材料/使ったもの

1・3Dプリンター
2・木材
3・レーザーカッター
4・NFCツール
5・ガムテープ

テーマ・認知症患者を減少させる

・日本の超高齢化社会の進展と平均寿命の延びにより、認知症患者が増加し続けていること
・鎌倉市の高齢者率が全国平均より高いこと
    鎌倉市…30.3%         全国平均…29.3%
この2点から、相対的に認知症患者も増えるのではないかと思い、減らしたいと考えたからです。

現状として

認知症を自分から遠いと思っている人も多いですが、実際に日本では65歳以上の5人に1人が発症するとされていて、今や誰もが関わる可能性のある身近な病気となっています。

ターゲット

認知症患者の割合は特に70代後半から80代にかけて 急激に伸びていることがわかりました。
→ターゲット…70代以上の定年退職した方

1stアイディア

タイトル:規制BOX

高齢者の生活習慣病の増加に注目し、特に認知症の方の食生活管理を目的とした商品を考案しました。
メンバーの祖父の経験をきっかけに、認知症の方が無意識にお菓子やお酒を摂取する問題に着目しました。
この商品は、認知症の方だけでなく、生活習慣病予防やダイエットをしたい人にも役立つよう設計しました。
主な特徴:
  1. スマホ通知機能(箱の振動で通知)
  2. 食べたもの・開封時間の記録管理
  3. 食事内容の自己記録機能
  4. 遠隔操作でロック可能

フィードバック

管理されることへの抵抗感と課題 管理されることに対する抵抗があり、場合によっては家族間のトラブルの原因になる可能性がある。 「食べたでしょ?」「いや、食べてない!」といったやりとりが生じるかも… なので、通知が来てもストレスを感じず、むしろ嬉しくなるような工夫が必要!
私たちは介護経験がない中での取り組みだからこそ、実態を深く理解し、現場のリアルな課題に寄り添うことが重要だと感じました。そのため、「こうすればうまくいく」という一方的な視点ではなく、現場の声をもとに、介護する人・される人の両方が笑顔になれるアイテムを目指していきます!

2ndアイディア

タイトル:見守り積み木
この商品は、脳トレとヒートショック対策の2つの課題解決を目的としています。
脳トレ機能では、楽しい遊びを通じて集中力や積極性を向上させ、数字を扱うことで思考力を高める仕組みを取り入れました。
ヒートショック対策としては、高齢者の入浴時の事故を防ぐため、温度センサーを内蔵した積み木を開発。浴室と部屋の温度差が10℃以上になると音声で注意喚起を行います。

フィードバック

1.認知症の進行度によって効果が異なる
•軽度の認知症の方には効果的かもしれませんが、症状が進行すると遊びや注意喚起の機能を十分に活用できない可能性がある。
2.利用者のモチベーションが必要
•脳トレ要素があっても、本人が興味を持たなければ継続的に使うのが難しくなる。
3.ヒートショックの機能と認知症改善の2つの要素の同意点が見当たらない

3rdアイディア はなすごろく

作るに至った経緯
・認知症を遅らせるためにできること ・有酸素運動に取り組む(過度なものではなく、適度な運動)
・他者との交流を図る
・脳へ刺激を与える(言葉遊びやパズルといった認知トレーニング
→ そこで私たちが考えたのは みんなではなすごろく!

認知症予防

脳トレによる認知刺激
ゲーム内で言葉遊びや記憶に関する課題を行うことで、脳を活性化させ、認知機能の維持・向上を目指します。
運動習慣の促進
軽い運動やストレッチを取り入れるマスにより、血流改善や身体機能の維持をサポートします。適度な運動は認知症予防にも効果があるとされています。
社会的交流の促進
他のプレイヤーと会話するマスを取り入れることで、社会的交流が促され、孤独やストレスを軽減する効果が期待されています。また、社会的つながりは認知症のリスクを下げる一因とも言われています。

認知症予防にアプローチするマスの例

  • 脳トレマス:「しりとり二周」「計算マス」など
  • 運動マス:「座ったまま片足あげ」「手をグーパー」など
  • コミュニケーションマス:「昔好きだった遊びを説明しよう」「昔の写真について語る」など

イラスト

また、認知症にかかりやすいのが女性だということを聞いて、可愛らしいイラストを入れようと私たちの所属校である雙葉のマスコットキャラクター「雙葉ちゃん×鎌倉名物」のイラストを作成しました。

サイコロ🎲

駒の目が1〜6だと、チャレンジマスを飛ばすことが多い

↓

駒の目を、1、2、3だけにする!

