第一形態(履修選抜) : 最もシンプルな植木鉢

[環境]
モデリング:Blender
スライサー: AnkerMake Studio
プリンタ: AnkerMake M5

手順は円をexcludeして、穴を開けるという3工程のみ。しかしシンプルとはいえどチープでいいというわけではないので、しっかりとベベルをかけることで形を整えました。

出力品と改善点

3Dプリント自体久しぶりだったので、スライサーを久しぶりに操作しました。しかし出力してみてびっくりしたのは、ベベルがまったく意味を成していなかったこと!3D空間で見る造形と、現実に出した造形は異なることを実感しました。
 
stl
https://drive.google.com/file/d/19nZpj-KCAnfc_SaV1tYUnctYcO1o87XE/view?usp=sharing

第二形態:可変性を持たせる

[環境]
モデリング:Blender、Nodi3D
スライサー: AnkerMake Studio
プリンタ: AnkerMake M5

stl

https://drive.google.com/file/d/1ssETZLGipmLZ5zvuixK7g4Xdsnaawd0c/view?usp=sharing

第三形態:水と風の通りを考慮した植木鉢

[環境]
スライサー: AnkerMake Studio
プリンタ: AnkerMake M5

工夫した点 : この週は、ジャイロイドインフィルといったスライサーによる表面の変更を田中先生に教えてもらいました。Expertモードはまさに魔境、Xなどに少しレファレンスはありましたのでそれを参考に出力しました。ゼルダの伝説のような穴が綺麗に形を変えながら並ぶものをつくれたと思ったのですが…(横の画像はゼルダのマーク)

成果物と改善点


穴は開いたり開かなかったり…SAさんに聞いたところもっと細かい操作が必要だったとのこと。ディティールの薄さを詰めなければ、失敗してしまうことを学んだ。

第四形態:テクスチャをつける

[環境]
モデリング:Blender
スライサー: AnkerMake Studio
プリンタ: AnkerMake M5

工夫した点 :  どのようなテクスチャをつけるか考えた時に、授業で紹介されたBlenderのレファレンスを参考にファジースキンに近い操作で出力をしました。結論テクスチャーを変化するのではなく、このテクスチャーを活かすための形状を考えました。 縄文土器のように見せることができると考え、資料などを見ながら形状を動かしていたら縦長がしっくり来たので縦長にしました。

成果物と改善点

これに穴を開けたらより土偶っぽくなったかもしれません。テクスチャーの魅力は、そのマテリアルに質感をもたせることであって、模様をつけることでもっとアイコニックになれたかもしれません。たまたま緑で出力しましたが、それにしても気持ちが悪いです。これは最終発表への布石となります。

stl
https://drive.google.com/file/d/1HPEW6RnXS9cnk9djKljyfq7o5dL6D4-g/view?usp=sharing

第4.5形態 : 最終成果物のプロトタイプをつくる

[環境]
モデリング:Blender
スライサー: AnkerMake Studio
プリンタ: AnkerMake M5

第4形態のもっとディティールをつけて土器っぽくしたほうが面白いかもと思ったこと、そして気持ち悪さが意外と面白いかもしれないところから穴を開けることにチャレンジしました。行った操作としては、Blenderにて、

2次元的な平面で植木鉢の形をつくったあとに、

ワイヤーフレームモディファイアを適用し、

サブディビジョンサーフェスを適用する。

これを行うことによって、穴が空いた面白いデザインになりました。

成果物と反省点

ポイントは穴の開き方です。 この植木鉢は均等に穴が空いているが、これはポリゴンが綺麗に整列しているからです。ポリゴンの大きさをもっとばらばらにすれば穴の大きさもバラバラになることから、より気持ち悪さがでるかもしれないと思いました。

 stl

https://drive.google.com/file/d/1xgPFCDfVgD3c1GbGoN0FoUNB8W9L9xSl/view?usp=sharing

最終形態 :気持ち悪さのある植木鉢を作る

[環境]
モデリング:Blender
スライサー: AnkerMake Studio
プリンタ: AnkerMake M5

後に語る理由から1本咲きの花が映えるような造形に変更した。 さらに、色も白だけは避ける、置く皿と植木鉢本棚の色も別にすることで気持ち悪さを意図的に作り出した。 また、穴の大きさもバラバラに変更したことで単調ではなく、ゆらめくようなデザインにした。


stl
https://drive.google.com/file/d/1GhOfEsoby-LN1Jti61xICyEbFKRaAnzS/view?usp=sharing

置く場所の選定

僕が好きなミュージックビデオに星野源の「地獄でなぜ悪い」というものがあります。そのシーンの中にこの成果物の置き場所の選定に活かせそうなシーンがありました。

病室から何気なく主人公が外を眺めていると、綺麗な花が咲いており、その花のあまりの綺麗さに錯乱状態となり妄想世界(地獄)へ誘われる(横の画像が参考)

というものです。 私はこのシーンのオマージュから、SFCの教室から何気なく眺めるとある場所を選ぶことにしました。

ミュージックビデオ
https://www.youtube.com/watch?v=oZE9IDY2IXM

3Dスキャン

k e i oのeの横の教室に置いた。ここに置くことで、oの2階の教室から何気なく眺めた時にeのところに一輪の花が咲いている。というミュージックビデオのオマージュが完成する。 花もそれに合わせて、一輪咲きのさりげない花にした。

LumaAIによるスキャン


https://lumalabs.ai/capture/FC913FE0-9E46-4B42-A741-939947624E0D

(参考)没案となった場所のスキャン


https://lumalabs.ai/capture/26B7F186-03BA-4E68-A098-2CD51C1DD6C6

主なフィードバック

田中先生 )  オランダのプロダクトデザインを感じる。

これについて後から調べましたが、彩度の高い原色を組み合わせて使うようなところに近さを感じました。また、お皿の大きさはこの大きさでいいとのアドバイスをいただきました。

名前を失念してしまいましたが(申し訳ありません)、田中研の卒業生の方

コンセプトがはっきりあって、それも気持ち悪いものを作りたいという動機。自分の欲に忠実で、ぶっ飛んでいて面白かった。しかし、デザインの造形は技術的にもできなかったところは多かったようで今後も頑張ってほしい。

光栄なことに、私の作品を最後に選んでいただきました。ありがとうございました。

最後に

この授業を通して最も印象に残った事は、1つのものを直線上で改良していきながら、成長させていくと言う体験です。 1個1個の成長は、小さなものもあり、造形的に一気に洗練されるようなタイミングなどもありませんでした。しかし、毎週インプットとアウトプットを繰り返しながら、地道に1つの製品に向き合い続けることで、嫌でもある程度の面白さであったり、クオリティーを持ったものが生まれるということが、私にとって新しい発見でした。

今後の目標

できれば今後もこの植木鉢を成長させていきたいです。
目標としては、今回は気持ち悪い植木鉢を目標に作りましたが、

「気持ち悪くも洗練されていて、かっこいい」

そんな植木鉢を目指したいです。
また、植木鉢作りの経験を生かして、私が本筋でやっているキャラクターモデリングやメカのモデリングなどにも活かしていきたいです。田中先生、SAのみなさま、ゲストスピーカーの方々、メディアセンターのスタッフの方々、一学期間どうもありがとうございました。