アンモナイトのプリント

まずはじめにアンモナイトの構造を3Dを理解したいと思い、thingverseでダウンロードしたアンモナイトのデータを小さめにプリントアウトしました。内部構造を把握したかったためhalfのデータでプリントしました。ここからも分かるように節目の構造とからそのものの複雑な曲面が繋がったなめらかな曲線で構成されていることがわかりました。
このデータはすごく整った曲面なのですが、調べれば調べるほどアンモナイトの個体によって曲面の違いが露わになっていて面白いと思います。

複雑な曲面のプリントアウト

ライノセラスで複雑な曲面を作り、それを構成したランプシェードを作成しようと考えました。
実際にプリントアウトしようとした結果大失敗でした。複雑な曲面に対してraftとサポーターが多すぎて予想時間が16時間。スケールを小さくして試しに五つの曲面をプリントアウトしてみるとごちゃごちゃになってしまいました。

予定変更

失敗を受けて限られた時間の中で曲面の活かし方を異なる面に加えて構成したランプシェードをスチレンボードで作りました。
一度めは直径が短すぎて電球に触れていることから燃える心配が出てきて失敗。サイズを整えて改めて作成しました。

シェードとしての機能を失わないように斜めに組み込む構成しましたがアンモナイト性が失われているような気がしています。

飾ってみました。

SBCセンターにてつけてみました。
熱に触れないのでそこは問題ないですが、形状そのものがアンモナイト性が失われていて不満が残っています。

最終発表前最後の授業にて

私を含め全員が満場一致でつまらないと感じたランプシェードをどうするか。授業にて3Dプリンタで出力することの限界を知った私は田中教授と他の学生の意見を踏まえて「積層」によるデザインをすることにしました。
前回の作品でマッターホルンをモチーフにした事例をご紹介いただき、それを参考にしながらランプシェードを作成することにしました。
実際にSBCセンターに足を運び、それがどのように作られているか、どのように電球についているのかを調べ写真を撮ってきました。

Dirty Prototyping

実際に積層の仕組みを使用して大きなランプシェードを作るにあたって構造を理解するためにまずはdirty prototypeを作成してみました。レーザーで切り出した小ぶりの積層をグルーガンでつけるだけという非常にダーティなものを作成してみて幾つか感じたことがありました。

①シェードとして影や陰影を楽しみたいので下の部分は開けっぱなしにせずに閉じたい。
②ダンボールの構造(トラス構造)は想像以上に光を通したということ。
③綺麗に切り出して綺麗に接着しないと、紙なのでめちゃ汚いということ。

→焦げなしで綺麗に切り出し、強力な両面テープを丁寧に貼って接着する。

アンモナイト性を形以外にどこで出すかを考える必要。

materialの選定

積層で底面を閉じるということで、光を完全に遮らずかつアンモナイトの魅力の一つである乳白色の色使いを再現しようと考えた際に一ついい案だと感じたのはプラスチックダンボールです。
プラダンの魅力
①乳白色な透き通った色であること。
②軽くて丈夫だという点。
③光の陰影がぼやけてすごく綺麗だということ。

心配な点
レーザーで切った時に焦げないかどうか。
両面テープが光で浮き出ないかどうか。

これらの点を解決しながらやりたいと思います。
jointに関しては改めて検討しなおす必要があるかもしれないです。

prototypingによる問題発見

気に入ったアンモナイトの写真から抽出した曲線を使ってプロトタイピングを行いました。限られた資源のプラスチックダンボールではなく、まずは普通のダンボールで行いました。
その中で問題点がいくつか浮上したので記録しておきます。

①レーザーカッター
紙ダンボールだと焦げるか切れないかというジレンマに襲われました。→実はプラスチックダンボールの方が切りやすいかも?実験の必要あり。ダンボールのトラス構造により中空部分が生まれるのでレーザーで高さを合わせにくいという問題点。

②切れ込みの位置
今回は光による貝特有の節を再現しようとしたが実際に光に灯してみると全く効果が得られなかった

③アンモナイト性の担保
高さと幅要調整

prototypingによる問題発見2

先ほど作成したプロトタイプでダンボールが生み出す光の様相を確かめるために適当に紐をくくりつけてSBCセンターにて実演。問題点がいくつか

①ダンボールを綺麗にカットしないとすごく汚く見える。
レーザーカットの出力とスピードを今以上にもっと何度もトライする必要がある。プラだんで

②下をふさぐと全く光を通さない。
プラだんを使用するのでおそらく大丈夫。

③jointをしっかり考えて電球と全く触れないようにしないと
高さと幅を調整し、かつアンモナイト性を残す必要がある。

④光を灯してない時の楽しさが全くなかった。
加工の際にもうひと工夫を加えて光が灯っていなくても楽しく、灯すと別の楽しさがあるランプシェードにしたい。

プラスチックダンボールのレーザー値測定

実際に使用するプラスチックダンボールを綺麗に切るためにレーザーで何度もトライアンドエラーを行いました。
中空構造でz軸の分厚い線がうまく切れずにいたのでレーザー照射位置を近づけて二回切りすることで解決しました。

速度は6mm
出力は74%
二回切り

でうまくいきました。
完全に切り切れるわけではなく、プラモデルの部品が繋がっているのと似た状態で、少し手を加えると融解も焦げもなく切れました。
レーザーカッターの右下でも切ってみて同様の状態が生まれたので問題ないです。

地獄の水温上昇

夜中に空調のきかない部屋でレーザーカッターを使っていたら止まってしまいました。
水温が高すぎるために勝手に停止したということです。
ここからが地獄。。

一度切っては水を冷やした水と交換するということを繰り返していました。
涙が出そうになりました。
おまけにプラスチックダンボールからすごい量の煙が出て、扇風機で部屋の外に追い出しながら行うなど大変な作業となりました。

レーザーカット完了

なんとか無事にカットし終えて涙をぐっとこらえて今度は作成に取り掛かる。

プラスチックダンボールの貼り付けに使用したのは
・強力な両面テープ
です。

少しずつサイズを変えたダンボールを積層上に貼り付けていく
ここでわかったこと。
・プラスチックダンボールは軽くて丈夫
・プラスチックダンボールは微修正しづらい⬅️硬いから
・思った以上に綺麗に仕上がったイメージ

形状の意図

気に入ったアンモナイトの写真から曲線を抽出した。
そしてポイントは曲線の周りに入った11本の切り込みです。

これは何のためにつけたかというと光を灯した際に壁厚が薄くなることで光の透過性が増すことを狙いました。
プロトタイピングの際に内側に線を出したのですが、紙ダンボールということもあり?全く光を通しませんでした。かつ光を灯していない状態では切り込みが入っていることがわからなかったので外側につけるように設計し直しました。

完成!ダンボールだから面白かった

ダンボールは構造上は側面から見るのと正面から見るのとで見え方が全く違います。

正面から見ると
向こう側が見えている
→光が直接溢れてくる
→切れ込みがあまり活きてこない。

側面から見ると
向こう側が見えていない
→光が間接的に溢れてくる。プラスチックだから!
→切れ込みがめっちゃ活きてくる。


飾ってみた

実際にSBCセンターに赴いて飾ってみました。

角度によって違う表情が出てきて、またプラスチックダンボールの性質が強く生きていて感動的でした。
灯したらまた別の様相が現れて綺麗でした。