はじめに
今回製作するのは「しばる」自助具になります。作るきっかけは冬に犬散歩をしているとき、手袋をしながら犬のウンチ袋をしばれなかったことにあります。手袋をつけることで疑似的に身体機能が低下し、ビニールをつかむこと、しばることができませんでした。この経験から手先の不自由な方や握力の弱い方も同じようにしばる動作に困っているのではないかと思い製作を決めました。
また、私と同じように手袋をしながらビニールをしばりたい方にも使ってほしいと考えています。
自助具は昨年製作したものを改良します。
昨年製作した自助具の概要はmemosに上げるのではじめにmemosを見てから読んでいただけると嬉しいです。
必要項目
For whom: 手先が自由に動かせない方。握力が弱い方。
Why: 手袋をつけたまま袋を結びたかったため。
How: Fusion360により製図し、3Dプリンタで出力。簡単にビニールを結べるよう昨年製作した自助具をもとに改良します。
Outcome: 対象者の袋を結ぶ行為を簡単にする自助具を作りたい!
しばる動作について
自助具で行いたいしばる動作の手順を説明します。
写真1. 手に巻き付ける
写真2. ビニール端を指で固定
写真3,4. 巻き付けたわっかを指から抜く
この指を自助具に置き換えしばる動作を簡単にしたいと思います。
昨年度は手順2のビニール端を自助具に固定する過程で面倒な手間がありました
今回はそれをなくしより簡単な手順でしばる動作を行いたいと思います。
試作1
写真1枚目はビニールを固定するための試作品の全体図になります。
円柱に切り込みを入れたような形にし、ビニールを奥に差し込むことで袋が固定できる仕組みです。
しかし、この形状でしばる手順を行うと写真2,3枚目にあるようにわっかを抜くときビニールの端を固定する力が弱く一緒に抜けてしまいます。
これを解決することを考えます
試作2
課題だったビニールの固定ですが、切り込み部分に返しを付けることで袋が抜けることはなくなりました。
また、ビニールのわっかを抜きやすいように自助具根本より先端の直径を小さくし変更しました。
返しを作ることで細くなってしまう部分ができてしまいました。積層の方向も折れやすい方向で、ビニールを数回自助具に差し込むと簡単に折れてしまいます。
完成
試作2では自助具先端が四股になっていましたが強度を高めるため二股にしました。
二股にすることで袋の入り口を大きくすることができ、スムーズに差し込むことができるようになります。
STLデータ
試作2を作ったとき形がチェスのルークに見えました。
その時思いついた「しばるーく」という名前が忘れられないためそう命名します
完成品の形は全然ルークではないですが(笑)
しばるーく
使ってみる
ビニールを自助具から抜くとき力が少し必要ですが、
しばることができました。
手袋をして使ってみる
手袋がなくなっていたのでミトンで代用します。
指が自由に使えない中、しばることができました。
最後に
今回はしばる自助具「しばるーく」を製作しました。
まだ袋を自助具から抜くことが難しいので改良する必要がありますが、実際に使ってみてビニール袋をしばることができたので今回はここで製作を終えたいと思います。
このプロジェクトをみて使ってみたいと思った方や、僕の自助具をさらに使いやすく改良してくれる方がいればいいなと思います。
最後になりましたがコンテストを開催していただきありがとうございました。