材料


Materials

・フィラメント/FORZEAS
・フィラメント/PLA樹脂

その他

・刺繍糸(茶)約130~140㎝
・両面テープ
・ゴム製シート

Tool

・3DCADソフト/fusion360
・3Dプリンター/QHOLIA(クホリア)

制作1


課題

・ドアの下に押し込むタイプは足だけでは入れにくく、力がいる。
・ドアストッパー自体が固定されてないタイプは何処かになくしてしまう。

対策

・少ない力で入れ込めるようにする。
・なくさないよう固定またはどこかに引っ掛けられるようにする。

制作

・真ん中に穴をあけドアとの接地面を減らし、より少ない力でドアに押し込めるようになりました。
・後ろには紐をつけられるところを用意し、ドアノブなどにかけられるようになりました。

このまま3D印刷をしようと思ったのですが、、、 そういえばドアストッパーってどんなのがあるのかあまり知らないなと思い既製品を見てからにすることに。

まさかの、、、

思ったより色々あり、見てみたところ
同じのあるやん、、、
そのうえそのままフックにかけられる、、、

ということで他の既製品を見て別の案を考えてみることになりました。

既製品から思考


既製品タイプ①

・これはどこかになくさない代わりに、設置の際毎度しゃがむ必要がある。
これは高齢者にとって少し負担に、、、

既製品タイプ②

・ドアの上に取り付けるタイプ。
・ドアの開閉角度も調整可。
・上に取り付けるので、背が高くない限り設置の際に負担がかかる。 低身長の自分(約160cm)にも厳しい、、、、

既製品タイプ③

・ドアに直接取り付けるタイプ。
・しゃがんでストッパーを置く必要がないうえ、ドアの下に入れ込むタイプでもないので力も必要ない。

完璧やん、、、


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ これが完璧なように見えていたのですが、祖母に使ってもらったところ足だけではストッパーを上げ下げできずに
結局しゃがんでやるはめに。

課題

・しゃがまなくても、背が低くくても簡単にストッパーを取り付けられるようにすること。
・どこかに固定化できるようにすること。
・ドアの開閉角度を調整できるようにすること。

たったこれだけの条件のおかげでかなり悩まされました。
一時は条件を減らそうとも、、、
でも課題が見つかったのであればなんとかそれをクリアしたい!

仕切り直して・・・制作2


唐突な発案

アイディアって本当に唐突にくるものですね(笑)
ある日学校でふとアイディアが浮かびました。
画像はその時すぐにメモしたものになります。
・・・いわゆる落書きってやつですね。

落書きをまとめると?

落書きを後できれいにととのえてみました。
仕組みとしては、紐を用いて手動でストッパーを稼働させるというものです。
かなり悩んでいた割には以外とシンプルな案となりました。

紐で引っ張ることでストッパーの上げ下げを切り替えドアの下にストッパーを出し入れします。
また紐の先には別の部品(画像右図)をドアノブ高さ程度のところに取り付け、
切り替えのロックをするものを考案。

改善

先程ととのえた図を見て、図のように紐を引っ張ってもうまくストッパーが上がらないと思い、紐の軌道を補助する扇形のサポートを付けました。
これを各パーツに分けfusionで制作していきます。

fusion制作 /パーツA(先程の画像参照)

・パーツAはドアに取り付けストッパー部分であるパーツBを支える部分になります。

・紐がずれないように扇形部分のサポーターには溝を掘りました

・パーツA,BはパーツCの芯でとめ回転できるようにするので接合部分の筒は片方は穴を閉じています。
もう片方はのりでふさぐ予定です。

fusion制作 /パーツB

・パーツBはストッパーとなる主な部分であり特徴としてギザギザ面が存在します。
自分はこのような設計にたけてるわけでもないのでギザギザ面は画像にあるように三角柱の棒をパターン化し垂直に並べた後、一個ずつ角度を調整しながら設置していきました。
地道で大変な作業でした、、、

・ドアの下に1/4回転しながら差し込むため、ギザギザ面と対になる底辺となる部分は真っ直ぐでなく少し曲げました。

・それと紐を取り付けるため、結べる穴を設置。

fusion制作 /パーツC

・パーツCは、、、芯です。
パーツA,Bの接合に使うただの筒なので長さを調整して終わりです。簡単!

fusion制作 /パーツD

・パーツDは上部に設置する下部パーツと紐でつながるパーツです。
・画像図の底面がドアの設置面になります。
・下方から紐を通せるように部品の中に空間を設計(画像参照)
・紐の末端には球体(パーツE)を取り付けON/OFFの切り替えのため2段階引っ掛る部分を設計。
・1つ目は図上部の穴、2つ目は図右部にある曲線部分になります。

fusion制作 /パーツE

・パーツEは紐末端につける球体になります。
・紐を通しとめるため球体に穴を貫通させ紐を結んで固定します。
・作業は球体に穴1つ貫通させるだけ、、、簡単ですね!

