握力のコントロールに課題のある方 (今回は特別支援学校の児童)

産業機器の設計をしている製作者は、3Dプリンタで消費者向け製品を作りたいと考えていた。ちょうど特別支援学校に勤める友人から、支援学校の様子や児童の様子を聞き、本品を製作するに至った。特別支援学校に限らず、教材や道具は教諭らが自作していることが多く、そのためのリソースは時間・費用共に不足している。製作者は、製造業の面から協力したいと考えた。

学校給食用の牛乳パックの現物を購入し形状を測定

Autodesk Fusionによるモデルを作成

3Dプリンタによる試作品を出力

学校での試用とフィードバックの反映

使用時仕様

本品に牛乳パックを挿入した状態で、大人でもおおよそ潰せない強度を確保しています。

底面角部の面取りにより、パックの挿入状態の確認ができ、使用後も取出しやすくなっています。

無地な外観のため、キャラクター製品が持ち込めない環境でも使用可能で、児童による装飾も可能です。

出力面積が150mm x150mmであれば、45度回転させて出力することが可能です。

またサポート材不要なオーバーハングを極力避けた形状とし、一般的な0.4mmノズルを使用しての強度の確保と出力時間の抑制を考慮しています。

CAD: Autodesk Fusion

3Dプリンタ: Snapmaker Original 3in1

スライサ: Snapmaker luban

フィラメント　PLA 1.75mm

本品により、児童が牛乳パックを潰さずに自立して飲むことができます。また教員の食事指導における注視の負担が減少します。

本品により当初の課題は克服できましたが、牛乳パックの抜き差し等、他の課題については引き続きフィードバックの反映や別の形状での解決が必要と考えています。また3Dプリンタを使用した自助具というカテゴリを、製作者および友人も初めて知りましたので、認知度の向上していくと良いと感じました。