デザインプロセス-01
まずは卵を撮影し、断面形状を得る。
デザインプロセス-02
最初にイメージしたのはやさしい触手で卵を包み込む感じ。
触手をいろいろモデリングしていくと
カーテンレールの先のように丸いリングで
スプリングが利いたような形になっているもの。
そのうち、なぜかわらびの穂先のような形になっていった。
モデリングに使ったCADは今回、Fusion360です。
デザインプロセス-3
アイデアが固まったら後はひたすらモデリングです。
年期が入っているのでモデリングは得意だが、
仕事で使っているのはSOLIDWORKS。
今回はFusion360。似ているといえば似ているが
使い勝手はぜんぜん違う。やっぱり歴史のある
SOLIDWORKSの方が何倍も使い易い。
オートデスクさんがんばってほしい。
とくに穂先のレイアウトは、思考錯誤がいるので
「移動」コマンドに数値履歴の残らないFusionは辛い。
デザインプロセス-4
一気にモデリングを進めていったが
中央のリング部で本当に左右割りのケースが
固定できるかが心配。
そして何よりウチの3Dプリンターは
ABSとPLAしか出せないFDM機。
どうやって勘合チェックしようか?
デザインプロセス-5
造形できるがどうか不安だったが
とりあえずプリントしてみることする。
ケージ本体は片側が2個組み合わさって
勘合する左右同一形状。同じものを
2個ABS素材で出力。
なぜABSにしたかというと少しでも
ジンセイ(柔らかさ)を持たせたかったため。
サポートが鬼のように絡まっていたが丁寧に
外していった。(残念写真の撮り忘れです)
でも合計9本ぐらい触手が欠損。
リング部はPLAで出力し、何とか勘合できた。
でもこの固さのケースに卵いれたら
絶対割れるという確信が・・。
そうだ、普段お世話になっている京都ヨコイト
の中島くんに相談してみよう。
彼は3Dプリンターの達人だし。
リングはめ込みがギリギリできた
CADデータをすこし触り、リングのはめ込み成功
デザインプロセス-6
確認用モデルを出力したFDM機:
本体ABS部2個→Flashforge CreatorPro
リングPLA部→Qiditech X-ONE
デザインプロセス-7
京都ヨコイト
の設備、光造形3Dプリンター
「Form2」にてフレキシブル材料で出力。
造形物:
本体2個
リング1個
サポート除去のようす
素材がやわらかいのでニッパーを使わずとも
カッターナイフで除去できる。
医療用メスでもいいいかもしれない。
勘合チェック
勘合させてみる。
フレキシブル素材の場合はクリアランス0.5mm
程度でも山を乗り越えて完璧な合わせができた。
落下実験atN5.5
応募締め切り前日の日曜日、ようやく落下実験ができた。
結果は
Form2フレキ素材:
0.5m 成功
1m 成功
CreatorPro ABS素材:
1m 成功
となった。
Form2 0.5m 成功
Form2 1m 成功
CreatorPro 1m 成功
成功の陰に失敗あり
生卵はみなさん御存じのとおり、
タテ方向には強く、ヨコ方向には弱い。
落下させていくと、どうしてもヨコに回転が
かかりタテ方向のまま落すのが難しかった。
ここに3つの失敗実験動画を
載せますが、こんなもんじゃすまないという
ことだけは言っておきます。
おかげて大きなオムレツが食べれるのですが・・。
Form2 1m 失敗1
Form2 1m 失敗2
Form2 1m 失敗3
新たなデザインのヒントも見つかった
今回、Form2のフレキシブル素材、FDM機のABS素材と使い分けて
それぞれ単独で造形した。
実験中感じたのは、外殻は固いABSで、
内側をやわらかいフレキシブル素材で、
2層レイヤーのデザインにすれば
よりよい結果が生まれるのでは
ないかなとのヒントを得た。
あと卵の姿勢が立ったまま落せる工夫
が必要な条件かとも感じた。
生卵の落下で中身を守るというテーマは
シンプルでわかりやすい。
全日本製造業コマ大戦のような
地方色のある大会にして、
継続テーマにしてみるのも
面白いかもしれない。
パーツ3Dデータ
リング部
※8.5MBある本体部のSTLデータ、
24MBあるFusion360生データは
アップロードできないようです。