3D印刷

やっっっと各パーツを3D印刷していきます。
最初はFORZEASで制作してみました。

・まずはパーツAを制作してみました。
やはりかなり難しい素材でした。


①溶けすぎる
素材がとても溶けやすく温度や速度を調整しても曲がったり、形が整わなかったりしました。
(画像1枚目200度、2枚目180度)
②台と作品がはがれてしまう
印刷途中で作品と土台の板がはがれてしまう事態に、、、

詳しい方に尋ねてみたところ土台の板にヘアスプレーをかけるといいとのことでした。言われたとおりにやってみましたがやはり板から作品がはがれ、画像のようにフィラメントを出す機械の部分が作品を引っ張っていきました
どこいくの、、、

別フィラメントで3D印刷

3Dプリンターをお貸しいただいた会社にあるフィラメントを使用させてもらい再挑戦

はじめサポーターをありにし、全部品を一気に作成してみました。
するとパーツCは問題なくできましたが、残りのパーツは問題が発生しました。

・各パーツの穴という穴がサポーターで埋まりつくしていました。それにパーツBはギザギザ面や曲面に多量のサポーターが付く始末。これによりサポーターを外す必要があるのですが、パーツEが限度以外のパーツはサポーターの完全除去は難儀なものでした。

パーツA

各パーツごとに制作することに

・この時fusionを見て、壁と接する面がパーツBとの接合部分の筒のせいでうまく貼れないことが判明。
その後サポーター無しで作ってみました。

・結果
サポーターがなくても穴がしっかり空いています。

パーツB

fusionで設計し直す際パーツAと同じく問題点が、、、問題ありすぎじゃね?

それはさておき
・問題点は2つ
1つ目は接合部分の筒の取付忘れ、うっかりにもほどがあります。
2つ目はパーツAの接合部分が触れるパーツBの面が平らだったこと。
これではパーツA,Bを取り付ける時うまく接合できません。

・これらの問題点を改善したうえで、物体を90度手前に倒し自動でつくサポーターは無しでオリジナルでサポーターを筒部分に設置。

・結果
オリジナルサポーターも簡単にとれ、フィラメントが垂れているれているところもありません!

パーツD


・パーツDはサポーターを付けてしまうとU字にカーブした空洞に埋まったサポーターを取り除くという専用器具のような物がないと難しい作業が必要となります。そのためサポーター無しで制作するのですが、曲線を描いている部分が制作中に垂れる可能性があるので、90度物体を傾け立てかけてから制作します。

・結果
上手く制作でき曲面も中の空洞も整った形でできました。

パーツE


・パーツEは最初に制作したサポーターが付いた状態のもの使用しました。
様々な工具を駆使しやっとのことでサポーターが取れました。

ちなみに球体の穴の部分は人の耳かき感じで意外と楽しかったです(笑)

組み立て/設置


組み立て

・パーツD、Aに紐を通します。
その後パーツA,BをパーツCを使って接合し、パーツBにも紐の末端を結び付けます。

・紐の長さを調整しつつもう片方の紐の末端をパーツEに結び付けます。

・グリップがきくようにゴム製のシートをストッパーの底面に貼りました。

・パーツA,Bの接合部分をより滑らかにするため油も一応さしておきました。

設置

パーツA,B,Cはドア下に設置(高さ約10cm)。
パーツDは一般に手の届きやすいドアノブの少し上ぐらいに設置。(高さ120cm)

使用

・玄関で試しました。
重いドアと玄関外のタイル上の砂で上手くいかない気がしましたが、まあ何とか機能しました。
ただこのストッパーは主に室内のドアの換気を主としていたので、玄関向きではない気ががします。

きっと疑問に思われたと思います。室内用につくったのになぜ玄関で試したのか?と、、、
これに関しては感想のところで述べたいと思います。

・祖母の家で試しました。
やはり室内のドアは玄関と違い、下に大きな隙間がありました。
また、床もグリップがききやすいので玄関より上手く機能しました。

使用時(ストッパーを動かしてない時)


使用時(ストッパーを動かした時)


感想


使用面

・使用のところで述べるといった件についてですが、実はわが家の室内のドアがすべて横開きだったのです。なんてこった、、、

・ストッパー部分はもう少し底面を曲げてもいいかもしれません。

・足の力をほとんど使わずに使用出来ました。手でストッパーを動かすのはやはり新鮮な感じがしました。
祖母も「こりゃあ、楽じゃねぇ(これは、楽だね)」と広島弁で申しておりました。

感じたこと

・もしかしたらこれからのドアはストッパー無しで開閉の調整ができたり、自動ドアのようなものが増え、ドアストッパーの出番はなくなるかも知れません。
しかし未来も大事ですが、今いる高齢者などの人達に向き合うことも大切だと改めて感じさせてもらえました。このような機会を頂き本当にありがとうございました。

協力してくれた方々


三菱ケミカル株式会社

フィラメント(FORZEAS)の素材提供ありがとうございました。
生成時の温度、速度のデータが分からず、申し訳ありません。
素材はまだあるのでできる分だけ試して、もう少し個人でやってみようと思います。

Digi Fab Spot

3Dプリンターをお貸し頂きました。
自分は3Dプリンター初心者で不安もありましたが、様々なことを教えてくださりまた工具などもその場でお貸ししてくださいました。