材料

3Dプリンター品以外で用意するもの(今回使用したもの)
・M3なべ小ねじ 50mm 1個(アンカー、振り子の軸用)
・M3なべ小ねじ 35mm 1個(ガンギ車の軸用)
・M3ワッシャー 8枚
・M3ナット 2個
・M3ロックナット 2個
・M6極低頭ボルト 12mm 1個
・M6ナット 1個

目標

機械式時計の動作機構として使われる、振り子式の脱進機機構を3Dプリンタを用いて製作する。
軸に巻き付けた糸に取り付けた重りが降下することで生じる軸の回転を、一定のリズムで停止と解放を繰り返す間欠回転へ変換する脱進機機構を製作する。

3Dモデルの作成

脱進機機構のベースモデル作成には、フリーで公開されている時計機構ジェネレータでベースとなる形を設計、その後3D CADを使って形状を編集した。

3.生成された3Dモデルの改良・調整

ガンギ車とアンカー、振り子の軸には金属のボルトを使用するため、その寸法に合わせて軸径を変更した。今回はM3ボルトを使用したため、Φ3.5mmとした。
また、ガンギ車には糸を巻き付ける部分を追加し、振り子にはおもりケースが取り付けられるように改良した。
さらに、位置関係の整合性を持たせるために、各部品の形状は変えずに厚みや高さを調整した。

ガンギ車
 図1 改良したガンギ車の外観
 図2 ガンギ車の糸巻き付け部
 図3 糸巻き付け部の寸法

アンカー
 図4 アンカーの調整部分の寸法

振り子
 図5 改良した振り子の外観
 図6 振り子の改良・調整部分の寸法

4.追加部品の設計(台座、おもりケース)

台座
台座は新規に設計し、ジェネレータで生成されたデータの軸間距離(ガンギ車とアンカー・振り子)が変わらないように注意した。
 図1 台座の外観
 図2 台座の寸法

おもりケース
改良した振り子におもりを取り付けるためにケースを設計した。
 図3 おもりケースの外観
 図4 おもりケースの寸法

5.3Dモデルの完成イメージ

3Dモデルの完成イメージは図のようになる。

2.生成された3Dモデルの確認

3DPrintedClocksで生成を実行、生成された3D形状を確認するために、CQ-editor を使用した。 CQ-editorは、Pythonコードで3D形状を生成するための CadQuery用エディタ である。
CadQueryは、Pythonを使って3D CADモデルを作成するためのライブラリであり、CQ-editorはそのコードを実行し、結果を画面上に表示するための環境である。

1.ベースとなる3Dモデルの生成

脱進機機構のベースモデル作成には、フリーで公開されている時計機構ジェネレータ 3DPrintedClocks を使用した。

3DPrintedClocksは、Pythonコードによって歯車、ガンギ車、アンカー、振り子、フレームなどの時計部品を生成できるジェネレータである。
完成済みのSTLファイルを単にダウンロードして使用する形式ではなく、コード内のパラメータを変更することで、部品の寸法や脱進機の種類を調整できる。(今回使用したパラメータは添付プログラム参照)

3DPrintedClocks:https://github.com/MrBunsy/3DPrintedClocks


参考:生成に使用したパラメータ

具体的なパラメータは以下

    diameter=150, # ガンギ車の直径 [mm]。大まかな歯先円直径(正確にこの値にはならなかった)
    anchor_thick=5, # アンカーの厚さ [mm]
    wheel_thick=5, # ガンギ車の厚さ [mm]
    type=EscapementType.DEADBEAT, # 脱進機のタイプ
    with_pendulum_rod=True # 振り子棒を付けるかどうか

プリント

3Dプリントにあたって以下のパラメータを使用した。

壁面層数:4
トップ面層数:10
底面層数:6
充填密度:50%
インフィル/壁面オーバーラップ:25%


組み立て

完成した3Dプリント品と➀材料を使って脱進機機構を組み立てた。

3Dプリント品は柔らかいため、ねじやナットで締結する際の締め過ぎに注意が必要である。
また、荷重を分散させるために、ワッシャーは使用した。

さらに、ガンギ車の軸、アンカー・振り子の軸の固定にはロックナットを使用し、抵抗が小さく回転しつつガタが出ない程度に締め付けた。

動作確認

500mlペットボトルで簡易的な重りを取りつけ、動作することを確認した
動作確認動画

STLデータ

各部品データ_STL