ばあちゃんにとって、刺激的でハッピーなことってなんだろう？ ただモノを贈るではなく、コトを用意するでもなく、何か体験できるのがいいね。などと話し合う中、誕生日や敬老の日など、特別な日が過ぎてしまっていることに落胆しかけましたが、「何でもない日常こそ特別だよね」ということに気付き、何でもない日を楽しむ「女子会」を開催することにしました。

ばあちゃんには妹が２人いて、よく３人で集まって女子会をしているので、そこにあったら楽しくなるものを作ります。女子会といえば？そう、自撮りですね。楽しく自撮りできる、何か、顔につけれるもの、ということで、パーティー用メガネを作ります。

デザインのアイデアは母に担当してもらいます。メガネの枠の中に何か文字を入れたかったので、メガネの枠だけイラストレーターで描いて印刷した紙を母に渡します。「ばあちゃんたちを表現する言葉や、願い、ポップでハッピーな感じで！」と雑なオーダーをします。「え！お母さん何も描ききらんよ！」と言っていましたが、さて、どんなアイデアが上がってくるのでしょう？

さっそくこの素晴らしいアイデアを形に起こしてみます。どのようなテイストにしようか……

メガネ本体の長辺は140ミリで、テンプル（耳にかけるところ）は長辺125ミリで作成します。

さてさてやっと3Dデータの作成です。さきほどのデータをFusion360で開きます。

そのままだとインチで出てくるので作成した時と同じミリにして配置します。線が途中で切れていることがあるので、もし切れていたらスプラインや円弧などでつなぎます。イラレで書くときに、アンカーポイントが多いと途切れやすくなることが多い気がするので、私はイラレで描く時点でなるべく点を減らしたデータを作成しています。（切れない方法があれば教えて欲しいです。）

押し出しで高さを2ミリ出します。 3ミリ以上にすると重くて鼻からずり落ちてしまうので注意。

6×2.5ミリの長方形を描いて、同じものを矩型上パターンで4つにし、メガネ本体の両サイドに2つ１組（間が3.5ミリ）の状態で配置します。

押し出しで高さを6ミリ出し、組み立てた時に内側にだけ可動させるため内側をフィレットで3ミリ凹ませます。

できた4つのパーツをコンポーネントでメガネ本体に移動して組み合わせ、結合でくっつけます。そもそも本体上で作ればいいのでしょうけど、選択しづらかったので別で作ってくっつけました。

テンプル部分も同様にイラレで描いてDXFで書き出していたので、Fusion360で開きます。テンプル部分も2ミリ押し出し。6×3ミリの長方形を押し出し、両短辺を3ミリフィレット、中心に直径2ミリの穴を開けます。できたジョイントパーツをテンプルの先に結合させます。
megane_mimi.f3d

この作業を見ていた母が「私もやりたい」と言ってきたので、デコレーションパーツを作ってもらうことにしました。 fusion360でハートを描いて、押し出し、フィレット、側面を2ミリ厚の板を作って結合で抜くという作業をしてもらいました。ハートは、全部スプラインで描くと難しいのですが、山部分だけ円弧で描くと可愛くなります。

作成中は「ほお！」などと言って、とても楽しそうでした。
deco_1.f3d

今回出力するのは北九州イノベーションギャラリー（KIGSきぐす）のデジタル工房にあるMakerBot Replicator5th です。データをUSBメモリに入れて出力します。

デコパーツの出力の向きを2パターンやってみました。寝かせるか、逆立ちさせるか。

出力したパーツを並べたら、とてもかわいい感じになった。

PPAP

出来上がったかわいいめがねを、女子会に持っていきます。

3人ともガラケーなのですが、後日ばあちゃんから「スマホはばあちゃんには難しいだろうか？」という内容のメールが届きました。

レンズの面が埋まっているデータを作ったので、これに好きなように穴を開ければオリジナルのかわいいめがねが、簡単につくれます。（文字は反転させてくださいね）よかったらみなさん作ってみて下さいー。それでは〜