はじめに

このページはMF-1000で従来のPLAとJSR社のエラストマーフィラメント「FABRIAL」を付け替える際の説明用です。
ホットエンドはPLA用とフィラメント用の二種類ある前提です(PLAとFABRIALでおなじホットエンドを共有することはホットエンドの劣化を早めるので推奨しません)。
更にFABRIAL用のガイドがMF-1000に既に取り付けられていることを前提とします。

現在刺さっているフィラメントの引き抜き

まずは今刺さっているフィラメントを引き抜きます。

ホットエンドの温度の調整

最初に現在刺さっているフィラメントを引き抜くため、フィラメントを溶融温度まで温めます。Pronterfaceもしくは他の対応ソフトウェアでホットエンドの温度をPLAの場合は温度を185℃程度(PLAによって最適値が違う可能性があります)、FABRLALが刺さっている場合は140℃に設定して下さい。
特にFABRLALは性質上、長時間熱すると膨張してしまい詰まりの原因になるので、溶融温度に設定した後は放置せず、速やかに作業を行い、しばらくフィラメントの送り出しをしない時は温度を切って下さい。

フィラメントの引き抜き1:ローラーを逆向きに送る

ホットエンドの温度がフィラメントの溶融温度に達し、フィラメントがエクストルーダから引き抜けるようになったら、ローラーを逆送りしフィラメントを引き抜きます。
Pronterfaceの場合、写真のようにReverseを押して下さい。PLAとFABRIALのどちらを引き抜く場合でも、距離は10mm、速度は100mm/minを目安に行って頂ければ大丈夫かと思います。

フィラメントの引き抜き2:手で引き抜く

1回では最後まで抜けないと思うので、フィラメントの先端がローラー部分に達するまでReverseを1回ずつ押します。
ちなみにローラー音は速度によって聞こえないこともあるため、動作が終了したことが分かるようにReverseを一度押した後にY軸の1移動などを一度押せば、送り動作が終了後移動の動作が開始され、その音で動作が完了したことに気づくことが出来ます(特にFABRIALは送りをしないまま放置すると膨張する可能性があるので)。
ローラーがフィラメントの先端まで送り切ったら、それ以上はローラーでは送れないので手で引き抜きます。その後即座にPronterface上でホットエンドの温度を切って下さい。

ホットエンドの交換

無事引き抜きが終わったら、今度はホットエンドの交換を行います。
この部分は特に加熱などを行わないので、丁寧に行えば大丈夫です。

ソフトウェアとプリンタの接続を切る

Pronterface上で温度を切った後、Prontercfaceとプリンタも一旦Disconnectします。
サーミスタや加熱部のコードを外すので、これらが動作している状態で片方を外すと、例えばサーミスタのみを外した場合、加熱の指定をした際にサーミスタが室温の値を取り続けるため、加熱部が設定温度に達してもソフトウェア側で認識されず、温度を際限なく上げていく危険性があります。

ホットエンドの取付金具の取り外し

次にホットエンドを固定している金具を取り外します。画像の緑色にハイライトした部分の金具を取る必要があるので、それを固定しているネジを取り外します。
六角レンチを使い、左右のネジを緩め、外します。
両方のネジを取り終わったら金具を手前にスライドさせれば、金具を取り外すことが出来ます。

ホットエンドの取り出し

金具を外すとホットエンドも手前にスライドさせることが出来るようになるので、ペンチ等を使って固定位置から手前にスライドさせホットエンドを取り出します。

サーミスタと加熱部の取り外し

最後にホットエンドを唯一固定しているサーミスタと加熱部のコードを取り外します。
それぞれの差し込みプラグにフックがついているので、画像のように指押さえてそれを緩め取り外します。

ホットエンドの交換

これで取り外しに関しては全て完了したので、次は今までの手順を遡る形で別のフィラメント用のホットエンドを取り付けていきます。
まずは新しいホットエンドのサーミスタと加熱部分のコードをプリンタに接続します。
次に、ホットエンドを定位置に設置し、金具を被せネジで固定します。ここでネジを1つずつ締めるのではなく、交互に少しずつ締めていったほうがネジ穴とのズレが少なくて済みます。

プリンタとPCの再接続

Pronterface上でプリンタと再接続をして、XY軸などの移動ボタンを押し動作を確認します。エラーが出る場合、再度Disconnectして、プリンタ本体を再起動してからもう一度接続して下さい。

フィラメントの装填

ホットエンドを交換し終えたら、フィラメントを装填します。

フィラメントをエクストルーダに挿す

切り替えたフィラメントをエクストルーダに挿します。先端は前回引きぬいたままの状態ではなく、ニッパーなどで綺麗に切っておいて下さい。
2つのローラーの部分まで挿し入れます。

加熱とフィラメント送り

Pronterface上でホットエンドの温度をPLAなら185℃、FABRIALなら140℃に上げ、設定温度まで達したらExtrudeボタンを押しフィラメントを送ります。
ここで注意したいのは、FABRIALは性質上送り速度を速くし過ぎるとホットエンド内で詰まってしまうため、送り速度は10mm/min、長さは10mm程ずつで行うことです。
フィラメントがホットエンド内に入っていき、その後も数回フィラメント送りをしてエクストルーダの先端からフィラメントが出てくれば完了です。FABRIALに切り替えた場合、すぐに使わないのであればなるべく早くホットエンドの温度を切りましょう。