きっかけ
仕事柄、ご高齢の方々と接する機会が多いのですが、特に女性においてへバーデン結節に悩む方が多いと感じていました。一説によると300万人以上の方が悩んでおり、指先を酷使する仕事に従事している方に多いとのこと。利き手の第1関節(最も多く使う)に特に症状が強く現れるようです。現代人はキーボードを使用する仕事に従事している方も多く、今後より多くの方がこの症状に悩まされるのではと心配しています。一度変形が進んでしまうと戻すことは難しいため、初期より悪化をいかに防いでいくかが重要のようです。
そこで何とか、取り外しや可塑性のある悪化予防スプリントが作れないかと思ったのが製作チャレンジのきっかけでした。
作り方
はじめのモデリングと使用したフィラメント
thingiverseに掲載されていた、こちらを元データとして使用させていただくことにしました。
https://www.thingiverse.com/thing:1756241
「指先用」ということで、まずはこちらの柔らかめの素材(熱可塑性のエラストマー)で出力してみました。
結果はこちら、、、。
アメリカ人の方のモデルだったので、少し大きかったようです。
ブカブカな上に、さあここから微調整するにもどうしよう、、。といった感じ。
サイズと素材の変更
そこで、モデルのサイズを95%に縮小しました。
素材は、熱で簡単にアレンジできる
ユニチカさんの感温性フィラメント
に変更して再度チャレンジ。
出力した結果がこちら。
太さはいい感じ。
長さが少し長めで、PIP関節(第2関節)を屈曲すると押されて上がって来てしまうので作業するのにはもう少し短くした方が良さそう。
縮小データで出力したものは、内側がザラザラした触感になってしまっていましたが、40℃程度のぬるめのお湯に一旦浸けて、内側を指でなでるだけで、滑らかになりました。
触感は大切ですもんね。
長さをカットして親子で再チャレンジ
ハサミで端を3㎜程切断。
短くしたものを指の形にフィットさせる。
PC操作の多い母の将来の変形予防のためと、娘がモニターで手伝ってくれました。
完成作品と結果
いい感じに指にフィットしたフィンガースプリントができました。
装着したまま、タブレット操作もでき、娘もご満悦です。