データ作成

年輪を立体にするために、板を写真に撮って、その画像を元にカット線を作成する。

写真を撮る

今西氏提供のヒノキ輪切り板(8mm)に十字線を書き入れて、その長さを計測しておく。写真に撮り画像ファイルに保存する。

データ作成1

CorelDrawに画像を読み込んで、描き込んだ十字線の長さや方向を実寸に合うように画像サイズと向きを微調整する。微調整した位置で長方形サイズを書き込んでおく。

データ作成2

CorelDraw上で年輪の形をフリーハンドでなぞって描いていく。但し年輪は堅くてレーザーカットしにくいので、あえて年輪の間にカット線を描いていく。フリーハンドで描いたあとは、なめらかになるように修正をかける。

データ作成3

木材には節があり、節の部分はレーザーカッターで切りにくい。そのため、何回もカットかける必要があるために節にかかる部分の線を緑色に変えて追加する。

データ作成4

レーザーカット時の位置合わせ用のサポート冶具をMDF材で作ります。丸木サイズにくり抜き、十字マークとカット範囲領域のマークを彫刻で記します。

組み立て

レーザーカッターで年輪に沿ったカットを行い、各年輪パーツを少しずつずらして接着していきます。

レーザーカット

ヒノキの輪切り薄板(8mm厚)をMDF材で作った冶具で位置合わせし、苦労して作成した年輪カットデータを使ってレーザーカットする。使用したレーザーカッターは、トロテックSpeedy300(60W)で年輪データの赤カット線で最初にカットする。しかし、節部分が十分に切れていないため節部分だけの緑カット線で2回繰り返して追加カットした。若干切り残しがあったため残りはカッターで切った。

カット面処理

レーザーカットした面はヤニがついているので、十分なアルコールでふき取っておく。1パーツが節部分で割れてしまったのでボンドで補修している。

接着

木工ボンドで少しずつ年輪部を上下に半分ほどずらして接着する。時間節約するために複数のパーツにわけて接着して、最後に大きな接着パーツを1体になるように接着した。

仕上げ

最後に、上面部分と側面に対して充分に蜜蝋を塗って完成です。

考察

・木材の節は堅いのでレーザーカットで切れない場合が多い。
 そして脆いので注意が必要
・元の材料の模様を活かすためには、手を動かしてデータ作成しなければならない。画像ソフトの自動処理では限界があり、最初から手で描いた方がきれいに速くできる。
・デジタル機器の性能が上がってきてはいるが、細かい操作など機器を人間がうまく繰らないと思ったことができない。
・年輪は輪切り板の二次元で見る方が私は好きだ!