アイデア出し
SGH鎌倉研修・事前研修への参加
2017年8月、私たちはFablab Kamakuraでのデジタルものづくりの研修へ参加しました。
それに先立ち7月末に学校で「お弁当」にまつわる課題について話し合いました。
例えば、
・お弁当箱が重い
・お弁当を家に持ち帰って洗い忘れてしまう
・お箸を入れ忘れてしまう
・通学の際に持ち歩くため、お弁当の中身が崩れてしまう(中身の汁がこぼれてしまう)
などが挙げられました。
家族会議!!
家族と一緒にお弁当を作りながら、課題を話し合いました。
実際に毎日お弁当を作ってくれている家族と話し合うことで、現実的な課題が見えてきました。
その中で、最も重要な課題は、『
お箸の入れ忘れ
』でした。
せっかくお弁当があっても、
「お箸がない。。。」
「お箸ケースはあるのに、肝心のお箸は入っていなかった。」
という経験が何度もあり、割り箸を常備している人もいました。
忙しい朝はうっかり忘れてしまうことが頻繁にあるようです。
Fablab Kamakuraにて
まずアイデアについてチームで話し合い、データは鎌倉研修へ行く前に生徒たちが各自で習得した
Fusion360
、
Inkscape
、
Makercase
などのソフトの使い方を活かして作成しました。
Fablab Kamakuraにて、
3Dプリンター
で出力する前にFabマスターさんと相談しながらデータを作成していきました。
お箸を忘れないお弁当箱を作ろう
事前研修を終え、8月末にFablab Kamakuraにてお箸を忘れないお弁当箱を作るために、チームでアイデアを出し合いました。
様々な意見が出ましたが
『
視覚的
にお箸を忘れないお弁当箱』
を作成することにしました。
・お弁当箱のフタ部分のくぼみにお箸を入れる
・くぼみとその他の部分の色に、正反対の色(補色)を使用する
これらの工夫により、視覚的にお箸を忘れないお弁当箱のデザインが完成しました。
プロトタイプ①
赤と緑の
紙粘土
を使用して、プロトタイプを作成しました。
赤と緑の補色の効果(反対色の関係にある色は相手の色を引き出たせる効果)を含めたプロトタイプを作成することにより、
画像1 お箸が入っていないとくぼみの緑が目立つ
画像2 赤のお箸が入ると一体感が出る
という視覚的な効果を実際に確かめることができました。
プロトタイプ②(お弁当箱のフタと本体)
最初の計画では3Dプリンターを利用してお弁当箱のフタ全体を作る予定でしたが、時間短縮のためにフタの上部分とフタの下部分を別々に製作することにしました。
お箸を入れるくぼみ付きのお弁当箱のフタ部分はFusion360でデータを作成した後、3Dプリンターで出力しました。
そして、下のフタ枠の部分およびお弁当箱本体はMakercaseで設計図を作成し
3mmのアクリル板
をレーザーカッターで切って作成しました。
お箸の試作1
Inkscapeでお箸の設計図を作りました。
その後、
3mmの白アクリル板
をレーザーカッター出力したものを塗装しました。
また衛生面を考慮し、
3mmの透明アクリル板をレーザーカッターで出力して
お箸カバーを作成しました。
お箸作成の失敗
しかし、お箸が大きすぎてくぼみにはまらないという
ハプニングが発生しました!(のこぎり・やすりで調節をしても、画像の通りでした。。)
3㎜の透明アクリル板をレーザーカッターで出力したお箸カバーも、寸法が合いませんでした。
プロトタイプ②(完成)
くぼみには、オレンジと補色になる
青いシール
を付けました。
お箸の寸法は、のこぎりで切ったり、やすりで削ったりしても寸法が合うことはありませんでした。
ここまでがFablab Kamakuraでの活動です。
GOODAY FAB DAIMYOにて
Fablab Kamakuraでの制作の後、
GOODAY FAB DAIMYOにてお箸を改良しました。
お箸の試作2
くぼみの採寸をし直した上で、Inkscapeでお箸をイチから作成し直しました。その後、
3mmの白アクリル板をレーザーカッターで出力しました。
2度目の試作では、お箸・お箸カバー共に寸法が合い、くぼみにちょうどよく収まりました。
お弁当のフタ
Fablab Kamakuraで完成していたものは時間短縮の為に目が粗く、不完全なものでした。
そのため、Fablab Kamakuraで作った簡略化したフタのプロトタイプとは別に、丁寧に時間をかけて3Dプリンターで出力したものを使って、GOODAY FAB DAIMYOでフタを改良しました。
完成
GOODAY FAB DAIMYOで作ったフタをを塗装し、ようやく完成しました。
実際に使用する際は、
ゴムバンド
や
紐
でお箸とお箸カバーを固定して持ち運びます。
感想
私たちはFablab Kamakuraでの研修以前に、データを作成したものづくりをしたことが無かったので、Fusion360やInkscapeを使うことへの焦りと不安がありました。作品の完成形が全く想像出来ず、ソフトの使い方がおぼつかない中、多くの方々のサポートのおかげで無事完成させることができました。チームで制作を行うにあたって、お互いが苦手な分野を支え合うことで知識や技術の少ない高校生でも完成度の高い作品を作ることができたと思います。この経験は私たちにとって大きな自信となり、これからのものづくりに広い可能性を感じました。サポートしてくださった皆さん、本当にありがとうございました!