はじめに

コロナの感染拡大が急速に起こっていたために、オンライン形式を取らざるを得なかったここ3年間。 今年はやっと待ちに待った対面形式で、FAB3Dコンテストに向けて活動することができました。

メンバー紹介


松尾 明璃

(デザイン担当) 私がファブ3Dコンテストに応募した理由は、もの作りを通してグループワークを円滑に進めるためのリーダーシップ力であったり協調性、自分の意思を相手に伝える力など今の自分には不足しているものが補えるように考えたためです。

寺次 瑞希

(FABBL  担当) 私が今回このFAB3Dコンテストに応募した理由としては、まず1つ目としては、私自身文系なのですが今回は文理の枠を超えて何かを成し遂げたいと思ったからです。 そして2つ目は3Dプリンタを使ったことがなく実際どのようなものなのか知りたかったからです。 そして、自分達で形を作り出したり、デジタル機器を使う能力は将来とても求められる事なので今のうちに習得したいと思ったからです。

きっかけ

去年学校の課外研修でFabラボ太宰府さんを訪問した時に、初めて生分解性プラスチックの存在を知った。 そしてこの生分解性プラスチックは従来のプラスチックとは違い微生物の力でプラスチックを分解し、循環型社会を実現する画期的な製品であり、生分解性プラスチックのフィラメントを用い、さまざまなものを想像できることを知った。そして今年訪問したFabラボ鎌倉は自然がとても豊かで、私たちはこのような自然を身近に感じてほしい、またコロナ禍で人々の結びつきが弱くなったと感じたからそれを改善できるものを作りたい。

コンセプト


  • fab life!
  • ストーリーがあるもの
  • おもしろくて役に立つもの
  • 雑貨
  • 土に還る(生分解性プラスチック)
  • 生分解性プラスチックへの認識を深められるもの
  • 自然を感じられる
  • 人々の結びつきを強めることができる

アイデア出し


鎌倉研修

fabラボ鎌倉のこの施設は、秋田にあった酒蔵を再利用してる。 まさにサステナブル!

鎌倉研修に至るまで

FAB3Dコンテストに応募するに至るまでに、私たちは事前研修として鎌倉研修に参加しました。 【福岡雙葉高等学校のGLコース(文系コース)には毎年ファブ3Dコンテストに応募するための前段階としてファブラボ鎌倉で学ぶ二泊三日間の研修があります。 そこに応募し、今年度は倍率2倍以上という中で選考されたメンバーが研修に参加できます。】この研修では3Dプリンタ、ティンカーキャドの使い方、デザイン思考、アイディアを形にするまでの基本的な過程を実際にFABラボ鎌倉を訪問し、渡辺ゆうかさんをはじめとした専門の方々から直接学びました。

話し合いを進める中で…

最初は4人でしていたが途中で方向性の違いが出てしまった。 話し合いの結果それぞれ別のものを作ることにした。 こういうこともグループ活動でのいい思い出!

自分達で考え出したものをプロットタイプとして粘土で作る時に上手く作れなく、これが本当に3Dで作れるのだろうかと不安になったり、目的となる軸がしっかりしていなかったために、質問された時に、うまく答えられなかったり、途中で躓くことが多々あった。しかし先生方の的確なアドバイスや友達と支え合ったことで鎌倉研修を実りのあるものにできた。


ブレストカードというものを使って創造の練習をした。 そこで考えたアイディアを制作に活かすことができる!

失敗作①

-植木鉢の植子さん- 土の上に置いていたら分解され、そのことで種が植えられ芽が出て成長する様子によって元気を与えるもの

改善点①

  • 形が複雑だった
  • ストーリが感じられない
  • 対象者が不明確
  • 3Dプリンターの出力では細かい部分を
表現するのが難しい    

⬇︎
  • 対象者を学校の生徒に変更
  • クリスマスのオーナメント
  • シンプルな形にする

失敗作②

ー木りすますー
まず優先事項はオーナメントだったので、中断した。 オーナメントといえば、木という観念から作成したが、趣旨がずれているという指摘もあったため変更した。 また、オーナメントを作るのに必ずしも木がセットでなければならない訳ではないと考えボツとなった。

オーナメント(モデリング0)

まず優先事項はオーナメントだったので、中断した。 オーナメントといえば、木という観念から作成したが、趣旨がずれているという指摘もあったため変更した。 また、オーナメントを作るのに必ずしも木がセットでなければならない訳ではないと考えボツとなった。

制作の手順

  1. 球を作る
  2. 直径1センチ小さいサイズの球形を作る
  3. 2.を空洞にする
  4. 取っ手の部分を作成する
  5. 合体・完成

モデリング①

  • 中に種を入れ込むために、中を空洞にした。
  • オーナメントらしい球形にし、デザインをシンプルにした。

出力1回目 (3Dプリンタ用フィラメント材料 )

  • 出力に3時間かかった
  • 空洞の位置がずれてしまった。
  • 球形なので下の方のの形が崩れてしまった
  • 3Dプリンタの出力する時の遠心力で、
種(1回目ということで紙粘土を丸めたものを使用)が軽すぎるため、早い段階では中に入らなかった

フィードバック

  • クリスマスに限定する理由は何か
 →クリスマスオーナメントを毎年変えることで去年のが無駄になってしまうから、それを生分解性プラスチック製にすることで埋めることにしようと考えていたが、実際毎年変えようという人は少なく、毎年変えることを前提にしているということは、ある意味自己満足的な消費行動で真に循環型社会ではない
  • 花の咲くスパン
 →植える季節に合わせた種を入れる

