No.1 靴のモデリング
愛用のサンダルをモデリング、レンダリングした。
こだわりはClosedなモデルでそのまま3Dプリントにも持っていけるようにすること。
写真を撮る
側面、背面、上面の写真をもとにモデリングしていく。
写真から線を描く
できるだけ整合性の取れる線を描く。ベルトの交点を揃えながら外形をトレースするのが苦労した。
ベルトの側面にパイプのもとになる線を作っておく。
線をもとにサーフェイスを貼る
LoftやSweep、Pipeを使ってサーフェイスを貼る。ソール、ベルトで分離しているが、それぞれClosedにすることに成功。
Thingiverseへのアップロード
完成したモデルをThingiverseに投稿した。
https://www.thingiverse.com/thing:3761518
レンダリング
Cinema4Dを使ってレンダリングした。
No.2 3Dプリント、アレンジ
作戦
お題はお菓子の入れ物
ただプリントするだけではサンダルに無理やりお菓子を詰めただけになってしまう。
なにかお菓子向けの機能がほしい。
ベルト
サンダルの唯一と言っていい武器ベルトに着目した。
ガムはカバンの中で散乱するから、ベルトでガムを締め付けよう。
機構
ベルトに爪を付けて締めた状態で保持できるようにした。
ソールに穴を開けて壁を付けた。
3Dプリント
ソールはしっかり保持できるようにPLA、ベルトは伸縮性の締め付け効果を狙ってTPUで出力した。
No.3 インソール
作戦
インソールはアウトソールに比べて人体への影響が大きそうだから繊細に制御しよう。
Gcodeを生成してツールパス一本単位での造形をする。
データ作り1
サンダルのソールの輪郭を使ってモデリングする。
固くしたい点を三点選んで点を配置し、足型をボロノイ分割した。
データ作り2
各点からボロノイセル内に放射線を描いた。(造形範囲の問題で分割)
これで点から遠ざかるほど構造が疎になって柔らかくなるはず。
更に、ボロノイの分割線は各点の中点にあるので、粗密の傾斜が分割線で分断しない!
Gcode生成、出力
自作のツールで線をツールパスとしたGcodeを生成して、プリントした。
材料はTPU
合体
造形範囲の問題で分割して出力したので合体する。
接着面が小さすぎてとても接着できないので、紙を土台にした。
No.4 Auxetic Pattern
作戦
ただ既存のものを作るだけでは物足りないのでオリジナルを考えてみる。
オリジナルモジュール
開くときの美しさ、無理のなさを考えて回転する部分である中心を円にした。
このパターンだと展開したときのモジュール間の距離がモジュールの3辺分弱になる。
レーザーカットデータ作り
展開するということはソールと同じ形状、面積でも足に沿って広がるだろうという予想のもとソールの輪郭を切り取って作った。
展開
狙ったとおり、かなり大きく展開することができた。
No.5 折り紙
作戦
例に挙がったいろいろなパターンの中から、Ron Reschパターンを選んだ。
面積がちょうど半分になるのは幾何学的に面白い。
カッティングマシーン
せっかくきれいな折り目なのでレーザカットで焦げ目がつくのはもったいない。
カッティングマシーンを使う。
地道な手作業
折り目がついたので手作業で折っていく。
No.6-1 靴作り1週目
作戦
どうせ作るのならオリジナルな形がいい。
それでいて実用に耐えうる靴を作る。
ダッシュできる靴を作る。
とりあえず足形をとった。
型紙作り
自分の足型と甲高や足首の太さなどのパラメータから型紙を生成するツールを作った。
モカシンというタイプの靴。組み立てるのは簡単だけど型紙を引くのは難しいらしい。
紙トタイプ
型紙生成ツールが機能しているか紙で試作してみる。
大丈夫そう。
帆布を切って縫う
材料は耐久性、加工性を考えて帆布にした。
レーザーカットしてミシンで縫った。
ソール
以前開発したBOAというテクニックを使ってソールを作ることにした。ある高さから樹脂を垂らして鳥の巣状の構造を造形する。
特に耐久性が必要な部分なのでノズルを1mmに加工してプリントした。
材料はTPU
ソール後加工
それでもソールとしては弱いのでゴム系接着剤G17を含浸させた。
合体
アッパーとソールを合体した。使用したのはG17ボンド。
ソールの適度なクッション性はかなり良かったが、アッパーがぶかぶか、不格好なので型紙改善の余地あり。
No.6-2 靴作り2週目
形式変更
モカシンは型紙が難しいというだけあってパラメータが直感的でなかった。
組み立てるのもそれほど簡単ではない。
つま先、ベロ、胴、ソールに分かれるタイプの靴にした。
ツール作り直し
根本のデザインが変わったのでツール作り直し。
とはいえ靴の型紙ツール二回目なので幾分かスマートになった。
生地裁断
生地を型紙に沿って裁断する。前回端がほつれたことの反省を活かし、端処理をした。
柿渋染
前回不格好に見えたのはカラーリングが単調であること、生地がへたっていることによると感じた。
なので今回は一部を柿渋で染めて経年変化の味、抗菌作用、消臭作用、生地の硬化を狙った。
組み立て
柿渋を二度塗りして十分に乾いてからミシンで縫い、組み立てた。
相当なフィット感
ソール
ソールは変わらずBOAを使う。前回は厚ぼったくなってしまったので薄くする。
かかとだけ厚くしてヒールにした。
合体
G17ボンドで接着した。
試作品の数々
左から時系列順
右が最終物
ダッシュしてみた
壊れない