For whom:対象者

手指の拘縮傾向などの影響により、
スマートフォンを持ち続けることが難しい方
スマホリングの穴に通すことが難しい方

Why:なぜ作ろうと思ったのか

知人より、「スマホを利用する際に、手指が変形してスマホを落としやすくなっている。しかしスマホリングは指が穴に通らないから使えない方に対して何かいいものはないだろうか」と相談され、実際に自分も似たような場面に遭遇したことが多数あり本作品の制作に至りました。

How:どのように作成したか

従来のスマホリングでは穴に指を通しづらい課題があったため、指を通す部分を可動性があり、かつ消毒対応可能なユニバーサルテープ(© Hello!Silicone)を採用しました。そのテープをスマートフォンに取り付けるための土台パーツを3Dプリンタで設計・作成しております。
また、肌に触れる部分の柔らかさを考慮しTPUフィラメントを採用しました。

試作品共通作成環境

【印刷環境】
Tinkercad
Bambu Studio
Bambu_Lab_A1_ mini
TPU 1.75mm

【材料】
Universal Tape(ユニバーサルテープ)(© Hello! Silicone)
iP14/13用ケース(山田化学株式会社)
セメダイン スーパーX2 透明 10mL(セメダイン)
※今回は熱可塑性ポリウレタンのスマホケースにTPUのパーツを貼り合わせるため、硬化後も弾性のある変成シリコーン系の接着剤を選択しました
※動作比較対象としてFINGER RING(スマホリング)(ダイソー)を使用しています
  • 試作品1

    3Dプリンターとユニバーサルテープでつくる スマホホルダー 試作品1
    ユニバーサルテープを巻きつける構造であり、長期利用を想定したことから、土台が接着面から剥がれないよう接地面積を大きくしました。
    ユニバーサルテープを約17㎝に切り使用しています。

    市販のスマホリングと比較して、指を通す穴の可動域を拡大できるほか、利用者に合わせて穴の大きさも変更可能となりました。一方で、スマートフォンを保持する際の安定性に改善の余地があると感じ、土台パーツを二つに分割することを検討しました。分割構造とすることで土台が外れるリスクは高まるも、対象者の手の大きさや変形の程度に合わせた調整がより容易になると考えました。

    本投稿作品(試作品2)

    3Dプリンターとユニバーサルテープでつくるスマホホルダー試作品2
    試作品1の改善点を踏まえて、分割したパーツで固定するため小型化しました。今回はスマートフォンに対して垂直に手を差し込むことをを想定し、対角線上に配置したパーツをスマートフォンケースに接着剤で固定しております。

    ユニバーサルテープは約20㎝の長さで切り、厚みを均等になるよう半分の幅で重ね合わせました。また、各パーツの根元部分で巻き付けやすいよう、それぞれの端部分は一枚分の厚さになるようずらして貼り合わせております。
    結果、スマートフォンを把持するための指の通しやすさと、スマートフォンの保持能力に改善がみられました。

    試作品2で糸引きがでる方へ

    基本的に今回試作品2ではサポートを使用しない形で印刷を想定しています。

    しかしながら印刷環境・フィラメントなどの影響により糸引きが発生する可能性があるため、3Dプリンターとユニバーサルテープでつくるスマホホルダー糸引き対策用データを用意しました。

    こちらは試作品2のデータを、Z軸を中心に90度回転しております。環境によっては糸引きが軽減される可能性があります。製作者は強度の面から試作品2を推奨しておりますが、糸引きが気になる場合はこちらもご検討ください。

    Outcome:対象者の何がどのように変化する道具なのか

    スマートフォンを使用する際に、手指の拘縮傾向などの理由によりスマホリングの穴に指を通すことが難しく把持が困難な方を対象に、スマートフォンを落とすリスクの軽減・保持する際の固定力向上・負担軽減を目的とした道具です。

    今回は比較対象として、それぞれ同一のスマートフォンケースに固定し、動作確認をしております(動画参照)。
    ①市販品のスマホリング使用
    ②試作品1
    ③本投稿作品(試作品2)

    その結果、自身の使用感としては本投稿作品(試作品2)は①・②と比較して、指を穴に通しやすく、スマートフォンの固定力にも改善を感じました。