Zoomでのミーティング①

  • fabbleへのログインの仕方が分からなかった
      →渡辺ゆうかさんに聞く
  • 中に入れる種について考えた
   →メッセージ性のあるもの(花言葉)
  • 環境の良い塗料について
  • おそらく作品ができてもコンテストまでに分解されない

Zoomでのミーティング② (2回目の出力) (3Dプリンタ用フィラメント材料)


球形

  • 紐を通す部分がうまく開け切れていなかった。
  →穴タイプにした
  • 球体の底面が荒くなってしまった
  →球体を二等分して、球の表面が上になるようにする

星形

  • 平面の形にしたことで底面の形はきれいに出力できた
  • 紐を通すアーチが3Dプリンターのフィラメントが
垂れたことにより形が汚くなった

→サポート台をつけるときれいに出力できる

クラスメイトから可愛いと言ってもらえた!

Fabラボ太宰府での製作

ファブラボ鎌倉での学びや技術の引き継ぎを行なってくださったのは、 地元である福岡にあるファブラボ太宰府さん!
zoomや実際に訪問する日程決めなどは全て自分達で電話やメールを利用してアポ取りを行いました。はじめてのアポ取りはとても緊張しましたが、経験値が1つ上がったような気がします!

3回目の出力(フォゼアス)

  • 入れる種が小さすぎて、紐を通す穴から出てしまった。
→前の案(突起の穴)に戻って、その穴の部分をサポート台などをつけて補強する 
  • 球体の半分にしたものをスティックノリでくっつけようとしたが、
 微妙な隙間があり、くっつけられなかった。 →ガチャガチャの蓋みたいにはめ合わせるタイプ(キャップ形)にする
  • 少し形が汚くなった
→分解性のフィラメントは一般のプラスチックのフィラメントより形が多少荒くなる

4回目の出力(フォゼアス)

キャップの部分と本体部分の接着が滑らかであれば、 出力しやすいが、 直角だったため、浮いて上手く出力出来なかった 隙間ができていた

5回目の出力(フォゼアス)

  • 4日目の出力でうまくいかなかったため、
キャップの蓋の部分を先に出力
  • 土台(サポート台)がくっつかなかった
→やり直し!


本体部分の接合がうまくいかなかったため、キャップ部分と比例させて少しサイズを大きくした。 シンプルな形なのに難しい



6回目の出力(フォゼアス)

出力時間が1時間13分、長い、、、!
5回目の出力でうまく出力できなかったため、キャップ部分の出力
キャップ部分はきれいに出力ができ、無事完成!!

7回目の出力(フォゼアス)完成品

以前、生分解性ではないフィラメントで出力した星形のオーナメントを、生分解性のフィラメントを使用して再度出力!
前回、取っ手部分のフィラメントが垂れたことにより見栄えが悪くなっていたが、サポート台をつけて出力したことにより、きれいにできた! キャップ部分もきれいにはまり、試行錯誤のゆえ納得のいく仕上がりとなった…!!

中に入れる種について

  • カモミール→「あなたを癒す」、「親交」「仲直り」
  • ストック→「愛の絆」「豊かな愛」「愛の結合」

どちらも人の繋がりに関係するもの!

材料

  •  3Dプリンタ用フィラメント材料 
  • フォゼアス(生分解性プラスチック)
  • 3Dプリンタ

使用したアプリ

  • Tinkercad
  • Fabble
  • Google slide 

イメージ

  1. オーナメントを友達や家族から種と共にプレゼントとしてもらう
  2. オーナメントを2つのパーツにする
  3. 中に土と種を入れる
  4. 家の庭など土のあるところに植える
  5. しばらくすると芽が出て花がさく
  6. あの人がくれたなと思い出す
  7. 繋がりがもっと強くなる

FAB LIFE!
コネクトN&Pの使用方法のQRコード

今後の展望

FAB社会を目指すためにこのtinkercadのURLを公開し誰でも自由に作れるようにしたい。実際に作れない人も中にはいるので、その場合は私たちがオーダーを受けて作るということも考えている。
そして収益は私たちの学校で募金を募っている団体があるのでそこに寄付するのも一つの方法だと思う。

感想

自分が形にしたいものを相手に伝えることがシンプルだが思いの外むずかしかった。 そして学校行事や試験、課外活動の合間をうまく使って作業していくなどタイムマネジメントの重要性を再確認できた。 出力する際も形が崩れたり、はまらなかったり、試行錯誤しながら徐々に改善していくことは大変だったがうまくできた時の達成感が気持ちよかった。

困難だったこと

-アイディア(趣旨)出し-
自分達の作りたいものが決まったとしても、他の人がその商品を欲しているとは限らないため、商品の存在意義の確立が難しかった。

-背景-
商品を製作するにあたって背景にあるストーリーやコンセプトが大切だということを学び、ファブラボの方々や先生方に繰り返し質問をし、整理して何度も話し合いを重ねた。

 -出力-
Tinkercad(デジタル上)でのデザインはうまくいっていたとしても、実際に出力してみると想像していたものとは異なっていたり、数字ではわからない全体との比率であったりと多くの失敗があった。

感謝の言葉

fabラボ鎌倉・太宰府をはじめとした、このプロジェクトに協力してくださった先生方たちのアドバイスやサポートのおかげで自分達の作りたかったものを形にすることができ、嬉しく思います。 本当にありがとうございました。