをする道具の依頼がありました。写真のようにご希望であった釘付きの小型まな板に加えて既存のピーラーホルダーを提供したところ、千代延さんからさらに使い易くする道具のアイデアをいただいたので共同開発することにしました。
そのアイデアとは??

How:どのように作成したか(試行錯誤のプロセスと作成ファイル)


■ピーラー自助具の構想

千代延さんは以前は既製品のピーラーで柄が長くその先端が少しカーブしたものを探し出して右の図のようにお腹でピーラーを押さえて工夫を重ねて皮剥きをしてきました。このやり方のほうが私が提供した自助具よりやり易いとのことでしたので、千代延さんの従来方法に沿った自助具を作ることにしました。
念のため従来の製品や自助具についてNetあるいはAIでも調べたところ、釘付まな板とピーラー併用あるいはピーラーを固定して食材をピーラーの刃の上から押しあてて皮を剥くものが主でした。この場合、両手でやる時に比べて剥いている皮が見えないので剥き残しや余分に皮を剥いてしまうことがあるため新たに作る価値があると思いました。

■Prot 1

シンクの土手に「片手で皮むきSUISUI(以下SUISUI)」を挟んで吸盤でシンクに貼り付け固定することにした。
■モニター結果
①シンクを挟む方式はシンクの土手形状がいろいろあるため固定が難しそう。
②皮を剥くたびにSUISUIがガタツキさらにシンクに対して位置がずれてくる。
③ピーラーの角度を上向きに30°にしたがどの実際にくらいの角度が最適かわからない。

■Prot 2

主な改善変更部分
①いろいろなシンクに装着できるような固定方法にする。
 →シンクの内壁に吸盤でくっ付ける。
②皮剥き時にSUISUIが動かないよう固定をしっかり。
 →滑りにくいスポンジクッションと吸盤2つで固定
③シンクに対するピーラーの固定角度確認検討
 →実験的にピーラー角度を可変できるようにした。
■モニター結果
①既製品のシンクの表面はデコボコは少ない。吸盤固定法は使えそう。
②スポンジクッションのすべり止めだとクッションが凹む
ため皮剥き時にピーラーがホルダーごと前後に動く。
③水平より20°くらい傾けることで皮剥きし易く、
ホルダーのガタツキ防止にも効果あり。

■Prot Latest

主な改善変更部分
①取付取り外しが簡単になるように吸盤1つでも固定できるようにした。
②皮剥き時にピーラーのガタツキが少なくなるように
すべり止めと吸盤固定を工夫。固めのシリコン系のゴム足
を吸盤の周囲4か所に配置し、一方で吸盤取り付け部を
撓むようにしてSUISUIのシンクへの押しつけ力を強くした。
③ピーラーを水平より20°位傾けることにした。
④カッコ良くしたいため、元プロダクトデザイナーで知人の金谷正和さんに一部デザインしてもらいました。

STLファイル・構成部品

STLファイルが取り込みエラーが出たためにアップロードできませんでした。
材質は強度および耐熱性確保でPETGを使用。
●組み立て
当初は部品4点で圧入・組み立てしていたが、部品2点の圧入・組み立てに設計変更。
圧入に少し力は必要だが簡単に組み立てられます。
●その他部品
ピーラー   ---100均Seriaのもの(写真添付)
吸盤     ---100均のもの(写真添付)
シリコンゴム足---φ12㎜厚み3㎜のもの

Outcome:対象者の何がどのように変化する道具なのか

この道具を使うことにより片手でも食材をピーラーの下から押し当てて剥けるようになるため、両手でやるときのように剥いている皮が見えるので、剥き残しや余分に皮を剥いてしまうことが少ないので使い勝手がよくなる。またシンクに固定するので剥いた皮がそのままシンク内に落ちるので皮の後片付けが少し簡単になる。

千代延さんからの使ってみての感想

●先のまな板に挟むピーラーホルダーはまな板をその度に出すのでおっくうになり使わなくなりました。
●それまでのやり方はピーラーだけで楽でしたがシンクと刃の間隔が狭く引いて剝くので手元が見えにくく指先やつめも削っていました。
●SUISUIでは指やつめに傷をつけていません。丁度良い大きさなので仕舞込まずに目に見えるところに並べて置いてあるので初めは面倒かなと思いましたが慣れると 取り付けから剝いて 取り外し かたずけまで苦にならず使用頻度は多いです。
●使う人のために改良を重ねてもらうことに驚きを感じ、また生活を変える喜びを感じました。