1.構成

今回はギヤを組み合わせて3段階の変速を行うトランスミッションをFusionで作成する。
基本的な構成は
・ギヤボックス
・入力軸
・出力軸
・3種類のギヤを計6つ
となっている。

今回はギヤと軸が完全に固定された状態で出力軸を軸方向に移動させることで変則を行う。

2.ギヤボックスの作成

まずギヤボックスを作成する。
サイズは150mm×107mm×80mmで作成し、ボックスの厚みは5mmとなるように中央をくりぬく。
そして、150mm×80mmの面に直径10mmの円を2つ作成し反対側まで全貫通させる。

角を取るためにフィレットを行う。
外側は5mm,内側は1mm,上部の縁を1mmでフィレットする。

3.ギヤの作成

今回は構成部品を少なくするために3種類のピッチ円直径のギヤを作成し組み合わせることで3段変速を実現する。
ギヤ比はギヤの中心間距離が57mmとなるように設計している。
モジュール:3.00
バックラッシ:1.00mm
厚さ:10mm
歯底すみ肉部曲率半径:1.00mm
を共通として歯数を
14歯 (ピッチ円直径:42mm ギヤ小)
19歯 (ピッチ円直径:57mm ギヤ中)
24歯 (ピッチ円直径:72mm ギヤ大)
としている。
組み合わせは
42mm×72mm ギヤ比1.714
57mm×57mm ギヤ比1.000
72mm×42mm ギヤ比0.583
としている。

入力ギヤ

入力ギヤの図面です。
このギヤを軸方向に動かすことでギヤ比を変えて変速を行います。
軸に通すギヤの配置は図面の通りです。

出力ギヤ

出力ギヤの図面です。
出力ギヤは軸周りの回転のみが可能で軸方向への動きは拘束されます。
軸に通すギヤの位置は図面の通りです。

組み立て

作成したギヤボックス、入力ギヤ、出力ギヤを唖然ぶりで組み立てます。
ボックスにあけた4つの穴に入力ギヤと出力ギヤの軸を通します。この時、図のように入力ギヤは上から見て左からギヤ小、ギヤ中、ギヤ大となるように軸を通し、出力ギヤは左からギヤ大、ギヤ中、ギヤ小となるように配置してください。

色付け

分かりやすいように色分けをしておきます。

変速方法

組み立てたギヤボックスの変速方法について説明します。
このギヤボックスは3速トランスミッションであり、シフトの段階は
・ニュートラル
・1速
・2速
・3速
の4段階あります。

ニュートラル

まず入力と出力のギヤがかみ合っておらず、動力が伝達されないニュートラルの状態からです。

1速

1速はニュートラルの状態から左に動かし、入力側のギヤ小と出力側のギヤ大を接触させることで1速を出力する。

2速

2速はニュートラルの状態から右に動かして入力と出力のギヤ中同士を接触させることで2速を出力する。

3速

3速は2速の状態から右に動かすことで入力側のギヤ大と出力側のギヤ小が接触することで3速を出力する。

動作

今回作成した3速トランスミッションは入力側の軸を軸方向に動かすことでギヤ同士の接触を変えることで変速を行っています。そのためFusionでモーションをつける際はモーションスタディではなく、ギヤ同士の接触を有効にすることでモーションをつける必要があります。
ですが、作成したPCのスペック上、軸を回転させながら軸を動かして変速をするとアプリが落ちてしまうため動作確認の映像は添付できませんでした。