駒

最初は自分の駒が何かすぐわかるような手元におけるカードを作成しようとしましたが、自分の駒が何か思い出すのも一つの脳トレだと思ったので、覚えやすいようなみんなが知っててそれぞれ違う形の動物を3Dプリンターで出力しました。

最初は、🐻くま・🐣ひよこ・🐧ペンギン・🐝はちを出力したのですが、土台から外す際、はちの羽が折れてしまったので、🐝→🐘ぞう  に変えました。

また、無職だと少し可愛さが出なかったので、可愛くするために色を塗りました。

NFC tool

「NFC Tools」というアプリをスマホにダウンロードし、チップにかざすと問題に飛ぶようになっています。

初めは計算問題や間違い探し、この音楽🎧なんでしょゲームを入れていたのですが………

ランダムの問題じゃないと問題の答えがわかってしまう!!!!

ということに気づいてしまいました…

そこで!
ファブラボ太宰府の方にアドバイスをいただき、約20個の問題を写真に保存しルーレット形式に入れました。

1つは都道府県の知識問題!

もう一つはなぞなぞが入っています!

問題発生…

でもここでもまた問題が発生してしまいました……

「誰がルーレットを回すか?」問題です

そこで私たちは…!

ゲームマスター

という役職を作り、このすごろくの説明書を用意してチャレンジの内容の詳しい説明やNFCtoolsの使い方などを書きました。

ユーザーからのフィードバック①(家族・友達)

・マスが少ない
・コースが見にくい
・高齢者の方は携帯の文字見にくいかも
・計算の問題数が多い
・他の人が計算している間その他の人たちは暇になる

改善点

・大きなマスを20マスから40マスへ
・ボードのサイズを30×30から50×35へ
・ゲームマスターを入れる
・計算問題を20問から3問へ
・楽しさを出すためにデザインをつける

苦心した点

同じ問題だと次の人が問題の答えを知ってしまう
→ランダム表示にする

ユーザーからのフィードバック②(老人ホーム)

・ボードが見にくい
・コースが分かりずらい
・チャレンジの内容が分かりずらい

改善

・ボードを2倍に
・コースの通路を直線にする
・易しい日本語で書く

苦心した点

分かりやすい日本語にする
→誰でも理解しやすいような言葉を見つける。

認知症の専門家へのインタビュー

改善点
  • 小学校の時に好きだった遊びは?
 →小学校に通ってない人もいる(戦争とかで)
   →小さかった頃に好きだった遊びは?に変更

  • 文字の大きさが小さい
      →2倍に拡大

  • 終わらせるためにかかる時間が長い
      →生徒同士でやって15分以内に収める

講演内容

高齢者率

全国 29、1%
鎌倉市 30、59%

女性の方がなりやすい→イラストを可愛く💕

高齢者の課題
・活動量が減少
・筋力が低下する
⭐️心身の健康       →運動マス
⭐️家族や社会とのつながり →はなすごろくでのおしゃべり
⭐️経済的自立       →計算マス
⭐️生きる目的       →今年の目標

家族が計算ドリルやりなさい!
みんなだったらどう思う?
上から目線→本人のプライドが傷つく
しかし…すごろくでは
楽しくゲーム感覚で計算ができる!

笑顔が大切!

チームの想い

この商品を作る際、認知症患者を減らすことを目標にしていると認知症というハードルの高い課題だけあって、どうしても我慢や制限などにつながるマイナスなものになってしまい苦労しましたが、この商品を使って、70代以上の高齢者の方に、認知症対策というものを意識せずに純粋に家族や友人での時間を楽しんでもらいたいです。また、認知症というものを自分には程遠いものと考えてる方にもアプローチしたいです。

今後の展開

ボードの大きさを大きくし、大人数でも楽しめるようなものにしたいです。

鎌倉での活用

鎌倉が今認知症という問題について取り組んでいることを調べているうちに、「オレンジカフェ」というのを見つけました。

オレンジカフェとは、認知症の人やその家族、地域住民、専門職などが参加できる集いの場です。認知症について学び、考え、安心して暮らせる地域をつくることを目的としています。

私たちは、ここでもいろんな人とコミュニュケーションをとるツールの一つとして活用してもらいたいです。

謝辞

まったりdiceの制作にあたって関わってくださったファブラボ鎌倉・太宰府の皆様、先生方、そして実証実験に協力してくださったグランガーデン浄水の皆様、本当にありがとうございました。
私たちのグループは、商品のアイデアを何度も変更し、自分たちでもどうすればよいかわからなくなる時期がありました。しかし、先生方や友人のアドバイスを受けながら意見を出し合い、協力してこの作品を完成させることができました。
今回この制作にあたり、世界に目を向けると普段では気付けない多くの課題見つけることがありました。私たちのこの商品で少しでも課題が解決されることを願っています。